2011/01/06
キアシオナガトガリヒメバチ♀羽化直後の蛹便排泄
2010年4月下旬
スズバチ(Oreumenes decoratus)の作りかけの育房から採集した繭を室内飼育してきて半年後、ようやく成虫が羽化しました。
前蛹の状態で長い冬を過ごし(休眠越冬)、蛹の期間は一月ぐらいでした。
長く鋭い産卵管が目立ちます。
喉が渇いているかと思い取りあえず水を与えてみたら溺れそうになって焦りました。
羽が濡れてクシャクシャになってしまいました。
いつもお世話になっている蜂類情報交換BBSにて写真鑑定してもらうと、キアシオナガトガリヒメバチ♀(Acroricnus ambulator ambulator)と教えて頂きました。
本種の寄主としてはキボシトックリバチ、オオフタオビドロバチ、スズバチ、エントツドロバチなどが報告されています。
自然環境では繭と寄主の泥巣を食い破って脱出します。
本個体は羽化直後も腹部の側面が縦に裂けたような状態のままで奇形なのかと心配でしたが、これで正常なようです。
数日後には裂け目は閉じました。
本種(旧名キアシオナガヒメバチ)に関するPDF文献を読むと、まさにこの観察通りの記述がありました。
桝田長. "キボシトツクリバチとその寄生昆蟲の生態." 昆蟲 15.4 (1941): 153-170.
「羽化直後の成虫は腹部が著しく膨大して殆ど球状を呈している。殊に腹部基部の両側には黄白色の膨出部が付属している。蛹便は灰白色を呈するが、その排泄に伴って腹部は順次に縮小し、前記の膨出部も消失して、約2日の後に正常の成虫態となり初めて活動的となる。」
Labels:
ハチ・アリ(膜翅目),
寄生,
排泄,
発生
キアシオナガトガリヒメバチ越冬蛹が黒ずんできた
2010年4月下旬
飼育観察記録。
蛹の変態が進み、クチクラ全体が黒化してきました。
初めは赤かった複眼も真っ黒に。
足は褐色の部分があるようです。
腹部の側面が縦に裂けていて、黄色い顆粒状の内臓?が覗いて見える点が気にかかります。
泥巣の育房および繭から取り出して飼育しているせいで奇形になったのかと心配でした。
光刺激に対する蠕動は脚で蹴る動作が出来るようになりました。
撮影時には未だスズバチだと思っています。
実はスズバチの幼虫に寄生していたキアシオナガトガリヒメバチ♀と後に判明します。
(つづく)
Labels:
ハチ・アリ(膜翅目),
寄生,
発生
登録:
投稿 (Atom)