2018/10/30

アオカナブンとヨツボシオオキスイが樹液酒場で出会うと…



2018年7月下旬

里山の林道脇で定点観察しているコナラの樹液酒場で、1匹のアオカナブンb(Rhomborrhina unicolor)に注目して動画に撮ってみたら、ちょっと興味深い映像が得られました。

アオカナブンbがコナラの幹を少し降りると、立ち止まって前脚で顔を拭いました。
ヨツボシオオキスイHelota gemmata)が居座っている右横の樹液スポットに向かって行きます。
樹液酒場にズカズカと割り込むと、ヨツボシオオキスイを軽く前脚で小突いて蹴散らしました。
樹液酒場での序列は明らかにヨツボシオオキスイよりもアオカナブンが強いようで、闘争らしい闘争になりませんでした。
ところがアオカナブンはその場で方向転換すると、幹に対して上を向いて透明なオシッコをシャッと排泄しました。
オシッコが見やすいようにまずは1/5倍速のスローモーションでご覧下さい。
真下に居るヨツボシオオキスイには直接かからなかったものの、これも一種の攻撃(酷い侮辱)なのかな?
その後もアオカナブンはヨツボシオオキスイが居た樹液酒場には固執せずにコナラの幹をゆっくり登り続けたので、ただ無頓着に排尿しただけなのでしょう。

この樹液に集まっている昆虫相がいまいち貧弱なのは、周囲が杉をメインとした林だからかもしれません。
この日は鱗翅目が1頭も飛来せず、スズメバチ類も見かけませんでした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


アオカナブンb+ヨツボシオオキスイ@コナラ樹液吸汁

樹上のゴイサギ成鳥に突撃するアブラゼミ(野鳥)



2018年8月上旬・午後16:20

▼前回の記事
池の昼塒でくつろぐゴイサギ幼鳥の群れ(野鳥)


ゴイサギNycticorax nycticorax)幼鳥の昼塒がある池の奥は小山で、鬱蒼とした林になっています。
池の対岸からその木々を丹念に探すと、白っぽい鳥が高木の枝に止まっていました。
望遠レンズでズームインしてみると、ゴイサギの成鳥でした。
実はゴイサギ成鳥の実物を見つけたのはこれが初めてで、念願の出会いに感激しました。
幼鳥の群れとは少し離れた高木に単独で昼塒を取っていました。
残念ながら樹種は不明です。(見て分かる方は是非教えて下さい。)
図鑑で読んだ通り、ゴイサギ成鳥の見開いた目の虹彩は真っ赤で、丸い瞳孔は黒くて大きいのが印象的でした。

同じ横枝でゴイサギの少し左にアブラゼミ♂(Graptopsaltria nigrofuscata)が止まっています。
そのアブラゼミが飛び立つと、ゴイサギの背中に衝突してから慌てたように飛び去りました。
背後から不意をつかれたゴイサギは少しキョロキョロしたものの、眠いのかそれほどパニックにはなりませんでした。
衝突シーンを1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ゴイサギ成鳥+アブラゼミ(野鳥)@昼塒:樹上

2018/10/29

オビガ(蛾)終齢幼虫への脱皮



2018年7月下旬
▼前回の記事
脱皮前の眠で微動だにするオビガ(蛾)亜終齢幼虫【100倍速映像】


オビガ(蛾)の飼育記録2018年#2


長毛の毛虫が一体どうやって脱皮するのか、今まで見たことがないので楽しみです。
このまま正常に脱皮するまで辛抱強く微速度撮影で監視を続けるべきでしたが、途中で私に迷いが生じました。
待てど暮せどなかなか脱皮してくれないので、本当に脱皮前の眠状態なのか? 体内寄生されていて元気がないだけではないか?と疑心暗鬼になりました。
計5頭のオビガApha aequalis)の幼虫を同時に飼育していて別個体が繭作りを始めたので、どちらをメインに撮影するのか決断を迫られました。

そこで、ひたすらじっとしている白毛の亜終齢幼虫eをピンセットで軽く触れて刺激してみることにしました。
すると頭部を大儀そうに左右に振り、腹端をピクピクと上下に動かしました。
体を裏返そうとしたら葉上で踏ん張り、体を激しく左右に振って抵抗しました(威嚇?)。
どうも緊急の逃避行動が上手く出来なくなっているようです。
やはり体内寄生されていて運動機能が失われつつあるのか?と落胆しかけたものの、脱皮しかけていることに気づきました。
本当は脱皮中の幼虫に触れることは御法度ですが、恥ずかしながら当時は何が何だかよく分からなかったのです。)
室内で回している扇風機によって、新旧の毛皮の長毛が風になびいています。
私が初めて見る奇妙な脱皮法で分かりにくいのですが、脱皮殻が体の途中で千切れた結果、前半部の脱皮殻は上に付いていて後半部の脱皮殻は体の下に残っているようです。
このときの室温は31.2℃、湿度52%。
新しい頭楯は白っぽい薄褐色で、後に茶色に変わりました。
ようやく抜け殻をその場に残し、緩慢に歩き去りました。
抜け殻を食べることはありませんでした。(私がピンセットで触れて嫌がらせしたから?)
正常に前進できることが分かり、一安心。

脱皮して終齢幼虫になった直後も相変わらず白毛でした。
脱皮直後は長毛が体軸の周囲に巻かれて(カールして)いて、得体の知れない風体です。
こんなに長い毛を毎回丸ごと脱皮するのは確かにすごいコストがかかるでしょう。

芋虫タイプの幼虫よりも脱皮に手間取ることに納得しました。
(映像はここまで。午前11:46)

割り箸を伝わらせて新鮮な食草(タニウツギの葉)に移してやりました。
1.5時間後(午後13:11)に様子を見ると、終齢幼虫eの長毛が乾いて伸び、フサフサになっていました。
新しい長毛は白から茶色になり、次第に褐色が濃くなります。
元気にタニウツギの葉を徘徊し、茎をよじ登ります。
眠状態とは見違えるような運動性です。
葉裏に落ち着くとまた大休止。

オビガ(蛾)終齢幼虫e:脱皮直後1@タニウツギ葉表(カールした長毛が体に巻き付いたような状態)
オビガ(蛾)終齢幼虫e:脱皮直後2@タニウツギ葉裏(長毛が乾いて伸び、見慣れた毛虫になった)

更に10.5時間後(午後23:46)、ようやく食欲が戻ってくれた終齢幼虫eがタニウツギの葉を食べ始めました。(映像なし)
消化管の機能が戻るのに時間がかかったようです。
葉裏に隠れた姿勢で葉縁をもりもりと蚕食します。

つづく→#3:繭を紡ぐオビガ(蛾)終齢幼虫d【100倍速映像】


以下は脱皮殻の写真。
頭楯の抜け殻も一緒にくっ付いていました。
後半部の抜け殻はタニウツギの葉に絹糸でしっかり固定されていました。
抜け殻のコレクションがまた一つ増えて嬉しいです。


オビガ(蛾)亜終齢幼虫e:脱皮殻@方眼紙
オビガ(蛾)亜終齢幼虫e:脱皮殻:側面@方眼紙
オビガ(蛾)亜終齢幼虫e:脱皮殻:腹面@方眼紙
オビガ(蛾)亜終齢幼虫e:脱皮殻:頭楯
オビガ(蛾)亜終齢幼虫e:脱皮殻:頭楯(裏面)

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