2011/10/22
キタササキリ♀
2011年10月上旬
見慣れないキリギリスがクズの葉に乗って静止していました。
おそろしく長い産卵管が印象的です。
触角もすごく長く、側面から撮ったときの翅の色が薄い。
(ストロボの白飛びかも。)
動画撮影中に跳んで逃げてしまいました。
帰ってから自分なりに調べてみると、どうやらキタササキリ♀成虫らしい。
【追記】
『バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑』p120によると、キタササキリは北海道にしか分布しないらしいので、別種かもしれません。
ネット検索では本州も分布域としている方もいらっしゃったのですけど…。
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バッタ・キリギリス(直翅目)
2011/10/21
カタグロチビドロバチvs天敵ドロバチヤドリニクバエ持久戦
2011年9月下旬
(シリーズその3からの続き)
前回の観察から4日後、カタグロチビドロバチの営巣地を再訪しました。
丸太に開いた巣口の穴(内径2〜3mm)から少し離れた位置に怪しいハエが一匹止まっています。
おそらくドロバチヤドリニクバエと思われます。
※ ちなみに前年、竹筒トラップに営巣したオオフタオビドロバチの独房から寄生ドロバチヤドリニクバエ成虫が羽化する様子を飼育観察しています。偶然ここで日光浴しているだけかもしれませんが、素性が素性だけに動機を疑わざるを得ません。
寄主を攻撃する(巣内に幼虫を産み付ける)機会を窺っている♀なのかも。
私には外見で性別が見分けられません。
(「左右の複眼が接していないので♀」という見分け方はこの仲間でも通用するのだろうか?)撮影後に採集すると体長6mm。
(なぜか動きが鈍く、あっさり捕まえられました。)
夕方のせいか、この日はカタグロチビドロバチ♀の営巣活動は全く見られませんでした。
巣口を覗き込むと、虫の触角が二本見えました。
手鏡で穴を照らしてみても暗くて顔がよく見えません。
主が顔を入口に向けた警戒姿勢で休んでいるようです。
ハチが外出した隙にドロバチヤドリニクバエは寄主の巣に侵入するのでしょう。
天敵との息詰まる持久戦ですね(神経戦+篭城戦)。
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アブ・ハエ・カ・ガガンボ(双翅目),
ハチ・アリ(膜翅目),
寄生
2011/10/20
カタグロチビドロバチ♀の営巣開始(その3:産卵?および侵入者メンハナバチの撃退)
2011年9月下旬
(その2からの続き)
※ 本シリーズその1〜3は同じ日の午後に続けて観察した記録です。
カタグロチビドロバチ♀(Stenodynerus chinensis)が再び帰巣して節穴に入りました。
これまでの観察から、巣穴はハチが中で自在に方向転換できるほど広くないようです。
いつものように出待ちしていると、後ろ向きで出てきたハチが珍しく巣口で体の向きを変え、初めてお尻から穴に入り直しました。
これから産卵するのだろうか?!
貯食活動(生まれてくる幼虫に与えるための麻酔した獲物の搬入)や巣材集めなどは私が見ている間は一切行っていないので、今現在、営巣のどの段階なのか見当が付きません。
今度はなかなか外出しません。
※ 後日の観察では巣穴に潜んでいるハチは頭を巣口に向けていました。巣に長居するとき(休息など)は防衛体勢を整えてから篭城するのかもしれません。自らの体で巣穴に栓をし、もし巣口から侵入者があればきっと大顎で防御するのでしょう。監視のためそのまま動画を撮り続けていると、なんと二匹目のハチが飛来しました。
訪問者は躊躇することなく同じ節穴に入りました。
映像をコマ送り再生すると、二匹目のハチは腹部に二本の黄紋が無いのでカタグロチビドロバチとは別種だろうと判明。
頭楯に黄色の帯が縦に2本(左右対称)入っています。
※ もしかすると同種の♂だったりして…。
![]() |
動画から切り出した侵入者(Hylaeus sp.)の連続写真 |
やがて在巣のカタグロチビドロバチ♀に追い払われ、侵入者は転げ落ちるように退散しました。
その後も主は姿を現さないので諦めて撮影終了。
共に借坑性の♀蜂と思われますが、どちらかが主の留守に乗じて巣穴を乗っ取ろうとしているのかもしれません。
チビドロバチの営巣観察は初めてで勝手がよく分からないのに、いきなり応用問題というか難しい事件(異種間闘争、異種格闘技)が勃発しました。
いつもお世話になっている「蜂類情報交換BBS」にて質問したところ、以下の回答を頂きました。
ムカシハナバチ科メンハナバチ(Hylaeus)属の一種です。よく似ている種が多いので、オスの交尾器で同定されます。同じような環境に営巣するので、空き家だと思って入ってきたのでしょうね。
(つづく→その4:「カタグロチビドロバチvs天敵ドロバチヤドリニクバエ持久戦 」)
【追記】
松田喬、鷲谷いずみ『花と昆虫の大研究:進化と多様性のひみつをさぐる!』によると、
ムカシハナバチ科のメンハナバチの仲間は舌が短く、花粉は蜜といっしょに飲みこんで巣にもち帰る。(p56より引用)
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ハチ・アリ(膜翅目),
産卵,
闘争
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