2023/09/16

笹薮の溜め糞場に夜な夜な一緒に通って排便する3頭のホンドタヌキ家族【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年3月上旬〜中旬 

下草に笹薮の発達した河畔林でタヌキの溜め糞場rpを自動撮影カメラで見張っていると、2夜連続で3頭のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が一緒に現れました。 

シーン1:3/10・午前4:59・気温1℃・(@0:00〜) 
未明に現れた先行個体aがまず溜め糞rpの匂いを嗅ぐと、南向きで排便を始めました。 
そこへ右から別個体bが登場。 
入れ替わるように溜め糞場rpで南西を向いて軟便を排泄しました。 
更に3頭目の個体cが右からやって来ました。 
溜め糞場rpでbと入れ替わる際にクゥーン♪を小声で甲高く鳴きました。 
cは溜め糞の匂いを嗅いだだけで、先行する2頭abの後を追います。 

親が幼獣を引率して縄張りを案内する場合を除き、3頭のタヌキが行動を共にして溜め糞場に来た様子が撮れたのは初めてかもしれません。 
この3頭はどういう関係性なのでしょう? 
なんとなく、♀♂つがいおよび前年に生まれた子供から成る親子の家族群ではないかという気がします。 
タヌキは基本的に一夫一妻制らしいので、♂2♀1の三角関係なら発情期には♀を巡って♂同士がもっと喧嘩するはずです。 
♂1♀2のハーレムなら三角関係でも(一時的に)平和に暮らせるのかな? 
若い三兄弟(または三姉妹)という可能性もあり得ますが、私にはタヌキの性別や年齢が見分けられません。
タヌキの♂は信楽焼の置物で見られるように、睾丸が大きく発達しているのでしょうか? 


シーン2:3/11・午前4:09・気温0℃・(@1:00〜) 
翌日も未明にやって来ました。 
右から登場した先行個体Aが溜め糞rpの匂いを嗅ぐと、南向きで排便。 
続けざまに別の2頭B、Cが右の暗闇から一緒に登場しました。 
溜め糞場rpの匂いをチェックしながら順番待ちをしている間、Bの背中をCが舐めました(甘噛み?)。 
対他毛繕いされたBはありがた迷惑そうな様子です。 
Aは脱糞後に溜め糞場rpを離れてから身震いしました。 
晴れているのに3頭とも次々と身震いするのは、なぜでしょう? 
Bは溜め糞場rpの匂いを嗅いだだけで立ち去りました。 
またもや小声で甲高くクゥーン♪と鳴く声が聞こえます。 
Cは北西を向いて排便しました。 
そこへ別個体D?(CやAが戻ってきたのかも?)が右から乱入しました。 
尻尾を高々と上げたまま四足でピョンピョン跳ねるようにCへ近づいて来ます。 
幼獣がはしゃいでいるのか、それとも繁殖期に特有の行動なのかな? 
Dは結局、排便せずに仲間と一緒に右へ立ち去りました。 

3〜4頭の家族群も溜め糞場rpに通っている可能性が出てきました。 
個体識別ができてないのに、どんどん難しい応用問題が出されるので、行動の解釈に困ってしまいます。 

※ 動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。



早朝に籾殻の山の頂に陣取るキジ♂(野鳥)がネコの喧嘩に遭遇すると…

 

2023年3月中旬・午前5:50頃・くもり (日の出時刻は5:52) 

郊外で農家の裏の畑に稲の籾殻が大量に積み上げられています。 
日の出直前の薄暗い時刻に通りかかると、その天辺にキジ♂(Phasianus versicolor)が佇んでいました。 
小高い籾殻山の頂は見晴らしが良さそうで、油断なく辺りをキョロキョロ見渡しています。
ねぐらとして一晩中そこで寝ていたのなら面白いのですが、定かではありません。 
さすがに近くの樹上で寝ていたのではないかな?と予想しています。
もしかすると、籾殻の山は発酵熱でほんのり温かいのかもしれません。 
少なくとも雪山よりは寒くないでしょう。 
見晴らしの良いお立ち台というだけでなく、天然の床暖房にもなってそうです。 
周囲の畑は残雪に埋もれたままですが、籾殻の山に積もっていた雪はいち早く溶けていました。 
冬〜早春にサーモグラフィカメラで籾殻を撮ってみたいものです。

