2017/07/16

早朝に集団離の屋上から飛び去るハシボソガラスの群れ(野鳥)



2016年10月上旬・午前5:15~5:56(日の出時刻は午前5:42)・くもり


▼前回の記事
群飛を繰り返しビルの屋上に塒入りするハシボソガラスの群れ(野鳥)

ビルの屋上で塒を取ったハシボソガラスCorvus corone)の群れが夜明けとともに飛び去る様子(離塒:りじ)を撮影するため、重装備の防寒具を着込んで日の出前から出かけました。
三脚を立てて長撮りした一部始終をノーカットでお届けします。


撮り始めは日の出前で未だ暗く、某施設のシルエットがうっすらと見えるだけです。
施設の一室だけ点灯しています。
空には黒い雲が垂れ込めています。
カラスの鳴き声が遠くからかすかに聞こえます。

目を凝らして見ていると、真っ暗な屋上から群れの一部が少しだけ飛んで横に移動しました。(@1:35)
一部の個体は既に起きているようです。

ようやく辺りが白々と明るくなると、アンテナの上や屋上の縁に止まっているカラスの姿が見えてきました。
突然、屋上の西端(画面では左端)からカラスが一斉に飛び立ちました。(@4:57)
ところが空を軽く旋回しただけで、すぐに屋上に舞い戻りました。
次に、屋上の東に居た個体群が少し飛んで、西へ(画面左へ)移動しました。(@6:00)
群れの一部が屋上から雪崩を打って西へ(画面左へ)飛び立ちました。(@7:45)

本格的な離塒の前にも何度か朝の飛行練習を繰り返していました。
夕方にやった就塒前群飛のような誇示行動でしょうか?
空腹で早く餌を取りに出かけたいけれども、いざ飛ぼうとすると(偵察飛行)未だ暗くて無理だと悟り、渋々屋上に戻る、ということを繰り返しているのかもしれません。
あるいは、施設のヒトが屋上に出入りする度にカラスが驚いただけ、という可能性も考えられます。

再び屋上から多数の個体が一斉に飛び立ちました。(@9:03、午前5:23)
ようやく離塒が始まったようです。
西の山に向かって飛び去るカラスの大群を見送ってからカメラを屋上に戻すと、まだ少しカラスが残っています。
(屋上の西端の縁およびアンテナに居ます。)

群れの本隊が飛び去った以降は、小さな群れに別れて五月雨式の離塒が続きます。
西へ向かって三々五々飛び去ります。
よく分からないのは、屋上に再び戻って来る群れもたまにいることです。(@19:25)

再びカラスの大群が屋上から西へ一斉に飛び立ちました。(@22:50)
しかしほとんどがまた屋上に戻ってしまいます。
その後も少しずつ屋上からカラスが減っていきます。

最終的には屋上にカラスが1羽も居なくなったことを確認して、長い撮影を終えました。
カラスの塒入りは一斉に行なわれる(集団就塒)のに対して、離塒はだらだらと続くことが分かりました。

カラスの鳴き声よりも、撮影している私の背後でモズが警戒声を発している(高鳴き?)のがやかましいですね。
キジ♂も朝から縄張り宣言で絶叫しています。
後半はスズメも賑やかに鳴き始めました。

ちなみに撮影地点で測った気温は
午前5:26で15.7℃、湿度59%
午前5:42で13.5℃、湿度64%
午前5:55で12.9℃、湿度67%でした。

※ カラスのプライバシーを保護するために、壁面の施設名にモザイクをかけています。

つづく→ハシボソガラスの風乗り遊びと屋上への就塒前集合(野鳥)




川で水浴びするコムクドリの♀♂つがい(野鳥)



2017年5月上旬

街中を流れる川の岸辺でコムクドリ♂(Sturnus philippensis)の♂♀番(つがい)を見つけました。
採食していたのかもしれませんが、撮り始めたら警戒心が強いです。
やがて♀が川で繰り返し水浴を始めました。
♂の方が警戒心が強く、先に逃げてしまいました。


