2023/01/09

有毒植物ホツツジに訪花・吸蜜するジガバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2022年8月下旬・午後13:30頃・くもり 

里山の林道沿いにひっそりと咲いたホツツジの群落でジガバチの一種♀が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
頭楯が黒いので♀と性別を見分けられます。 
サトジガバチ(Ammophila sabulosa nipponica)かヤマジガバチ(Ammophila infesta)かしっかり同定するには、採集して標本を精査しないといけません。 

花穂を上下に歩き回りながら、次々に吸蜜しています。 
隣の花穂へ飛び立つ前に左右の触角を前脚で拭うこともありました。 
葉から葉へ伝い歩いてから花穂へ飛び移ることもあります。 

訪花中は翅を閉じたまま上下に動かして、機嫌良さそうにリズムを刻んでいます。 
耳を澄ませても、ジガジガジガ…♪などという音は聞き取れませんでした。 
いつでも飛び立てるように、飛翔筋のアイドリングなのかな? 

花から飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@2:15〜) 
雑木林の林床はかなり薄暗かったので、カメラの設定でゲインを上げてから撮影しました。

ホツツジの花蜜に含まれる神経毒グラヤノトキシンによって急性中毒の麻痺症状を呈するかどうか興味を持って約9分間も長撮りしたのですが、ジガバチ♀が飛べなくなることはありませんでした。 
受粉してくれる訪花昆虫の電位依存性Naイオンチャネルは、アゴニストのグラヤノトキシンに対して耐性があるのでしょうか? 
電位依存性Naイオンチャネルのアミノ酸配列を哺乳類と昆虫で比較する研究を誰かにやってもらいたいものです。 



2023/01/08

夏の朝にクルミの実を運ぶニホンリス【トレイルカメラ】

 

2022年8月下旬・午前6:25頃・小雨 (日の出時刻は午前5:00) 

里山の林道でヌタ場と思われる水溜りがある区間をトレイルカメラで見張っていると、早朝にニホンリスSciurus lis)が登場しました。 
水溜りの横でリスがオニグルミの堅果を抱えていました。 
現場周辺でオニグルミの木は生えてないので、そこで見つけた落果を拾ったのではなく、どこからか運んできたようです。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみると、ヌタ場の泥の中からクルミを掘り出していました。 
運搬中にうっかり落としたクルミを拾い直したのかな? 
昨秋に貯食した記憶を頼りにクルミの実を掘り出したという可能性も考えられますが、水気の多いヌタ場にクルミを埋めたら発芽しているはずです。

林道脇の法面からヌタ場に張り出しているシナノキの湾曲した枝にリスが跳び乗りました。 
口にクルミの実を咥えています。 
枝を伝って手前に走り、カメラの死角に消えました。 
雑木林の斜面のどこかに埋めて隠すのでしょうか? 
まだ真夏なので、冬に備えて貯食するには時期が早い気がします。 
おそらく安全な場所に移動し、クルミの殻を割って中身を食べるのでしょう。 
オニグルミの堅果を運ぶリスをトレイルカメラで撮れたのは初めてです。

水溜りの水面を見ると小雨がポツポツ降っていますし、下草にもときどき雨粒が当たって揺れています。 
癖のある古い機種で撮っているので、明るい時間帯なのに色調が変です。 
動画編集時に自動色調補正を施して、モノクロ調に修正しました。 



クサコアカソの実を食べるアカタテハ終齢幼虫【マクロ動画】

 

アカタテハの飼育記録:2022年#3 




2022年8月下旬・午後17:50頃・室温24.9℃・湿度51% 

アカタテハVanessa indica)の終齢幼虫は食草クサコアカソの葉だけでなく、未熟な実も貪り食べています。
葉よりも果実の方が栄養価が高いのかもしれません。 
隠れ家から離れ、実の付いた穂先に向かって食べ進みます。 

実を食べる合間に、赤い茎も少し齧っています。 
これはおそらくトレンチ行動です。 
植食性昆虫に対抗して植物が産生する防御物質(毒や苦味など)が穂先に流入するのを妨げているのでしょう。 
茎を完全に切り落とさないのがポイントです。
アカタテハ幼虫の摂食行動は巣作りと同時並行して行われますから、噛み傷を付けた茎を萎れさせ、巣材として加工しやすく(穂先を曲げやすく)する効果もあります。 


 

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