2011/01/12

オオスズメバチの巣に御用心(刺傷例)



2009年10月上旬

林道横の茂みにオオスズメバチVespa mandarinia japonica)が出入りしているのを目撃。
近くに巣があるらしい。
背後からそっと回り込み、杉木立の陰から茂みの奥を望遠で撮ってみました。
口に何かを咥えたワーカーが地中から続々と出てきて飛んで行き、入れ替わりに空荷で帰って来ます。
別のスズメバチの巣を襲撃しているのかと初めは思ったのですが、咥えていたのは黒っぽい土粒のようです。
巣の拡張工事で生じた不要な土砂を外に捨てていたのだろう。
ストロボを焚くと蜂を刺激しそうで怖くて、同定用の高画質写真は撮れませんでした。
映像を見直すと頭楯下の突起が2つであること(オオスズメバチの特徴)を辛うじて確認。
コガタスズメバチは地中に営巣しないはずなので除外できそうです。
オオスズメバチの巣を実際に見つけたのはこれが初めてでした。
巣の入り口が見えそうなアングルにそっと移動し、視界を確保するために目の前の雑草の茎を注意深く折っていたら遂にオオスズメバチを怒らせてしまいました。
本で読んだカチカチカチという警告音は聞き取れず、いきなり攻撃されました。
一匹の蜂が突然バシーンと飛び掛って来ました。
ぶつかると同時に右手親指の付け根を刺されました。
蜂の一刺しで「火箸を押し付けられたような灼熱痛」というのは本当でした。
どうやら巣に近付き過ぎたようなので、すごすごと撤退。
血の滲む傷口を水で洗い、飲み薬(抗ヒスタミン剤)と塗り薬(副腎皮質ホルモン+抗生物質配合の軟膏)で応急処置。
幸いアナフィラキシー・ショックなど大事には至りませんでした。
その晩、右手の甲全体が熱を持ってグローブのように腫れ上がりました。
入浴したのが良くなかったのかも。
ズキズキした痛みは我慢できるレベルですが、腫れた指が曲がらなくなりました。
その後は強い痒みが数日間続きました。
もちろん丸腰で近付いた訳ではないのですが、私の装備では全く不充分だったと身を持って学習しました。
まさに生兵法は怪我の元。
観察するにもスズメバチ専用の防護服が必要なようです。


万一に備えてエピネフリン注射器(エピペン)を携行すると心強いかもしれません。
誠に無謀でお恥ずかしい失敗談ですが、皆様くれぐれもお気をつけ下さい。
正しい知識と準備で冷静に対処しませう。 
つづく

《参考》
・『スズメバチはなぜ刺すか』 北海道大学図書刊行会
・『ハチの博物誌』 青土社 p114


【追記】
山内博美 『都市のスズメバチ』p41によると、オオスズメバチは
巣穴を拡張するため、巣の入口付近に中から運び出した土の固まりが放射状に散乱していることがよくある。


ジョロウグモ♀(蜘蛛)の遠出



2009年10月中旬

ブロック塀の上を散歩するジョロウグモ♀(Nephila clavata)。
左の第一脚を欠損しているようです。
造網性であるジョロウグモが自らの意志で網の外をこれほど長い距離を歩いて移動する姿を初めて見ました。
獲物をより多く捕らえられる営巣地を求めて引っ越しの途中なのだろうか。
それともこの時期はジョロウグモの産卵期なので、産卵間近の♀が卵嚢を作る場所を探しているのだろうか。
塀の角まで辿り着くと懸垂下降しました。
 




ヒメアカタテハの日光浴



2009年10月中旬

夕方の堤防で少しずつ飛んでは移動するヒメアカタテハVanessa carduiの同一個体をしつこく追いかけて撮りました。
体温調節のためか、ときどき翅を広げて見せてくれました。

 


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