2011年8月下旬
夜の灯火下で見慣れないカマキリが居たので連れて帰りました。
緑色型のコカマキリにしては変かな?と首を捻りつつ調べてみると、ウスバカマキリ♀(Mantis religiosa)でした。
山形県ではレッドリストの絶滅危惧種Ⅱ類(VU)に登録されている珍しいカマキリだそうです。
どうりで初めて見ました。
止まり木に落ち着くと、口を使って念入りに身繕いしています。
鎌の内側と根元にあるカラフルな斑紋が美しい。
つづく
【追記】(ウスバカマキリの)分布は非常に広く、世界的にはユーラシア大陸の大半、そしてアフリカ大陸にまで及ぶ。かの有名なファーブルの『昆虫記』にも、フランスに分布する本種が登場している。分布の広さは日本国内でも同様で、北海道から南西諸島まで全域にわたり分布しているのだが、南西諸島以外ではなぜか恐ろしく個体数が少ない。分布は広いのに、生息地がきわめて飛び地的なのだ。あまり人工的に荒らされていない、広大な河川敷のような環境で見つかることが多い。(p233-234より引用)
2011年8月下旬
峠道の歩道で瀕死のヒメジャノメを一匹のアリが引きずって巣へ運んでいました。
【追記・訂正】
改めて見直すとこれはヒメジャノメではなくてコジャノメ(Mycalesis francisca perdiccas)ですかね?
念のため撮影後に蟻を採集してみました。
素人目には普通種のクロヤマアリ(Formica japonica)のワーカー♀だと思うのですがどうでしょう。
2011年8月下旬
里山に美しく咲いたツリフネソウの群落でマルハナバチが何匹も訪花していました。
おそらくトラマルハナバチ(Bombus diversus diversus)のワーカーだと思います。
ズル(盗蜜)することなく、きちんと花の奥に舌を伸ばして蜜を吸っているようです。
後脚の花粉籠に白い花粉団子を付けています。
最後は葉の上で少し休んで身繕いする様子が撮れました。
ツリフネソウの花びらをよく見ると、マルハナバチが着地する度に爪を掛けるために裂けたり穴が開いたりボロボロになっています。
逆に、爪跡のある花を見つけたら、そこで待っていればマルハナバチを見られる可能性が高いのだそうです。(『マルハナバチ・ハンドブック』p21より)
花の正面に垂れ下がった花被は、訪花昆虫が花にもぐりこむ際の足がかりになる。(Newton special issue『植物の世界 第3号 ナチュラルヒストリーへの招待』p30 「ツリフネソウの生活史」より)
ハチはせわしなく花から花へと飛び回るので、すぐに見失ってしまいます。
今年カメラを新調したのですが、動画モードでオートフォーカスの追従性能が進歩していて感心しました。
今度はハイスピード動画の撮影に挑戦してみようと思います。
【追記】
『花の虫さがし』p76によると
ツリフネソウの花の蜜は、奥のクルリと丸まった所にあります。おしべとめしべは、上の方に付いていて、蜂の背中に付くようになっています。