2011/11/01
ヒラアシハバチ幼虫の威嚇姿勢
2011年10月中旬
湿地帯に生えるハンノキの葉に群がるハバチの幼虫を発見。
葉の縁に掴まり、体を反らして独特の威嚇姿勢を取ります。
鯱のような海老反り体勢で体をくねらせます。
外敵への威嚇効果の他に、ハバチ幼虫同士が互いに牽制して個体間の距離を適正に保つ効果もあるのかもしれない、と思いつきました。
(縄張り?争いの結果として、よく見かけるようにハバチ幼虫の集団が等間隔で葉縁に並ぶのではないかと。)
カメラを警戒しているのか、葉を食害する様子は観察できませんでした。
幼虫図鑑サイトで食草検索および絵合わせしてみると、ヒラアシハバチの幼虫(Croesus japonicus)と判明しました。
定点観察で通う度に幼虫の個体数が減るので、どこで蛹化するのだろうと不思議に思って調べたら「森林生物データベース」に答えが書いてありました。
本種は10月頃土中に潜り、繭内で幼虫越冬するのだそうです。
いつかハバチ類の飼育にも挑戦してみたいものです。
2011/10/31
キザハシオニグモ♂亜成体がショウブアブラムシを捕食
2011年10月中旬
平地でミニビオトープのような水盤に生えたショウブ?の葉にキザハシオニグモ♂が網を張らずに静止していて、何やら食事中でした。
この日は風が強く、激しく揺れて観察しにくいので、葉ごと静かに切り取って地面に置いてからじっくり接写しました。
同じ葉には黒いアブラムシのコロニーが点在しています(体長は不揃い)。
クモの獲物はこのアブラムシを何匹かまとめて団子状に丸めたもののようです。
近くに円網は見当たらなかったので、動きの乏しい獲物を一体どのように狩ったのか気になります。
獲物の団子には白い繊維が絡まっています。
アブラムシの分泌した白いワックス成分なのだろうか。
しかし、アブラムシの無事なコロニーでは特にワックスの分泌は見られません。
あるいはキザハシオニグモ♂が円網を張らずに(徘徊性クモのように)捕帯で直接アブラムシのコロニーを一網打尽にラッピングしたのかもしれません※。
円網で捕らえた獲物を隠れ家で食べていたというシナリオをクモ蟲画像掲示板で示唆してもらいました。網が見当たらなかったのは、強い風で枠糸ごと切れてしまった可能性もあります。しかし有翅のアブラムシならともかく、無翅型が一度に何匹もクモの円網にかかるというのは想像しにくいと思います。(自らクモの糸を伝ってぞろぞろ移動した挙句に粘着糸に絡み取られた?!)クモがもし特殊な甘い糸でアブラムシを誘引して一網打尽にしていたら大発見です。キザハシオニグモ♂が徘徊モードだったとしても、動きに乏しいアブラムシを獲物と認識したこと自体が不思議に思いました。
クモは触肢と牙を小刻みに動かして団子から吸汁しています。
一気食いで牙の先が血のように赤く染まっています。
餌食となったアブラムシの何匹かは未だ生きて動いていました。
側面から接写すると♂クモ特有な触肢の膨らみがよく分かります。
左下:キザハシオニグモ(階鬼蜘蛛)が居た全景に「階」段が写っているのは出来過ぎですね♪
繁殖期が近くなると♂は造網を止めて♀を探す旅に出るはずですが、季節と体長6.5mmから推察するに未だ亜成体♂のようです。
(♂成体の体長は約8㎜。)
本種は通常、亜成体で越冬すると「クモ蟲画像掲示板」にて教えて頂きました。
キザハシオニグモは日本産のオニグモ類で唯一、水平円網を張る珍しいクモなのだそうです。
一方、アブラムシの素性を調べるには先ずこのホスト植物を知らなければなりません。
確かショウブだったと思うものの、記憶が曖昧なので来年に花が咲いたら確認します。
ショウブを寄主とするアブラムシを調べると、そのものずばりショウブアブラムシという黒い種類が見つかりました。
素人目にはよく似ています。
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クモ・ザトウムシ,
セミ・カメムシ・サシガメ(半翅目),
捕食
2011/10/30
オオヒラタシデムシが階段で右往左往
2011年10月中旬
堤防でコンクリートの階段を徘徊しているオオヒラタシデムシ(Necrophila japonica)を発見。
動物の死骸をあさる幼虫はすっかりお馴染みですが、成虫は初見かも。
関連記事→「ミミズの死骸を食べるオオヒラタシデムシ幼虫」、「アオダイショウの死肉を食すオオヒラタシデムシ幼虫」。
垂直のコンクリートを登る途中で滑落しました。
翅を広げて飛ぼうとしたような気がします。
【追記】本種の後翅は退化して飛べないらしい。(『雑木林で虫さがし』p25より)
動画を撮った後で一時捕獲。
体をつまみあげると口と腹の先から茶色の臭い液を出すそうですけど、未確認。
図鑑『札幌の昆虫』p105に記載されている通り、胸部背面正中部に点刻された浅い縦溝があります。
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