2012年6月中旬
クロバナヒキオコシの群落でウスバアゲハ(Parnassius citrinarius)が翅を広げて日光浴していました。
羽ばたきながら茎を登り、飛び立ちました。
保育社の標準原色図鑑『蝶・蛾』p13によると、本種の性別は
♂は体の背面に軟毛を密生するが、♀では毛が少なくほとんど裸。交尾後の♀は腹端に受胎嚢(交尾嚢)を付ける。
さて、映像の個体は♀♂どちらでしょう?
交尾嚢は無いですけど、腹部が膨らんでいるので未交尾の♀ですかね?(自信なし)
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翅裏 |
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翅表 |
2013年3月上旬・室温26〜28℃(窓際日向)
越冬明けのクサギカメムシ(Halyomorpha halys)が室内を飛び回っていました。
そろそろ春ですね。
直射日光の射す窓際は暑いぐらいです。
止まり木の天辺から翅を広げて飛び立つ瞬間を220 fpsのハイスピード動画で繰り返し撮ってみました。
正の走光性があるようで、影の向きからも分かるように必ず明るい窓の方を向いてから飛び立ちます。
ガラス窓にぶつかって落下します。
2013年3月上旬
川岸で柳の枝先をひたすら食べ続けていたニホンカモシカ(Capricornis crispus)が上流側へ移動し始めました。
どこへ行くのかと思いきや、なんと谷川に入水しました。
決して私が驚かせたり追い立てたりした訳ではないのに、カモシカは自発的にジャブジャブと対岸に渡り始めました。
雪解け水で水温は身を切るように冷たいはずです。
残念ながら撮影地点から肝心の渡河シーンがあまりよく見えません。
(死角に入った際に谷川の水を飲んだ可能性もあります。)
水深も川幅も大したこと無いようですが、水流に押し流されるようにカモシカは斜めに渡渉しました。
対岸に辿り着くと雪の壁を苦労して登りました。
水に濡れても苦にしないらしく、毛皮の水を切るような仕草(身震いなど)は特に見られませんでした。
雪深い川原を歩き、再び潅木を採食しています。
さすがに私も同じように渡河する勇気はありません。
渡渉点と食痕の写真を撮ってから河岸を少し戻り、橋を渡りました。
欄干の高さまで雪に埋もれた橋を渡るのはスリル満点でした。
カモシカがこの橋を利用しなかったことも興味深く思いました。
実はこの数時間前、ニホンザルが遊動して群れの一部が橋の欄干を渡るのを目撃しています。
また、群れの多くの個体が橋を使わずに渡河したことを物語るニホンザルの足跡が河岸の雪面あちこちに残っていました。
猿の渡渉シーンも観察したかったのですが(ジャンプして谷川を飛び越えた?)、群れに追いつくのがひと足遅かったようです。
雪のない季節だったらカモシカも橋を渡る姿が見られたでしょうか?
渡り始めたら戻れないぐらい幅の狭い橋なので、身軽なニホンザルは平気でも、カモシカにとっては柵に閉じ込められたように感じて安心できないのかもしれません。
春先など谷川の水量が増せば泳いで渡ることもあるのでしょうか?
雪面に残された足跡を頼りに再びカモシカを追います。
険しい斜面ではなく平地なので、時間の許す限り河畔林をどこまでも追跡できるのです。
つづく→折れたツルマサキ枝葉を雪面採食
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谷川の渡渉点 |
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対岸を登った足跡 |