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
いつも必ずやる手ぶれ補正処理を今回はしていません。
川面のゆらぎのせいで、あまりにも不自然な映像になってしまうからです(副作用が酷い)。


コムクドリ♂
コムクドリ♀

2017/07/15

群飛を繰り返しビルの屋上に塒入りするハシボソガラスの群れ(野鳥)



2016年10月上旬・午後16:55~17:22(日の入り時刻は17:13)

秋から冬にかけて、夕方に塒入りするカラスの群れが大きくなります。
空高く飛んで行くカラスの大群を追いかけると、某施設のビルの上を旋回してから続々と屋上に舞い降りていました。
異様な光景に興奮しました。
数年前から秋の夕方になるとカラスがこの施設の周囲に群れて騒いでいたのを遠くから通りすがりに眺めていたのですけど、当時はその意味が分かりませんでした。
積年の謎がようやく解けて嬉しくなりました。

屋上の縁に沿ってカラスが一列に並んでいます。
屋上のあちこちに立てられた各種アンテナ(計4本)に止まっている個体もいます。
遠くて鳴き声はほとんど聞き取れませんし、映像からはカラスの種類を形態的に見分けられません。
しかし、この辺りではハシブトガラスは少なくハシボソガラスが圧倒的に優占種となっています。
また、後日この施設に更に近づいて塒入りを観察した結果、ハシボソガラスCorvus corone)がメインの集団塒と判明しました。

しばらくすると屋上からカラスの大群が一羽残らず一斉に飛び立ちました。
夕暮れ時の空を黒いカラスが大群で旋回する様は壮観です。
遠くて鳴き声は聞き取れません。
おそらく塒入りする前の集団誇示行動(就塒前群飛)なのでしょう。
ムクドリも似たような群飛を行います。
塒の周囲の安全を確認したり、天敵を威嚇して追い払ったりする意味があると考えられています。

もしカラスの塒がこのビルとは別な場所にあるのであれば、私が観察したのはカラスの就塒前集合ということになります。
ところが、群飛を終えたカラスがまた同じ屋上に戻って来ました。
鳴き交わしながら続々と屋上に着陸します。
そのまま屋上で落ち着くのかと思いきや、再び一斉に飛び立ち就塒前群飛しては屋上に戻るという行動を何度も繰り返しています。

施設の職員が屋上に出てきてカラスを追い払おうとしている可能性もありますが、こちらからはヒトの姿は見えません。
私としては、カラスが逃げたのではなく就塒前群飛のために何度も自発的に飛び立ったのだろうと推測しています。

屋上に舞い戻って来る際に2羽で飛びながら置いかけっこしている個体もいました。
素人目にはふざけて遊んでいるようにも見えますが、止まり場を巡る小競り合いで空中戦になったのかもしれません。

ようやく屋上に落ち着き、カラスはやはりここを塒として夜を過ごすようです。
この事例では、就塒前集合と集団塒が同じ場所でした。


※ カラスのプライバシーを保護するために、壁面の施設名にモザイクをかけています。
世間が野鳥の営みに対して無関心で放っておいてくれるならまだ良いのです。
私はただカラスが好きで動画を撮っているだけなのに、私の動画のせいでカラスが駆除されたりこの集団塒から追い出されてしまったのでは藪蛇というか本末転倒です。
誰かが急に「毎晩カラスの大群が集結するのは不気味で不吉だ!」と非科学的な言いがかりをつけて施設に通報したり、仕事熱心なカラスの駆除業者がこの施設に営業をかけるかもしれません。

施設側から「こんな動画は営業妨害だ!」と抗議されたりしたら堪りません。
昨今は全く予想もつかない方向からクレームが付けられる世知辛い社会ですから、こんな用心をしないといけないのです。
もちろん鳴き声がうるさかったり(騒音公害)、集団塒の糞害が酷いだろう、ということは容易に想像できるので、悩ましいところです。


つづく→早朝に集団離の屋上から飛び立つハシボソガラスの群れ(野鳥)


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