2019/05/04

カワウとダイサギの混群が塒入りする定点映像を早回しにしてみる【10倍速映像】(野鳥)



2018年11月上旬・午後16:24〜17:14(日の入り時刻は16:36)


▼前回の記事
カワウとダイサギが河畔林に続々と塒入りする定点映像(野鳥)

夕刻の河畔林にカワウPhalacrocorax carbo hanedae)とダイサギArdea alba)が集団就塒する様子を長撮りした素材を10倍速にしてみました。
黒いカワウが先に塒入りし、白いダイサギは遅れてやって来るという、集団塒における離合集散の時間的なパターンが分かりやすくなります。

晩秋の夕暮れの空を雲が流れ、飛行機雲が彗星のように貫き、それだけ眺めていても美しいですね。


中川雄三『水辺の番人 カワウ (月刊たくさんのふしぎ2017年11月号)』によると、

コロニーとよばれる場所を水辺のしげみにつくり、ここに集まって子育てをしたり、繁殖期意外も、夜眠るためのねぐらとして利用したりします。(中略)カワウがコロニーを長く使いつづけると、やがてそこは白い糞でおおわれて枯木が目立つようになります。するとカワウたちは少しずつ場所をずらして、コロニーを保ちつづけます。(p22-23より引用)
夕暮れがちかづくと、カワウたちは集団でねぐらに帰ってきます。やがて日が暮れると、安全な樹上で背中に首をまわして羽に顔をうずめ、まるで黒い棒のようになって眠りにつきます(p27より)
川や海に流れでた養分で育った魚たちをカワウがとらえ、繁殖地やねぐらの森で糞をしたらどうなるでしょうか。流れでた養分をカワウたちがまた陸地にもどすことになります。カワウは自然での養分の循環に貢献しているのです。(中略)カワウの糞はリンなどの栄養を豊富にふくみ、昔から畑の肥料として利用されてきました。(p38〜39より)

鷺山やカワウのコロニー、塒はとかく「糞害」という点で問題視されがちですが、生態学的にはメリットもあるという重要な指摘でした。

つづく→ダイサギとカワウが河畔林に続々と塒入りする定点映像(野鳥)
(逆に対岸から撮ってみます。)


コスモスの筒状花を味見するヨトウガ(蛾)の幼虫



2018年10月下旬

ヨトウガ(蛾)幼虫の飼育記録#11



▼前回の記事
ピンクの花を食べたヨトウガ(蛾)幼虫の糞はピンク色

コスモス(秋桜)の舌状花をひとしきり食べ終えたヨトウガMamestra brassicae)の幼虫(俗名ヨトウムシ:夜盗虫)
が中央部の黄色い筒状花も齧り始めました。
マクロレンズで口元を接写すると、大顎の先端が尖っていました。
筒状花には雄しべの花粉などが含まれていますから、舌状花の花弁よりも栄養が豊富そうです。
しかし夜盗虫は少し口にしただけで、すぐに食べるのを止めてしまいました。
あまり好みの味では無さそうです。
最後は花の外側に移動して再び舌状花の花弁に進出しました。

つづく→#12:コスモスの花を食害するヨトウガ(蛾)幼虫【30倍速映像】

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ヨトウガ(蛾)幼虫@コスモス筒状花+摂食

2019/05/03

水路の流水を飲みに来たキジバト(野鳥)



2018年11月上旬

河畔林から飛び立ったキジバトStreptopelia orientalis)が、用水路の苔むしたコンクリート護岸に着陸しました。
市街地を流れてきた用水路が堤防の水門を通って本流の川に合流する地点です。
(映像はここから。)
コンクリートで固められた斜面を歩いて水際に下りると、用水路の流水をゴクゴク飲み始めました。
ハトの仲間は他の種類の鳥類とは異なり、水を一口飲むごとに頭を上げ下げする必要がありません。(※追記2参照)
このキジバトはよほど喉が渇いていたようで、辺りを警戒しながら計8回も嘴を水に浸しました。

それにしても、背景に写っている漂着物のゴミが見苦しいですね…。
私の目には用水路よりも本流の川の方が水質がきれいに思えるのですが、キジバトは気にしないで飲んでいます。
本流の川岸は水際まで降りにくいのかもしれません。

斜面でバランスを崩してうっかり足を滑らせたキジバトが自分で驚き、護岸を足早に登り返しました。
川岸に茂った灌木の藪から飛び立つと、対岸の河畔林へ向かいました。


▼関連記事(4年前の撮影)
川の水を飲むキジバト(野鳥)

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。




【追記】
全く同じ場所で2年後の冬に、ツグミが水を飲みに来ました。


【追記2】
酒井仙吉『哺乳類誕生 乳の獲得と進化の謎:驚異の器官がうまれるまで』という本(ブルーバックス)によると、
 鳥類の飲水行動を見ると、大抵の場合は頭を上げて喉に流し込んでいる。食道が蠕動運動できないことでこのような飲水様式となる。(中略)唇(口唇)と頬は哺乳類だけに存在し、解剖学上、鳥は吸うことができないのだ。ヒナも同様である。つまり乳による子育ては不可能で選択の余地はなかった。 (p147-148より引用)

一般論は分かったのですが、例外として水をゴクゴク飲めるハト類には食道の蠕動運動があるということなのでしょうか?

ハトが水を吸える仕組み(陰圧を生み出す力)は何なのでしょう?

そこまで踏み込んで書いて欲しかったです。


キジバト(野鳥)@水路+飲水

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