2025/01/07

靴底の泥を舐めに来たウラギンシジミ♂【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2023年9月下旬・午後14:10頃・晴れ 

里山の雑木林を抜ける山道を私が下っていると、前方の地面(?)から飛び立った蝶が私の足元にまとわりつきました。 
履いていた長靴の底に横から止まったので、驚きました。 
窮屈な体勢で見下ろしながら、動画を撮り始めました。 

蝶の正体は翅裏が銀白色のウラギンシジミ♂(Curetis acuta paracuta)でした。 
靴底に付いていた泥を口吻の先で舐めてミネラル摂取しています。 
ウラギンシジミは人懐っこく(無防備に)近寄ってくる習性があります。
関連記事(3、4年前の撮影)▶  

私がバランスを崩して足を動かしてしまったので、ウラギンシジミ♂は飛んで逃げてしまいました。 
少し飛んだだけで、道端に自生するクリ幼木の葉に止まりました。 
もしかすると、この山道でウラギンシジミ♂は縄張りを張って♀を待ち構えていたのかもしれません。 

翅を広げて日光浴しています。 
翅表が鮮やかなオレンジ色なので、♂と分かりました。 
私はまだウラギンシジミの♀を見たことがありません。 

ウラギンシジミ♂が飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:45〜) 
下山を急いでいた私は、蝶が自発的に飛び立つまで待てず、今回は物を投げつけて飛び立たせました。 
ウラギンシジミ♂は、頭上に物体の影が近づいただけで敏感に素早く飛び去っていました。 


余談ですが、生物調査で野外を歩く際には、長靴が結局一番便利なことが分かってきます。 
特に、雨上がりで下草が濡れていたり、地面が泥濘になったり、薮漕ぎを迫られたりしたときに、その威力を発揮します。 
高価で高性能な登山靴(トレッキングシューズ)はもちろん素晴らしいのですが、1年間で靴底が磨り減って履きつぶすことを考えると、気楽に買い換えられる長靴のコストパフォーマンスが際立ってきます。 
どうせ山中で他のヒトと出会うことは滅多にありませんから、足元のお洒落を気にしても仕方がありません。
ゴム長靴は靴底が摩耗するよりも先に、どこかゴムが破けて水漏れし、駄目になることが多いです。

2025/01/06

新雪の積もったニホンアナグマの越冬用営巣地を横切る冬毛のホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年1月下旬・午前0:45頃・小雪・気温-1℃ 

雪の積もった平地の二次林で、ニホンアナグマMeles anakuma)が越冬する営巣地(セット)を自動センサーカメラで見張っていると、小雪がちらつく深夜に冬毛のホンドテンMartes melampus melampus)がやって来ました。 
新雪が積もったセットを右から左へ横切り、後半は小走りになりました。 
ホンドテンは、雪の下に埋もれたアナグマの巣口LRには全く興味を示さずに素通りしました。 

林床の雪面にテン以外の足跡は全く付いていません。
映像をよく見ると、テンは尻尾の先をときどき雪面に引きずりながら歩いています。 
今後は雪面に残る足跡を読み解いてテンと見分けるためには、尻尾の跡も考慮する必要がありそうです。 


つづく→

ご馳走のあった地点に繰り返し戻ってきて餌を探すカケス【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 


2024年1月下旬

シーン0:1/22・午後12:56(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
今季は異常な暖冬で積雪がほとんど溶けてしまい、まるで早春のようです。 
平地のスギ防風林で、画面の手前から奥に向かって根こそぎ倒れたスギ風倒木(根返り)の根元に掘られた「根曲がり巣穴」を自動センサーカメラで監視しています。 
風倒したスギの巻き添えを食って落葉性広葉樹(樹種不明)の稚樹が一緒に根こそぎ倒れてしまい、毎年冬の積雪に押し潰されて樹形がねじ曲がりながらも逞しく育ったのです(根曲がり)。 

この巣穴aにはニホンイタチMustela itatsi)が越冬しているらしいことが分かっています。 
実はすぐ近く(画面の右背後)にもう一つ同様の巣穴bがスギ風倒木の下に掘られていて、そこにもイタチが出入りしていました。 


シーン1:1/23・午後12:44・晴れ(@0:04〜) 
カエルの死骸を持ち去ってから3時間45分後の昼下がり、カケスGarrulus glandarius)が再び戻ってきました。 
倒伏したスギの根に止まって、露出した土を啄んでいます。 
甲虫に疎い私は冬に「オサ掘り」採集をしたことがないので知らなかったのですが、オサムシ類は休眠越冬する場所として、まさにこのような倒木の土付き根っこ(「根返り」と呼ぶらしい)を選ぶことが多いのだそうです。 
冬にさまざまな野鳥がこの根返りに繰り返しやって来て何やら啄んでいる理由が、ようやく分かりました。 
鳥は根返りの土そのものを食べている(ミネラル摂取)のではなく、越冬中のオサムシ類を探して捕食しようと通っているようです。 

カケスが冠羽を逆立てたり寝かせたりしているのは、どんな感情表現なのでしょうか? 
すぐ近く(左奥)の地上で採食していた別種の小鳥(種名不詳:アトリ科?)に対して警戒や苛立ちを示していたのかもしれません。 
混群にしては異色の組み合わせでした。 


シーン2:1/23・午後14:29・晴れ(@1:04〜) 
1時間45分後、カケスが再び戻ってきました。 
監視カメラの画面が急に振動したので、カメラを固定してある水平倒木に飛来した鳥が止まったようです。 
しばらく周囲を警戒してから鳥は地面に飛び降りたようで、画面の下端からカケスが登場しました。 
地面を啄んだり、嘴で落ち葉を跳ね上げたりして、餌を探しています。 
そこはまさしく、私がモリアオガエルの死骸を置いた地点でした。 
棚ぼたの成功体験に味をしめた(学習した)同一個体のカケスが、二匹目のドジョウならぬ二匹目のカエルを求めて同じ餌場に繰り返し戻ってきていたのでしょう。
この日だけカケスの登場頻度が普段よりも明らかに高かったです。 



※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

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