2012年11月上旬・気温18℃
シギゾウムシの一種(Curculio sp.)が山道を徘徊していました。
せかせかと歩き回る眼の前にホオノキの大きな枯葉を置いてやると、登ってきて天辺から飛んでくれます。
なぜかあまり遠くまで飛べないので、飛び立つ瞬間をハイスピード動画(220 fps)で繰り返し撮影することが出来ました。
甲虫が鞘翅をパカッと広げる瞬間が個人的に何度見ても気持ち良いポイントです♪
この個体は右中脚の脛節以下を欠損していますが、飛ぶ直前に必ず中脚を持ち上げて準備をしていることが分かります。
後半(0:57〜)はNG集です。
後翅がきれいに開かないうちに慌てて羽ばたいても当然飛べません。
翅を広げても離陸を躊躇ったり上手く飛べないのは疲れてしまったのか、あるいはシギゾウムシにとって気温が低いためでしょうか。
通常のHD動画でも同一個体を撮ってみました。
なんとなくクリシギゾウムシ(Curculio sikkimensis)かな?と思うのですが、近縁種との見分け方を知らないので自信がありません。
どなたか教えて下さると助かります。
2012年11月下旬
河畔林を歩いていたら、エナガ(Aegithalos caudatus)の群れが近くの柳の木にやって来ました。
好奇心旺盛というか、明らかに私の様子を偵察しに来たように思いました。※
(誰かが餌付けしているのかな?)
賑やかに鳴き交わしながら枝から枝へ飛び回ります。
※【追記】
『鳥はなぜ集まる?:群れの行動生態学』p98に「エナガたちは昼間フクロウのとまっている所にやってきて、まわりで騒ぎ立てるが、実際にフクロウを攻撃することはなく、常に一定の距離をおいている」と題したスケッチが載っていました。(第10章 小鳥は昼間に仇討ち―モビングの行動学―より)
エナガの群れがよく私の周りにやって来るのは好奇心ではなく私に対するモビング(擬攻撃)だったのかもしれないという説はとても新鮮だったので、覚書として記しておきます。
エナガの鳴き声を声紋解析してみる
元のMTS動画ファイルから音声をWAVファイルにデコードしてから、間近でジュリリ…ジュリリ…♪と鳴き交わしている部分を切り出し、スペクトログラムを描いてみました。
もしエナガの行動がモビングならば、この鳴き声も「モビング・コール」ということになります。
どうなんでしょう?
【追記2】
松原卓二『エナガのねぐら』という素敵な本(写真集)を読むと、p88に様々な鳴き声についてその意味がまとめてあり、勉強になりました。
チュルリ(ジュルリやツリュリュと聞こえることも)
野鳥多しといえども、この鳴き方をするのはエナガだけ。いちばん特徴のある声です。
モビング・コールかと思ったのは、私の考え過ぎだったようです。
一方、エナガの警戒声は
チルルルルルルルルルルル(長く)カラスやトンビなどの大きな鳥が上空を飛ぶと、この声を出して仲間に危険を知らせます。