2018年7月下旬・午後16:21
里山の雑木林でコナラの樹液酒場にムツボシベッコウハナアブ♀(Volucella nigropicta)も来ていました。
左右の複眼が離れているので♀ですね。
ベッコウハナアブ類の中でもかなりレアな種類らしく、私も4年ぶりの嬉しい再会です。
この里山はムツボシベッコウハナアブが寄生するスズメバチ類が豊かで貴重な生態系であることを物語っています。
▼関連記事(4年前の撮影)
・ミズナラの樹液を舐めるムツボシベッコウハナアブ♀
・ミズナラ樹液を吸いつつ排泄するムツボシベッコウハナアブ♂
コナラの幹に着陸すると横に歩き、泡立つ樹液酒場を発見すると吸汁を始めました。
腹端をゆっくりと上下に動かしています。
薄暗いのでストロボを焚いて写真に撮ろうと私がちょっと身動きしたら虻は飛んで逃げてしまい、戻って来ませんでした。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
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ムツボシベッコウハナアブ♀@コナラ樹液吸汁 |
2018年7月下旬
川沿いの原っぱでヨモギの葉に私が今まで見たことのない甲虫を発見。
証拠写真や映像のスナップショットはそこそこに済ませて、逃げられないうちに採集を優先しました。
焦って手を伸ばすと擬死落下。
地面に転がった虫の足の付け根から黄色い液体(カンタリジン)を分泌していました。
これは毒液なので、素手で触れてはいけません。
これでツチハンミョウの仲間だろうと予測が付きました。
帰ってから名前を調べると、マメハンミョウ(Epicauta gorhami)と判明。
インターネット上の画像と比べると、この個体は鞘翅の白い縦線が無いのが気になりました。
小学館『日本大百科全書(ニッポニカ)』でマメハンミョウについて調べてみると、
前胸に3条、各上ばね中央と両縁に各1条灰白毛の縦線があるが、東北地方の個体では消失する。
とのことで、納得しました。
派手な模様は有毒生物であることを捕食者(天敵)にアピールするための警告色とされますが、東北地方の個体群がそれを失っているということは、体内に含む毒(カンタリジン)の量が少ないのですかね?
次に見つけたときは、もう少し落ち着いて摂食行動などを観察してみたいものです。
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マメハンミョウ@ヨモギ葉 |
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マメハンミョウ@擬死落下+カンタリジン分泌 |
以下は標本写真。