2015/10/18

ミズキの実を採食するニホンザルの群れ



2015年8月中旬

山間部の峠道を登っていると、麓に近い地点でミズキの枝葉と実が路上に散乱していました。
野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の食痕だろうと推理しました。
更に進むと案の定、ミズキの実を採食しているニホンザルの群れと遭遇。

初めは私のことを警戒していましたが、動きを止めて(フリーズ)静かに撮影していると次第に警戒を解いて採食を再開してくれました。
耳を澄ますと、固い果実(核果)を噛んでいるニホンザルの歯が当たる音がコリコリ♪響いています。
種子を吐き出している気配がなく、おそらく殆どそのまま飲み込んでいるようです。
路上によく落ちている猿の糞を調べれば、種子散布の状況が分かるかもしれません。


森に散開した群れが各々でミズキの実を採食しています。
道の両側の斜面ではあちこちの樹上で猿が採食しているので、どの個体を撮ろうか目移りするほどでした。

しなる枝先まで降りてアクロバチックに掴まりながら、近くの枝を手で引き寄せ黒紫色の実を食べています。
枝を折り取って口に咥え、登り返して安定した枝に腰掛けてから実を採食することもありました。
ところが少し食べただけで折り取った枝葉を無造作に捨ててしまいました。


珍しく口から指で種を出したり吐き出したりする様子も観察出来ました。
唇が紫色の果汁で汚れています。


※ 一部の逆光シーンのみYouTubeの映像編集時に自動色調補正を施してあります。


岩合光昭氏の写真集『スノーモンキー』p113にミズキの実を採食する子ザルの見事な生態写真が掲載されていました。




さて、この黒い木の実は夏によく見かけるものの、名前を知りませんでした。
帰ってから図鑑で調べてみると、葉が互生であることからクマノミズキではなくミズキと判明。
『野鳥と木の実ハンドブック』p50-51によると、ミズキは

鳥が好んでよく食べる木の実のベスト5に入る。
口に入れてみても、これといった味はしない。


『樹木見分けのポイント図鑑』p36によれば、ミズキの

果実は球形で種子の核の先に穴がある。
余談ですが、妖怪漫画で有名な水木しげる氏のペンネームは改めて考えると素敵ですね(ミズキが茂る)



【追記】
ミズキは多くの個体がたくさん果実をつける豊作年と、少ない個体が少しだけ果実をつける凶作年を繰り返す。(直江将司『わたしの森林研究―鳥のタネまき​に注目して』p69より引用)



▼関連記事(4年後に別の里山で撮影)
ミズキの果実を食べるニホンザルの群れ




2015/10/17

ノブドウの花蜜を吸うミカドトックリバチ



2015年8月中旬

スギ林の林縁に生えたノブドウのマント群落で
ミカドトックリバチEumenes micado)が訪花していました。



ムクドリ(野鳥)大群の飛翔乱舞



2015年8月中旬・午後17:47

夕方にムクドリSturnus cineraceus)の群れが空を飛んでいました。
遠くで飛びながら群れの賑やかな鳴き声も聞こえます。
生憎この日は望遠レンズも外付けマイクも忘れてきてしまったのが残念無念。
最後は吸い込まれるようにどこかへ着陸した模様。
ねぐら入りしたのでしょうか?
残念ながら、手前にあるお寺の建物の死角になってしまい、塒の位置を突き止められませんでした。
ちなみに日の入り時刻18:27の40分前の出来事でした。

ムクドリの大群が飛ぶ様子は「murmuration」と呼ばれる有名な現象です。
正式な日本語訳を知らないので、ご存知の方は教えてください。
群れにリーダーが居なくても飛びながら群れ全体がまるで一つの生き物(超個体?)のように変幻自在に形を変え、神秘的というか芸術的ですらあります。
猛禽類などの天敵に対する一種の誇示行動だと考えられています。
小規模ながら初めてmurmurationを自分で撮れて、とても嬉しかったです。

『カラー版自然と科学50:ムクドリ』p28-29によると、

北国では冬のあいだムクドリの大群はみられません。北海道や東北地方でムクドリの大群がみられるのは、真夏から秋です。





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