2023/12/10

朽木に止まったコゲラの鳴き声♪と飛び立ち(野鳥)

 

2023年5月上旬・午後14:10頃・くもり 

平地の池のほとりで啄木鳥がドラミングする音を聞きました。 
ドラミング音のする方へそっと近づくと、花盛りのウワミズザクラ樹上からコゲラDendrocopos kizuki)が飛び去り、 少し離れた朽木の天辺に止まり直しました。
 (映像はここから。) 
 同一個体なら♂ということになる。 
コゲラ♂は朽木を嘴で軽くつついてから、チッチッチッ♪と甲高い声で鳴き出しました。 
初めて聞く鳴き声で、カワセミの鳴き声を連想しました。 

やがて朽ち木から飛び立つと、私の方へ向かって波状に飛んで来ました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
飛翔シーンを正面から撮れたのは珍しいです。 

※ 動画編集時に逆光補正を施しています。


コゲラの鳴き声を声紋解析してみる

いつものように、撮影した動画ファイルから音声パートをWAVファイルとして抽出し、鳴いている部分を切り出してからスペクトログラムを描いてみました。
キキキキキキキキ♪と8回連続で鳴いています。



日本の野鳥さえずり・地鳴き図鑑』を紐解くと、コゲラのキッキッキッキ♪という鳴き方は地鳴きと分類されていました。
その他:くちばしで幹を叩きコロロロという音を出すドラミング(さえずり的な機能をもつ) 
地鳴き:ギィーギィー、とかキッキッキッキと鳴く。 (中略)鳴き声が似ている鳥は特にいない。( p16より引用)

ところが他の資料では、さえずり的な縄張り宣言とされています。 
例えば wikipediaでコゲラを調べると、
つがいや家族がいっしょにいることが多く、お互いの確認をするため「ギー、ギー」という声を出す。なわばりの主張や、遠方への自分の位置の伝達、巣立ったヒナが親鳥に給餌をねだるときなどには、「キッキッキ」という強い声を出す。嘴で木を強く連続して叩いて音を出すドラミングも行う。ドラミング音は、アカゲラなどの大型のキツツキに比べ小さく短い場合が多い。
バードリサーチニュースの「野鳥生態図鑑」によると、
コゲラもドラミングをするが,多くの場合その音はかなり控えめ(約0.4秒間に10回程度で音も小さい)で,遠くまで届かない.その代わり,キッキッキッキという声を張り上げ,この声は遠くまで聞こえるので,アオゲラのピョーという声と同じようにこの声がドラミングの代わりになわばり宣言などの機能を持っていると考えられる.キッキの声は,強く主張する場合の声で,雛が餌をねだるようなときにも,この声に似た声を出すことがある.

2023/12/09

ニホンアナグマ♀の巣穴に侵入するホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年5月上旬 

シーン1:午後18:45頃・日の入り時刻は18:40 
日没直後のニホンアナグマ♀(Meles anakuma)営巣地(セット)に意外な珍客が訪れました。 
ホンドテンMartes melampus melampus)です。 
この時期テンは夏毛に生え変わっているはずですけど、この映像では残念ながらホンドテンの毛色が分かりません。 
画面の奥から登場したテンが手前の巣穴Rに興味を示し、覗き込んだり匂いを嗅いだりしています。 
後脚で立ち上がったのは、辺りを警戒するためでしょうか。(@0:54〜) 

逡巡した末、ホンドテンが遂にニホンアナグマ♀の巣穴Rにするりと潜り込みました!! 
アナグマの赤ちゃんを捕食しに来たのでしょうか? 
残念ながら、ここで録画が打ち切られていました。 
奥にある別の巣穴Lからアナグマ親子が慌てて避難するかと予想したのですが、それも不明です。 
別アングルのトレイルカメラ(新機種)では、テンの不法侵入シーンがなぜか撮れていませんでした。

いつもなら日没前後の時間帯には、アナグマが巣穴の外に出て寛いでいます。 
この日はたまたま(寝坊して?)巣内に籠もっていたようです。 
アナグマ♀あるいはヘルパー♂が巣内からテンを撃退したはずですけど、肝心の防衛シーンが撮れていません。 
巣内から威嚇の鳴き声なども聞こえませんでした。 
アナグマの居住区はよほど地中深くにあるのでしょうか? 

1分後にカメラが再び起動すると、テンは巣穴Rから外に出ていて(赤丸に注目)、奥の二次林を右に走り去る姿が写っていました。 
まさかテンの狩りが成功して、アナグマの赤ちゃんを咥えて持ち去ったのでしょうか? 
テンが巣穴Rから出てくる瞬間を撮り損ねたのがつくづく残念です。 
ニホンアナグマにとってホンドテンは恐るべき天敵のはずなのに、激しく撃退・追撃しないのは不思議です。 
捕食者が巣穴に侵入してもアナグマは反撃せずに籠城するだけだとすれば、まさに将棋の穴熊戦法みたいですね。 
巣内にはアナグマの赤ちゃんが居るはずですが、母親♀とヘルパー♂(若い息子)が同居していれば、防衛力は充分なのでしょう。 

テンが立ち去った後も、アナグマは巣口Rに顔を出して見送ったり警戒したりしませんでした。 
以前キツネが訪問したときとは違います。 



結局テンは狩りを諦めて立ち去ったと私は考えています。 
もしもアナグマ赤ちゃんの捕食に成功していれば、味をしめたテンはこの後も繰り返しアナグマ♀の営巣地を襲ったはずです。 
しかし、次にテンが現れたのは3週間後です。(映像公開予定) 
今回もしテンに巣穴を襲撃されて被害に遭ったのなら、アナグマの母親♀は残りの赤ちゃんを連れて別の巣穴へ急いで引っ越したはずです。 
それをしなかったということは、やはり今回ホンドテンは巣穴に侵入しかけただけで、狩りは失敗したと考えられます。 


シーン2:午後19:33(@1:41〜) 
テンが来てから約50分後、すっかり暗くなった晩にようやくアナグマが巣穴の外に出ていました。 
手前の巣口Rを調べて、テンの残り香を嗅いでいます。 
 次は奥にある巣口Lの近くに行き、テンが歩いた地面の匂いを嗅ぎ回っています。 
カメラの方に振り返ると、左右の目の大きさが異なる♀(右目<左目)であることが分かります。 
異状なしと判断した♀が入巣Rしかけたところで、録画が尻切れトンボで打ち切られました。
カメラのバッテリーが消耗しているのです。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 






菜の花の花蜜を吸うクマバチ♀

 

2023年4月下旬・午後14:20頃・晴れ 

農村部の道端に咲いた菜の花(種名不詳)にキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が忙しなく訪花していました。 
この組み合わせは初見です。

関連記事(15年前の撮影)▶ 菜の花で休むクマバチ♂


吸蜜する顔が菜の花で隠れてしまい、複眼の形状が見えません。 
飛び去るシーンを1/10倍速のスローモーションでリプレイすると、頭楯が黒かったので♀のようです。 
後脚の花粉籠は空荷でした。

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