2015年6月上旬
害虫として嫌われるマイマイガ(Lymantria dispar japonica)の幼虫が今年も大発生しそうで、戦々恐々としています。
糸を吐いて木からぶら下がっている様子から、別名ブランコケムシと呼ばれており、風に吹かれるなどしてこの状態でかなり広域を移動できる。(wikipediaより)
雑木林の木の枝から長い糸を伸ばして懸垂下降した毛虫が風で揺れています。
舗装路(車道)に軟着陸すると、新天地を目指して元気に前進します。
映像後半は同じ日に別の場所で撮影したものです。
カキノキの枝から長い糸を吐いてぶら下がっていました。
アルプスの少女ハイジが乗って遊んでいる長いブランコを連想しますが、そんなのどかで微笑ましいものではありません。振動や風で枝葉から落ちてしまったときの命綱の役割を果たしているのかもしれません。
分散のための行動だとしたら、クモ類のバルーニング(遊糸飛行)と似ていますね。
糸を吐いて懸垂下降する技はマイマイガ幼虫(ブランコケムシ)の専売特許という訳ではなく、様々な種類の鱗翅目幼虫も行います。
ヒオドシチョウの飼育記録#4
2015年5月下旬・室温27→26℃
ヒオドシチョウ(Nymphalis xanthomelas japonica)終齢幼虫の脱糞シーンをまとめてみました。
肛門付近がヒクヒクしたと思ったら柳の枝から腹端を持ち上げ、真っ黒な糞を排泄します。
初めは見逃してもポトリと糞が落ちる音がしたら時刻を記録していくと、約30分間隔で排便することが分かりました。
(今までの飼育経験で、どの種類の芋虫も30分間隔なのが不思議です。)
次の脱糞時刻を予測してカメラを構え待っていれば、決定的瞬間を撮るのは難しくありません。
今回は4頭も飼っているので、より楽に撮れるだろうと思ったのが間違いでした。
食樹植物のヤナギの枝葉を活発に徘徊するので、個体識別しないとどれがどれやら分からなくなってしまうのです。
1頭ずつ分けて飼育するのも手ですけど、食草が限られているので一緒に飼いました。
ヒオドシチョウ幼虫は特に若い時期は群れで過ごす習性があるので、単独飼育すると成長に何か問題が生じるかもしれません。
そこで油性ペン(オパックカラー)で背面中央の棘状突起にマーキングしました。
黄色、水色、白色、無色と色分けしました。
(脱走して一時行方不明になった時がありました。)
触れられると幼虫が嫌がる素振りをすることから、棘状突起は感覚毛であることが分かりました。
昆虫は外骨格の動物ですのでマーキングしても無害です。
ヒトで例えるなら、骨折した時につけるギブスの表面に油性ペンで落書きするようなものです。
これから脱皮・蛹化するので成虫への影響はありません。
インクが見苦しいのはご了承下さい。
例えば紫外線(ブラックライト)を当てた時だけ見える蛍光塗料でマーキングすれば、映像が見苦しくならないかもしれません。
興味深いことに、夜になると約30分間隔の排便リズムが次第に遅れるようになりました。
室温はさほど下がっていませんから(27→26℃)気温低下のせいではなく、寝る時間が近づくと食事や消化が不活発になるのだと思います。(日周リズム)
※ 照明不足で薄暗い条件で撮った映像を自動色調補正しています。
つづく→#5:終齢幼虫が蛹になる足場糸作り【微速度撮影】
【おまけの映像】
ヒト乳児が排便時にする特有の表情をスローモーションで撮り集めた、某おむつメーカーの秀逸なCM。
2014年11月上旬
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電線に集まり鳴き騒ぐ♪ハシボソガラスとハシブトガラスの混群(野鳥)
秋晴れのお昼どき(午後12:30頃)に住宅街でカラスの大群が集結して鳴き騒いでいました。
ヒッチコックの名作「鳥」を彷彿とさせるような、不安を掻き立てる只事ではない光景でした。
電線にカラスがほぼ等間隔でずらっと一列に並んでいます。
普段この辺りではハシボソガラスが優占種なのですが、今回はなぜかハシボソガラス(Corvus corone)およびハシブトガラス(Corvus macrorhynchos)の混群でした。
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連鎖反応で一気に飛び立つ様が圧巻です。
隣の電線に止まった個体に飛びかかって喧嘩を仕掛けることがたまにありました。
後ろを向いていて不意打ちに合ったものの、反撃に飛び立ち軽い空中戦になりました。