2016/02/10

網にかかったツマグロオオヨコバイを捕食するイシサワオニグモ♀(蜘蛛)



2015年10月上旬・午前9:57〜10:04

イシサワオニグモ♀(Araneus ishisawai)で色々と実験したお詫びとして、今度は本当の獲物を給餌することにしました。

近くの草むらに飛来したツマグロオオヨコバイBothrogonia ferruginea)を生け捕りにし、垂直円網(甑の少し左下)に付けてやりました。
キイチゴ?葉裏の隠れ家に潜んでいたイシサワオニグモ♀は網に急行すると、まずは獲物の胸部に噛みついて毒液を注入しました。
つづいて獲物を網から外しながら大量の捕帯を繰り出して梱包ラッピングします。
糸を噛み切りながら、円網に開いた穴を補修するため糸で最小限の修繕を施しています。
網全体が崩壊しないよう、切った縦糸を張り直しているようです。
甑から新たな信号糸を糸を張りながら、獲物を隠れ家に持ち帰りました。
隠れ家に落ち着くと、捕食を始めました。
ちなみに午前10:00に測った気象状況は、気温19.1℃、湿度73%。

さて、イシサワオニグモが円網を張り替える行動を観察したくて前日から徹夜で監視したのに空振りに終わりました。(待ちぼうけ)
夜間に網を張り替えなかったのは、私が花や虫を次々に給餌したり音叉を使った実験を繰り返したからでしょうか?
もし何も獲物がかからなければ、「この網ではもう駄目だ」と判断して張り替えたのかな?



2016/02/09

イシサワオニグモ♀(蜘蛛)の網にノコンギクの花を給餌すると…?



2015年10月上旬・午前6:52〜8:10

花を食べる造網性クモの謎#8:花の種類を変えてみると?


イシサワオニグモ♀(Araneus ishisawai)はアメリカセンダングサを特に好んで食べてくれたのでしょうか?
アメリカセンダングサ以外のキク科の花を対照実験として給餌してみることにしました。

近くに生えていたノコンギクの頭花を摘んできて垂直円網に投げつけても、隠れ家(キイチゴ?葉裏)のクモは無反応でした。
鳴らした音叉で花に440Hzの振動を与えると、ようやくクモが甑まで出てきました。
もう一度花に振動を与えると、獲物が暴れていると騙されてクモが花の所まで駆けつけました。
花に触れて調べている間にあともう5回、繰り返し振動を与えてみます。
しかしクモは菊の花に噛み付いたまま静止しているだけで、期待した梱包ラッピングをしてくれませんでした。

ようやく噛んでいた花を手放すと、その花を網に放置したままで甑に素早く戻りました。
信号糸を登り、隠れ家に帰りました。
花を噛んでいる間に花蜜や花粉を摂取したかどうか、外から見ているだけでは分かりません。
隠れ家に持ち帰ってゆっくり食べるほど気に入った味ではなかったのかな?
餌ではなく異物だと認識したにせよ、異物を除去しないで放置するのは初めての反応です。

更にしつこく音叉でノコンギクの花を震わせても隠れ家のクモは無反応でした。
「狼少年の嘘にはもう騙されないぞ!」と学習したようです。
そこで今度は音叉を直接網に付けてやると、クモはすぐに網に降りてきました。
その先はもうクモは騙されず、異物の花を放置したまますぐ隠れ家に戻ってしまいました。

諦めかけたら、何故かしばらくするとイシサワオニグモ♀が隠れ家から網へ自発的に戻って来ました。
先程は何か身の危険を感じて逃げ帰ったのかもしれませんね。
甑に占座したクモは網を歩脚でしゃくり、異物の在処を探り当てると、ようやくノコンギクの花を網から外して捨てました。
その場で網を引き締め、もう他には異物が付いていないことを確認しています。
糸を切ったことによる網全体への影響(張力のバランスなど)を調べているのかもしれません。
甑に戻ると、朝日を浴びながら歩脚の先を舐めて身繕いしています。
捨てられたノコンギクの花はシダの葉に落ちていました。
しばらく日光浴してから、ようやく隠れ家に戻りました。

ちなみに午前8:08に測った気象状況は、気温19.2℃、湿度85%。

つづく→#9:網に付いたノコンギクの花を取り除くジョロウグモ♀(蜘蛛)


仰向けから起き上がるクロシタアオイラガ(蛾) 幼虫



2015年10月上旬

里山の林床で徘徊するクロシタアオイラガParasa sinica)の派手な幼虫を見つけ、採集して持ち帰りました。
終齢幼虫が営繭場所を探索しているのか?と思い、飼育してみます。

板の間に置いて仰向けにしてみます。
棘だらけでカラフルな配色の背面とは裏腹に、腹面はのっぺりしていて腹脚がどこにあるのかよく分かりません(退化傾向にある?)。
警戒してしばらく擬死(死んだふり)してから起き上がろうと奮闘を始めます。
寝返りを打つように身を攀じってまず上半身だけ起き上がり、そのまま前進することで下半身も起こします。
その動きが面白くて、何度も繰り返してしまいました。

最後は幼虫の歩行を正面から接写してみました。
イラガの仲間は頭部がフードに隠れています。
頭部で∞の字を書きながらゆっくり前進します。
歩く地面を調べているだけで、絹糸は未だ吐いていないと思います。

木の棒を登らせると滑落することがありました。(映像なし)
背中の刺は柔らかいのか、背中から落ちても折れません。
仰向けになると体を捻り上半身が接地したら前進しながら起き上がります。
海老反りから後転で起き上がるパターンもありました。


つづく→クロシタアオイラガ(蛾)幼虫の営繭異常【60倍速映像】



ランダムに記事を読む