キボシアシナガバチ巣の定点観察@柳#2
(記事を書く順序を間違えてしまいました。)
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柳の枝先で初期巣を造るキボシアシナガバチ創設女王
2015年7月上旬・深夜23:11〜23:27
柳(樹種不詳)の枝先に営巣したキボシアシナガバチ(Polistes nipponensis)の初期巣を見つけてから3日後の夜、様子を見に行きました。
赤外線の暗視カメラで撮影すると、ワーカー♀(長女)が1匹羽化していました。
創設女王による単独営巣期を無事に乗り切り、一安心。
在巣の蜂は巣盤の死角に隠れていました。
天井部にもう1匹います。
1匹が育房点検に降りて来ました。
幼虫と口移しの栄養交換を行った、ように見えました。
巣盤中央部の育房はほとんど繭キャップで塞がれています。
巣盤下面から観察すると、外側の育房は作りかけで卵や幼虫が見えます。
暗視映像は白黒なので、創設女王とワーカーの区別ができません。
白色LEDを点灯すると蜂は翅を半開きにして警戒姿勢になりました。
複眼が黒い個体は羽化して間もない新ワーカーです。
巣柄にしがみついている別個体は複眼が褐色なので(若くない)、創設女王と判明しました。
暗視モードに戻すと、安心して育房の点検、身繕いや栄養交換を繰り返しています。
つづく→#3:夜のキボシアシナガバチは襲ってこない?【暗視映像】
2015年7月上旬
ハシボソガラス(Corvus corone)が電柱に止まっています。
電柱の天辺ではなく、登るための足場ボルトを止まり木にしていたのが珍しいと思いました。(初めて見たかもしれません。)
川を見下ろして鳴いています。
口の中が黒いので成鳥ですね。
羽繕いしてから飛び上がって電柱の天辺に移動しました。
すぐ横の電線にもう一羽止まっています。
今度の羽繕いでは足で肩の辺りを掻きました。
※ 逆光で撮った映像に自動色調補正処理を施してあります。
キボシアシナガバチ巣の定点観察@柳#5
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威嚇飛翔で巣を防衛するキボシアシナガバチ♀♂
2015年7月中旬
柳(樹種不詳)の枝先に営巣したキボシアシナガバチ(Polistes nipponensis)のコロニーで、未だ警戒体制が続いています。
興奮の最中、巣盤中央の♂(触角の先がカールしていて顔色が白い)が白っぽい液状の糞を2滴排泄しました。(@0:12)
その直前に育房内の老熟幼虫と栄養交換したように見えました。
次のシーンでも在巣の雄蜂に注目して下さい。
別の幼虫と栄養交換しています。(@0:25〜0:41)
しばらくすると、♂がなぜか短い扇風行動を始めました。(@1:38〜1:41)
その後は身繕いに余念がありません。
そして♂は脱糞しました。(@2:27)
巣を汚さないように配慮して、確実に巣の外に向かって排便しているようです。
幼虫と栄養交換した後は必ず脱糞するのでしょうか?
アシナガバチの糞は、同じく肉食であるクモの糞と似ていますね。
白いのは尿酸を含むせいです。
その間、巣盤中央に陣取る創設女王らしき♀が、周囲の個体に対してヒステリックに当たり散らしています。
その優位行動については記事を改めて書きます。
つづく→#6:巣からの排水行動