2021/03/08

ベニバナボロギクの葉を食べるナシケンモン(蛾)終齢幼虫b

 

2020年10月下旬・午後14:40頃・くもり 

郊外の農道脇に咲いたベニバナボロギクの群落でナシケンモンViminia rumicis)の終齢幼虫を見つけました。 
葉の主脈に上向きにしがみつき、ゆっくり葉を蚕食しています。 
下の葉に黒い糞が2個落ちていました。 
新しい葉(食痕あり)に移動して食餌を始める際に、葉を咥えた(抱えた)ままグイーっと手前に引き寄せる行動をしました。 
楽な体勢で食事するためでしょう。 

ベニバナボロギクの赤い花が咲き終わった後にできた実から綿毛の種子が風で飛んでいました。 
ナシケンモン幼虫は、栄養価が高い実や種子を食べずに葉を食べているのが興味深く思いました。 
ベニバナボロギクは食害から種子を守るために、何か毒物を実に溜め込んでいるのかもしれません。 
ベニバナボロギクはキク科植物なので、幼虫の食べ痕から白い乳液(防御物質)が滲むかと期待したのですが、幼虫の口元をマクロレンズで接写しても何も出ていませんでした。 
幼虫は食前に乳液の分泌を抑えるためのトレンチ行動をしたのでしょうか? 
私も試しに手で隣のベニバナボロギクの茎や葉、花柄などを千切ってみたのですけど、微量の透明な液体が滲んだだけで、やはり白い乳液を分泌しませんでした。 
同じキク科でも乳液の有無は属によって違うのかもしれません。 
タンポポ(タンポポ属)やアキノノゲシ(アキノノゲシ属)には白い乳液を含み、ベニバナボロギク(ベニバナボロギク属)には無い? 

※ この時点でナシケンモン幼虫bは終齢で、しかも体内寄生されていたことが後に判明します。 

2021/03/07

オオイタドリと共生関係にあるクロヤマアリ♀がルリイロハラナガハナアブ♀を葉から追い払う

 

2020年8月上旬・午後14:50頃・晴れ
▼前回の記事 
オオイタドリの葉を舐め回すルリイロハラナガハナアブ♀の謎
オオイタドリの葉の表面に吹いている謎の白い粉(うどんこ病の菌糸・胞子?)をルリイロハラナガハナアブの一種♀※が舐めている横で、クロヤマアリFormica japonica)のワーカー♀がオオイタドリに訪花して吸蜜しています。 
※ おそらくナミルリイロハラナガハナアブXylota amamiensis)またはミヤマルリイロハラナガハナアブ(Xylota coquilletti) 

アリがルリイロハラナガハナアブの存在に気づくとその葉に下りてきて、アブを追い払おうと突進を繰り返しました。 
アリは視力が悪いはずなので、葉の振動でアブの居所を察知しているのでしょう。 
反射神経に優れるアブは、闘牛士のようにアリの攻撃を難なくかわして飛んで逃げ、隣の葉で平然と摂食を続けています。 
クロヤマアリ♀の攻撃を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

イタドリの仲間には花蜜だけでなく花外蜜腺もあり、アリがよく群がっています。 
オオイタドリを安定した食料源とみなしたアリは、植物を防衛するようになります。 
イタドリは蜜を報酬として植食性昆虫の食害から守ってもらうガードマンを雇ったことになります。 
つまり、アリとイタドリは共生関係にあります。 
ただし、アリは植食性昆虫を特に認識して撃退している訳ではなく、やって来た虫を無差別に追い払っているようです。 
今回の場合も、ルリイロハラナガハナアブ♀はオオイタドリの葉そのものを食害している訳ではありません。 
ルリイロハラナガハナアブ♀が葉の表面に発生したうどんこ病の白い菌糸・胞子をせっせと食べてくれているのなら、オオイタドリにとって益虫ということになりますから、追い払う必要はなかったのです。 (とばっちり)
もしかすると逆に、ルリイロハラナガハナアブがオオイタドリの葉を歩き回ることで、うどんこ病の感染拡大の一因になっているのかもしれません。
そんなことを言い出したら、歩き回るアリも同罪ですね。

 

ホバリング中におしっこするクロホウジャク(蛾)

 

2020年10月下旬・午後15:45頃・晴れ
▼前回の記事 
ボタンクサギの花でクロホウジャク(蛾)が吸蜜ホバリング【HD動画&ハイスピード動画】

ボタンクサギの花壇で長々と吸蜜ホバリングしているクロホウジャクMacroglossum saga)の動画を撮っていると、排泄シーンが偶然に記録されていました。 
ホバリング(停空飛翔)しながら腹端から透明な水滴をポタポタと3滴排泄しました。 
2分50秒後にも再び停飛中に透明な尿を4滴排泄。
常に飛び続けるホウジャク類は特に体重の軽量化に努めないといけませんから、花蜜を摂取しながらも余分な水分をすぐに排泄するのでしょう。 
排尿シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 
残念ながら、ハイスピード動画での撮影中には排泄してくれませんでした。

 

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