2015/06/09

♀の残り香で性的に興奮するノシメマダラメイガ♂(蛾)



2015年5月下旬

▼前回の記事
ノシメマダラメイガ(蛾)の求愛行動【ハイスピード動画】

ノシメマダラメイガの飼育記録#6

飼育容器内のノシメマダラメイガPlodia interpunctella)成虫が全て寿命を迎えたので、計13頭の死骸を回収し捨てました。
その日のうちに室内で成虫を新たに1頭捕獲し、同じ容器に投入しました。
するといきなり興奮したように求愛ダンス(翅を特徴的に振動させるバタツキ行動)を始めたので、♂と判明。
♀が居ないのに激しく羽ばたきながら容器内を徘徊しています。
しかも、容器の特定の部位に来ると求愛ダンスを行うようです。
写り込んでいる光源(リングライト)の位置からお分かりのように、走光性とは無関係でした。
一般にノシメマダラメイガが活発になるのは暗くなってからですが、午前中に撮影したので時間帯や照度のせいで求愛モードになったのではなさそうです。
♀の出した性フェロモンの残り香があるのでしょうか?

別の容器(同サイズ)をエタノールでよく拭いて乾かしてから、この♂を移してみました。(@2:45〜)
すると案の定、求愛ダンスを全くやらなくなり壁面でおとなしくなりました。
昆虫生理学(化学生態学)の真似事で以下のような追加実験を行えば、性フェロモンの残留を証明できそうです。

  • 大量飼育した後の容器の内壁をよく拭き取り、♂を戻すとバタツキ行動しなくなるか?
  • その拭き取った紙(ティッシュペーパーなど)に対して♂は誘引されるか?
  • ♀だけ、♂だけに分けて大量飼育した後の容器に対して導入♂の反応は異なるか?(活性物質は本当に♀が産生したフェロモンか?)

しかし他のことで急に忙しくなり、手が回らなくなってしまいました。(計画倒れ)
誰か興味のある方は、自由研究のテーマに如何でしょう?

密閉容器でノシメマダラメイガ成虫を大量飼育しても、求愛から交尾に至る成功率がなんとなく低い気がしていました。
もしかすると♀がコーリングで放出した性フェロモンが容器内に充満して(濃度が高過ぎて)、♂の性行動を逆に妨げていたのかもしれません。

♂単独で性的に興奮する似たような状況
を自然条件でも(ノシメマダラメイガの場合、野外ではなく室内)後日観察することができました。

つづく→#7:ノシメマダラメイガ(蛾)が室内で♂単独の求愛ダンス

水銀灯の周りを飛び回るコウモリ


2015年5月下旬

山際の田園地帯を抜ける道路を照らす水銀灯の周りを深夜(23:55 pm)、コウモリ(種名不詳:おそらくアブラコウモリ?)が静かに飛び回っていました。
灯火に集まる昆虫を捕食しに来ているのでしょう。

バットディテクター(コウモリ探知機)があれば、ヒトの耳には聞こえない超音波の鳴き声も聞き取れるようになるし、コウモリの種類も分かるはずです。
私も欲しいのですが、調べたら高価ですね…。



カエルの合唱を聞きながらコウモリを撮っていると、最後にもうひとつ驚きの(嬉しい)遭遇が待っていました。
私の背後から来て道を走り去るテンまたはイタチのような哺乳類の姿が一瞬だけ写っています。
私に気づいて驚いたのか、道端の水田に降りたようです。




【追記】
大沢夕志、大沢 啓子『身近で観察するコウモリの世界―町を飛ぶ不思議な野生動物 (子供の科学★サイエンスブックス)』を読むと、街中で夜にコウモリを観察するノウハウが書いてありました。
交差点近くの街灯の光が届く場所でコウモリ観察。光の方を向いてしまうとまぶしいので、街灯などに背中を向け空を見ると、コウモリを探しやすい。 (p12より引用)





2015/06/08

ヒメジョオンの花蜜を吸うホソオビヒゲナガ♂(蛾)



2015年6月上旬

平地の道端に咲いたヒメジョオンホソオビヒゲナガ♂(Nemophora aurifera)が訪花していました。
口吻を伸ばして、同じ花からかなり長時間、一心不乱に吸蜜していました。

とても小さな蛾ですが、金色に輝くメタリックな翅が美しいですね。



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