2015/10/15
鳴きながら飛ぶノスリ(野鳥)
2015年8月上旬
山麓を歩いていると近くの樹冠に止まっていたらしい猛禽類が警戒して飛び立ちました。
ピー、ピー♪と甲高い声で繰り返し鳴きながら羽ばたき、水平に飛び去りました。
流し撮りした映像で翼の下面を見ると、トビではなくノスリ(Buteo japonicus)と判明。
近くでカラスの群れも鳴いていたので、モビングされそうになって逃げたのでしょうか。
その後もここを通りかかる度に同じ木の辺りから飛び去るので、もしかしたら巣があるのかもしれません。
ブラインドに隠れないと本格的に観察するのは難しそうです。
2015/10/14
セグロアシナガバチ♀の排水行動と育房伸長
2015年7月下旬
セグロアシナガバチ巣の定点観察#5
※ このコロニーの蜂はセグロアシナガバチ(Polistes jokahamae)ではなくキアシナガバチ(Polistes rothneyi)の斑紋変異(前伸腹節の黄紋が無い)なのかもしれません。8日ぶりの定点観察です。
下から見える範囲で在巣の蜂は4匹でした。
巣盤の天井に居る個体は身繕い中。
他の2匹は下界を見下ろしています。
右上の育房内で老熟幼虫が動いているのは餌の催促でしょうか。
あるいは絹糸を吐いて繭キャップを紡いでいるのかもしれません。
それまで繭キャップまたは育房壁を齧っていたワーカー♀が下を向いて口から水滴を吐きました。(@2:20)
濡れた巣からの排水行動でしょうか?
しかしここは屋根にしっかり守られてる軒下で、雨水で巣が濡れるとは思えません。
もしかすると、天井が雨漏りしているのかな?
しばらくすると新たに1匹の蜂が帰巣したようで、繭の入った育房(画面上)の壁を伸ばしています。(@2:59〜)
セグロアシナガバチやキアシナガバチでは一つの育房を二段ベッドのように使い、繭の上に産卵して孵化した幼虫を上の育房で育てるのです。
育房を二段構造にすることで巣材を節約しています。
※ 動画編集時に自動色調補正を施してあります。
つづく→#6:巣上の偽交尾
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ハチ・アリ(膜翅目),
化粧,
造巣
ノシメマダラメイガ♀(蛾)の産卵
2015年8月上旬
ノシメマダラメイガの飼育記録#28
▼前回の記事
ニンニク上で繭を紡ぐノシメマダラメイガ(蛾)終齢幼虫
餌としてニンニク球根を与えた飼育容器底の隅でノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)終齢幼虫がいつの間にか繭を作り直し、その中で蛹化していました。
薄い繭の表面およびその周囲に多数の卵が産み付けられていることに気づきました。
営繭の際に周囲のゴミを集めたのかと一瞬思ったのですが、卵でした。
ノシメマダラメイガの卵を初めて見ました。
卵塊ではなく白い微小の卵がバラバラに産み付けられています。
容器の下に1mm方眼紙を敷いて採寸 |
そこで容器内に同居させていた成虫♀の行動に注目して、産卵シーンを撮影してみました。
まずはプラスチック容器越しに接写してから、蓋を外し上から見下ろしながら直接狙いました。
♀は腹端を壁面に擦り付けながら徘徊しています。
あちこちにバラバラに産み付けているようです。
腹端の触覚で繭のような手触りだと落ち着いて産卵する印象を受けました。
産卵基質としてガーゼ等を入れてみたら良いかもしれません。
ところで、幼虫の餌として与えたつもりのニンニク球根に産卵しないのは何故でしょう?
ニンニクの強い匂いで多少は忌避効果があるのでしょうか?
それともニンニクが白っぽいので卵が見えにくいだけかな?
※ 動画編集時に全編、自動色調補正を施してあります。
害虫駆除のサイトでノシメマダラメイガのことを調べると、
・成虫は、幼虫の餌やその周辺に、200個前後の卵を点々と産む。
・夏期においては、卵期は数日、幼虫期は22~45日、蛹期は約1週間で、気温が低下すると各期間が延長される。
また、食品害虫を研究している食総研のサイトによれば、
30℃でふ化幼虫から成虫まで平均で約34日でした(同じ条件で玄米なら約24日)。 この温度での卵の期間は4日ほどですので、卵から成虫までは平均38日になります。
前日に飼育容器に投入した成虫は交尾も確認しているので、受精卵のはずです。
その後は忙しくて、卵から幼虫が孵化する様子を観察できませんでした。
そのまま放置していたら幼虫は全く育たず死んでしまいました。
やはり生のニンニクだけを餌として与えても食べることはできないようです。
いくら栄養満点とは言え、ヒトが食べても強い辛味がありますしね。
孵化直後は無理でも幼虫が少し大きくなればニンニクを食べられるようになるのでしょうか?
別の可能性として、密閉容器ではニンニクの匂いがキツすぎて幼虫が死んだのかもしれません。
蓋の通気性を良くして開放環境で飼ったら育つでしょうか?
貯蔵ニンニクからノシメマダラメイガが発生したというメキシコからの報告(PDFファイル)が飼育下で再現できなかったのも不思議です。
国産ニンニクとメキシコ産では品種や成分が異なるのでしょうか?
Perez-Mendoza, J., and M. Aguilera-Peña. "Development, reproduction, and control of the Indian meal moth, Plodia interpunctella (Hübner)(Lepidoptera: Pyralidae), in stored seed garlic in Mexico." Journal of stored products research 40.4 (2004): 409-421.
ノシメマダラメイガとニンニクを巡る謎の解明は道半ばですけど、今のところ私はノシメマダラメイガ幼虫が生のニンニク球根を食害して育つとは考えていません。
それでもノシメマダラメイガ成虫がなぜニンニク球根に誘引されるのか、不思議で仕方がありません。
ニンニクの山で見つけたノシメマダラメイガ老熟幼虫は、そこで育ったのではなさそうです。
別の貯蔵食品を餌に終齢まで育った幼虫が繭を紡ぐ場所を探して厨房を盛んに徘徊した結果、ニンニクにたまたま辿り着いたのではないかと考えています。
米びつなどに虫除けとして唐辛子やニンニクを入れておく人がいるそうです。
本当にニンニクがノシメマダラメイガに対して忌避効果があるのかどうかもはっきりした結論は得られませんでした。(個人的には懐疑的です)
チョコレートや穀類を与えて大量飼育した容器内にニンニクを追加するとノシメマダラメイガの増殖や成長を抑制できるのか(なんらかの毒性を発揮するのか)、調べることが次の課題です。
今回の産卵シーンを撮影する際に容器内のニンニクの山を不注意でゴロゴロと動かしてしまいました。
そのとき薄い繭が剥がれてしまい、中の蛹も潰れてしまったようです。
やはり本種幼虫が周囲のゴミを集めて繭に織り込むのは、薄い繭を強化するためなのでしょう。(集めるゴミが周囲に無いと脆弱な繭しか作れない)
つづく→#29:羽化直後のノシメマダラメイガ(蛾)
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