夜明けと共にキジ♂が一番鶏のように大声で鳴く(母衣打ち)のではないかと期待して、愚直に長撮りしてみました。 
「鳴かぬなら、鳴くまで待とうきじ」(字足らず) 

しばらくすると、盛りの付いた雄ネコ♂同士が喧嘩する凄まじい唸り声♪が突然辺りに響き渡りました。(@1:08〜) 
イエネコFelis silvestris catus)の鳴き声を聞いた途端に、全身膨らませていたキジ♂の羽毛がスッと萎んだのは、怯えや自信喪失の現れでしょう。 
猫の鳴き声のした右に私が慌ててカメラを振ると、キジトラ♂が民家の軒下をぐるっと回って走り去るところでした。 
春はネコの発情期で、雄猫♂同士で縄張り争いや♀を巡る喧嘩が激しくなります。 
逃げる喧嘩相手を追い回すキジトラ♂を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@1:23〜) 
縄張り争いに夢中のネコは、キジ♂のことなど眼中にありません。
全く気づいていないようです。 

カメラをキジ♂に戻すと、いつの間にか籾殻山の天辺に座り込んでいました。 
天敵(捕食者)の猫に見つからないように、姿勢を低く伏せていたのでしょう。 
キジ♂は派手な体色ですから、地味な♀と違って保護色(カモフラージュ)の効果は期待できません。
もしも猫に襲われたら飛んで逃げたはずです。 
それまではいかにも勇ましい「お山の大将」というイメージだったのに、危険が迫ると実際のキジ♂は臆病なようです。 

小山の上にうずくまるキジ押す音姿は、まるでツカツクリの巣のようだと連想しました。 
ただし、キジ♂は抱卵や育雛を100%♀に任せるので、的外れな連想です。
ツカツクリ科(ツカツクリか、Megapodiidae)は、鳥綱キジ目に属する科。 本科の構成種は鳥綱では唯一抱卵を行わない。地面に穴を掘ったり、塚状の巣を作りその中に卵を産む。卵は日光や地熱、巣材植物質の発酵熱により温められ孵化する。穴や塚の中の温度は掘り起こしたり、逆に砂や落ち葉をかけることで調整する。(wikipediaより引用)

ネコの大騒ぎが収まると、キジ♂はおそるおそる立ち上がり、中腰で周囲を見回しています。
長撮りしても、結局キジ♂はケンケーン♪と鳴いてくれませんでした。 
私に対して警戒していたのかもしれません。
出かける途中で急いでいた私は痺れを切らして撮影を打ち切りました。 

以下のスナップ写真は、自動色調補正を施してかなり明るく加工しています。
立位
座位
中腰


2023/09/15

早春でも雪深いスギ林道を深夜に駆け抜ける冬毛のニホンノウサギ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年3月上旬・午前3:27・気温-3℃ 

早春でもなお雪深い里山のスギ林道を自動センサーカメラで見張っていると、深夜に冬毛のニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)が横切りました。 
白兎が林道を右から左へ一気にピョンピョン駆け抜けて行きました。 
雪面は固く凍っているようで、ノウサギの足は潜りません。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:08〜) 

※ 後半は動画編集時に自動色調補正を施して明るく加工しました。 


このスギ林道をトレイルカメラでほぼ通年監視しているのですが、不思議なことにノウサギが写るのは積雪期が圧倒的に多いです。 
夏はフクロウなど夜行性の捕食者を恐れて専ら草むらに潜み、林道にもほとんど出てこないのでしょうか? 
それとも夏はあまりにも高速で林道を駆け抜けるために、トレイルカメラの起動が間に合わず、撮り損ねているのかもしれません。


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