2015年10月上旬
境界標に営巣したヒメクモバチの定点観察#6
今度は2つ目の境界標に作られた泥巣bを見に行くと、砂利混じりの山道で日光浴している蜂が居ました。
近づいたらすぐに飛び立ちました。
逃げた蜂を追って左を見ると泥巣bに戻っていました。
帰巣したヒメクモバチ♀b(旧名ヒメベッコウ;おそらくAuplopus carbonarius)は泥巣上を歩き回り点検したり身繕いしたりしています。
「山形県」の境界標の刻印に泥を詰め込んで営巣しています。
ちなみに山の字の第1、3画の縦線の長さは5cm。
この日は良い天気で気温も低くなかったのにも関わらず、不思議なことにこの日は二匹(♀a, b)とも造巣や狩りを全く行いませんでした。
1週間前に♀bを見た時にはほぼ休みなく巣材を運び込んでいたのに、不思議です。
もし造巣活動を午前中に集中して行うのだとすると、私が見に来る時間帯が遅かったのかもしれません。
次の卵が産めるようになるまで卵巣の発達を待っているのでしょうか?
それとも♀の寿命が迫り、泥巣をガードしているだけかな?
この日は更に観察を続けると、♀bが何故外出しないでひたすら泥巣をガードしているのか、その理由が分かりました。
つづく→#7:寄生蜂コクロオナガトガリヒメバチ♀の産卵および寄主ヒメクモバチとの攻防
2015年8月下旬・午後19:30
民家の塀の上に座り見下ろしていたネコ(Felis silvestris catus)を赤外線の暗視カメラで撮ってみた映像です。
首輪などは無いものの、飼い猫のようです。
真横で撮り始めても、耳を立てて警戒するだけでした。
欠伸をしながら立ち上がり、ストレッチ(伸び)してから立ち去ろうとします。
尻尾をピンと上げて歩き、塀の段差を身軽に降りて行きました。
2015年10月上旬
境界標に営巣したヒメクモバチの定点観察#5
7日ぶりに営巣地を訪れると、まず一つ目の境界標に作られた泥巣aにヒメクモバチ♀a(旧名ヒメベッコウ;おそらくAuplopus carbonarius)が居てくれて一安心。
こちらの個体♀aは1週間前に見た時と変わらず基本的にいつも泥巣上に居座りガードしているだけで、造巣などの進展が全くありません。
泥巣上を徘徊し、穴にも少しだけ頭を突っ込んで点検しています。
この穴は1週間前から開いたままなので、作りかけの育房ではなく羽化孔だと思っています。
見回りの後は触角を拭い化粧しました。
この個体♀aは触角の先が巻いている点が気になります。(一方、♀bは比較的真っ直ぐ)
クモバチ科の特徴として、触角はふつう♀では死後ゼンマイのように巻くが、♂では巻かない。(『保育社標準原色図鑑全集2昆虫』p29より)
※ マクロレンズ使用の接写動画のみ自動色調補正を施してあります。
珍しく外出の瞬間が撮れたものの、すぐに見失ってしまい、行き先や目的は不明です。
映像の最後は山道沿いに並んだ2本の境界標を順に訪れ、♀a→♀bの順に在巣を確認しました。
個体識別のマーキングを施していないものの、これで2匹のヒメクモバチ♀が別個体であることを確信しました。(1匹の♀による二巣並行営巣ではない。)
つづく→#6:境界標の泥巣をガードするヒメクモバチ♀b