2016/01/31
網にかかった蚊を捕食するイシサワオニグモ♀【蜘蛛:暗視映像】
2015年10月上旬・午前5:24〜5:38・気温11.3℃
イシサワオニグモ♀(Araneus ishisawai)が夜中に網を張り替えることを期待して徹夜で観察していると、夜が少しずつ明けてきました。
退屈のあまり、私は居眠りしてしまったようです。
いつの間にかクモが垂直円網の甑に占座していました。
慌てて赤外線の暗視カメラで撮り始めました。
歩脚で周囲の糸を引き締めて揺すると、すぐ左下に付着していた蚊の存在に気づいたようです。
私が網に生き餌を給餌したのではなく、自然に網にかかった物です。
おそらく私の血を吸おうと飛んできた藪蚊が天然の蚊帳に囚われたのでしょう。
こんな小さな獲物が網にかかってもイシサワオニグモは隠れ家に居ながらにして感知できるとは、信号糸の感度の良さに驚かされます。
梱包ラッピングするまでもない小さな獲物なので、クモはその場で噛み付いていきなり捕食しました。
甑に戻ると再び網を引き締めて揺らし、他の獲物の有無を確認しています。
そのまましばらく下向きに占座。
それまでこの個体は昼も夜も基本的に隠れ家に潜んでいて必要に迫られなければ網に出てこなかったので、甑に堂々と占座する様子は新鮮でした。
隠れ家に戻る様子を撮り逃さないよう通常のカメラに切り替え、三脚に据えて監視記録してみます。
夜明け前でかなり暗いものの、補助照明無しでもなんとか写っています。
※ この中盤(@1:14〜1:55)の映像のみ動画編集時に自動色調補正を施して、自然光下の暗い映像を増感しています。
やがてクモはゆっくりと信号糸を登り、隠れ家に戻りました。
午前5:00および5:30に測った気温はともに11.3℃、湿度100%
ちなみにこの日の日の出時刻は公式発表で5:42。
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夜の生活
キイロスズメバチ♀の巣作り
2015年10月上旬
キイロスズメバチ巣の定点観察#5
巣口の真下からキイロスズメバチ(Vespa simillima xanthoptera)コロニーの活動を狙ってみました。
外被が画面上では縦に長い楕円球に見えます。
巣口ではワーカー♀が活発に出入りして、外被上ではあちこちで増築作業をしています。
この時期にも尚、キイロスズメバチが巣を拡張しているとは知りませんでした。
キイロスズメバチのワーカー♀が巣内から幼虫を引きずり出して外に捨てる瞬間は残念ながら撮れませんでした。
唐突に部外者のキアシナガバチが外被に着陸し、慌ててすぐに飛び去った事件が興味深く思いました。(@1:30)
実は、近所にあるキアシナガバチのコロニーが繁殖期を迎えたらしく、この軒下を群飛していました。(映像なし)
家屋の板壁や材木に止まって休む個体もいますが、巣材集めではありません。
新女王と交尾するために雄蜂が飛び回ったり、新女王が越冬場所を探しているのでしょう。
つづく→#6:体内寄生されて弱ったキイロスズメバチ♂
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造巣
2016/01/30
網に付いたアメリカセンダングサの花を食べずに捨てるイシサワオニグモ♀【蜘蛛:暗視映像】
2015年10月上旬・午前00:25・気温12℃
花を食べる造網性クモの謎#6:再現実験
5日前、戯れにアメリカセンダングサの花をイシサワオニグモ♀(Araneus ishisawai)の網に投げつけたら食べ始めて驚愕しました。(記事はこちら)
意外な結果を受け入れるには何よりも再現性が肝心ですから、同一個体のクモで花給餌実験をもう一度やってみました。
近くで摘んだアメリカセンダングサの頭花を垂直円網に投げつけると、その振動でイシサワオニグモ♀が隠れ家から花に駆け寄りました。(動画はここから)
花の茎が少し長過ぎたかもしれません。
クモは歩脚で花に触れるものの、噛み付こうとしません。
花の回りの糸を噛み切ると、網から外して捨てました。
今回は梱包ラッピングすら行わず、異物として網から取り除きました。
※ 赤外線ビデオカメラの撮影アングルが不安定なのは、AFの奥ピンを改善するために背景が抜けるアングルを探っているためです。
甑に戻ると周囲の糸を歩脚で引き締めて網を揺らし、もう他に異物が網に残っていないか確かめています。
信号糸を伝い、隠れ家に戻りました。
食べ残しの蛾を引き寄せ、捕食を再開。
撮影直後の午前00:25に測定した気温は12℃、湿度100%。
花を食べてくれなかったので再現性に疑問が生じ、意気消沈しました。
とにかくアメリカセンダングサの花の味が好きで好きで堪らない!という訳ではなさそうです。
蛾を食べている最中に花を給餌したのでクモは満ち足りており、わざわざゲテモノを口にする気にならなかったのでしょうか。
クモの空腹状態をコントロールした上で実験するのは飼育しないと無理そうです。
造網性クモは花を梱包ラッピングしてくれないことには食べてくれないので、網に付けた花をクモが取り除こうと触れたときに音叉を使って花に振動を与えてみれば騙されるかもしれません。
つづく→#7:アメリカセンダングサの花を食べなくなったイシサワオニグモ♀(蜘蛛)
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