2020年3月中旬・午後
▼前回の記事
ヤマアカガエルの卵塊とオタマジャクシ
ヤマアカガエル(Rana ornativentris)の卵塊が産み付けられた山麓の水溜りを見ていたら、岸付近の水中を泳いでいる小さな水生甲虫を見つけました。
真っ黒ではなく、鞘翅は褐色に見えます。
腹端に呼吸用の泡が付着していました。(上翅の内側に気泡を溜めているのでしょう)
水中の小石にしがみつき、水底の泥や腐った植物の下に潜り込もうとしていました。
ガムシ科、ミズスマシ科、ゲンゴロウ科のどれでしょう?
私は水生昆虫に関してまるっきり勉強不足で、図鑑も持っていません。
成虫で越冬することも知りませんでした。
名前がお分かりの方がいらっしゃいましたら(大まかな分類群だけでも)教えてください。
せめて捕獲して体長を採寸すべきでしたね。
カエルの卵やオタマジャクシを捕食していたら面白かったのですが、腐食性だとすればガムシ科の一種ですかね?
素人目には後脚に毛束が見当たらないので、ゲンゴロウ科は除外できるかな?
2020年3月上旬・午後16:27〜16:37・晴れ
池の畔に聳え立つ巨大なモミな木の天辺に今年も鳥の巣が作られ始めました。
春が近づき、いよいよ営巣が始まったようです。
観察に通うと、巣の作り主はハシボソガラス(Corvus corone)でした。(映像公開予定)
この日は少し離れたところで張り込みをすることにしました。
望遠レンズのカメラを三脚に据え付けて巣を狙い、親鳥が帰ってくるのを待ちます。
すると1羽のカワウ(Phalacrocorax carbo hanedae)が飛来し、巣の上の枝(モミの天辺)に止まりました。
頭部の羽毛が銀色に輝く婚姻色(繁殖羽)で美しい個体です。
腰の両側も真っ白でよく目立ちます。
全く同じ止まり木に冬の間も1、2羽のカワウが休んでいるのを何度も見かけていたのですが、ようやく証拠映像をしっかり撮れて大満足。
▼関連記事(1月下旬の撮影)
モミ高木の梢で休むカワウ(冬の野鳥)
ということは、カワウの番も同じモミの木で巣作りしようとしているのでしょうか?
まさかカラスが作りかけた巣をカワウが乗っ取るのかな?
私は未だカワウの営巣地(コロニー)を見つけたことがありません。
モミの梢でキョロキョロと辺りを警戒していたカワウが急にオー、アー♪と大声で鳴きました。
何事かと思いきや、♀♂番と思われる2羽のハシボソガラス(Corvus corone)がガーガー♪と嗄れ声で鳴きながら慌てて飛来しました。
カラスの夫婦は、カワウと対峙するようにすぐ下の横枝に並んで止まりました。
カワウがこんな威嚇の鳴き声を発するの聞いたのは初めてです。
恐竜映画の鳴き声を連想しました。
『色と大きさでわかる野鳥観察図鑑』p143などの図鑑でカワウの鳴き声を調べても、
声:グルル、グルル、グワッ、グワッ(繁殖期)
としか書いてありませんでした。
カワウの剣幕や体格に圧倒されたのか、ハシボソガラスの夫婦はカワウを営巣木から追い払うためのモビング(擬攻撃)を仕掛けませんでした。
体格で勝るカワウが止まり木の枝の最高地点を占領しているためにカラスが強気に出れない、とは考えられません。
もしカラスがその気なら、たとえ大型の猛禽類が相手でも空中から激しくモビングを仕掛けるはずです。
猛禽類とは違って、魚食性の水鳥が縄張りに侵入してもそれほど敵視する必要がない(卵や雛を襲われる心配はない)と知っているのですかね?
しかし、私は過去にこんなケースを観察しています。
▼関連記事(8年前の撮影)
ササゴイにモビングするハシボソガラス【野鳥:烏鷺の争い】
樹冠のカワウはカラスに対して体格を誇示するかのように、翼を少し広げて身震いすると、余裕たっぷりに羽繕いを始めました。
睨み合いの末に、モミの梢から先に飛び去ったのは、意外にもハシボソガラスの方でした。
カワウの縄張り侵入を諦めて黙認することにしたようです。
捨て台詞のように鳴きながらカラスが飛び去りました。
過去にカワウにモビングして手酷い反撃をくらったことがあるのかもしれません。
樹上に残ったカワウはリラックスすると、顔を肩に擦り付けながら欠伸をしました。
欠伸をしながらカワウは小さな声を発しました。
動画をよく見ると、ユスリカの大群がモミ樹冠の周囲で飛び回り、蚊柱を形成しています。(群飛)
モミの木の真下は池ですから、そこから発生したユスリカと思われます。
樹上のカワウがときどき身震いしているのは、体に集るユスリカを追い払おうとしているのでしょう。
映像の前半を見直すと、カラスの周囲にも蚊柱が集っていました。
やがてカワウが樹上から白い液状便(尿)をボタボタと大量に排泄しました。(@3:13)
体重を軽量化するのは飛び立つ前兆です。
すると案の定、脱糞直後に羽ばたいて飛び去りました。
カワウの脱糞および飛び立ちの瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。
5〜6分後に同一個体と思しきカワウが再び飛来し、同じモミの梢に着陸しました。
よく晴れているのに翼を広げて羽根を乾かす訳でもなく、高い止まり木からひたすら周囲を見張っています。
夕方でハシボソガラスの夫婦は早くもどこかに塒入りしたのか、カワウを邪魔しに戻って来ることはありませんでした。
残念ながら、ここでカメラのバッテリー容量を使い切ってしまいました。
予備のバッテリーを持参し忘れたのが痛恨のミスです。
それでも、この春の野鳥観察で私が一番ワクワクした事件でした。
※ カラスとカワウが鳴く前半のみ、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
つづく→
2020年3月中旬・夕方
里山の雑木林を遊動するニホンザル(Macaca fuscata fuscata)の群れの中で、2頭が立ち止まってのんびり対他毛繕いしていました。
雪の無い林床に寝そべって毛繕いを受けている個体は顔が紅潮した繁殖期の成獣です。
甲斐甲斐しくノミを取ってやっている個体は若い子猿のような気がしますが、若い♀かもしれません。
※ 動画編集時に彩度を少し上げています。
古いハンディカムで撮ったので、酷い手ブレです。