2022/07/06

境界標で日光浴する越冬明けのヒオドシチョウ

 

2022年4月下旬・午後16:25頃・晴れ 

河原の土手の草地に立てられた古い境界標に越冬明けのヒオドシチョウNymphalis xanthomelas japonica)が止まっていました。 
本種は成虫で越冬しますから、翅の縁がギザギザに破損しているのは長く厳しい冬を無事に生き延びた証です。 
境界標の側面上部に塗られた赤いペンキが剥げています。 

夕方の西日が当たる境界標の側面で翅を全開にしていました。 
口吻を注意してよく見たのですが、コンクリートの表面を舐めてはいません。 
したがって、ミネラル摂取ではなく、ただの日光浴なのでしょう。  
関連記事(7年前の撮影)▶ 日光浴する越冬明けのヒオドシチョウ
前足で触角をすばやく拭うと(@0:34)、境界標の側面を歩いて登り、境界標の上縁に達しました。 
太陽光に正対するように方向転換したのかと思いきや、蝶の影の面積はさほど減っていません。 

やがて、準備運動なしで急に飛び去りました。 
蝶を怖がらせないように私が動かずに佇んでいると、ヒオドシチョウはしばらく辺りを往復してから、同じ境界標に舞い戻りました。 
もしかすると、縄張り占有行動なのでしょうか? 
飛び立つ直前に別種のチョウなど縄張りへの侵入者(領空侵犯)があったかどうか、撮影に集中していた私は気づきませんでした。 

お気に入りの境界標の側面に今度は下向きで止まりました。 
もう体温が充分に上がった(暑くなった)ようで、翅を閉じてしまいました。 
翅裏は地味ですけど、人工物のコンクリートに対して保護色にはなっていません。
(樹木の幹に止まれば見事な保護色になるはずです。)

フィールドガイド日本のチョウ』でヒオドシチョウについて調べると、
越冬後は、山頂や稜線でよく見られ、♂は見晴らしのよい場所で占有行動をとる。 
【食草】エノキ、ハルニレ(ニレ科)、エゾヤナギ、シロヤナギ、シダレヤナギ(ヤナギ科)など。(p225より引用)
今回の撮影地は平地の川沿いですから、図鑑の記述とは少し違います。 
ヤナギ科の植物もヒオドシチョウ幼虫の食草であることをすっかり忘れていました。 
それなら川沿いで成虫が見られたのも納得です。
関連記事(8年前の撮影)▶ 群れで柳の葉を食すヒオドシチョウの幼虫

境界標の上部は確かに見晴らしの良いポイントなので、ヒオドシチョウ♂が♀を待ち構えている縄張り占有行動なのかな? 
腹部の太さでヒオドシチョウの性別を見分けるそうなのですが、私には自信を持って決められません。 
境界標の近辺に食樹も生えてなければ蜜源植物も咲いてないのに、ヒオドシチョウ♀が飛来するあてはあるのでしょうか?



2022/07/05

動物の死骸を運んで逃げるハシボソガラス(野鳥)

 

2021年9月下旬・午後14:00頃・晴れ

山麓の農村部で廃屋の庭にあるケヤキ樹上にハシボソガラスCorvus corone)が止まっています。 
何か動物の腐乱死骸を嘴に咥えているようなので私がカメラを向けると、途端にカラスは警戒して枝葉の陰に隠れてしまいました。 
私としてはカラスの屍肉食を咎めているつもりは全くないのに、カラスは死骸を持って飛び去ってしまいました。 

慌てて追いかけると、ハシボソガラスは近くのカキノキに止まり直していました。 
柿の実が橙色に色づき始めています。 
カラスはまたもや私の目を恐れているようで、餌を咥えたまま枝から枝へピョンピョン跳んで枝葉の陰に隠れようとします。 
これほど警戒するということは、近所の農家のヒトと普段からよほど敵対的な関係にあるのではないかと疑ってしまいます。 
私としては死骸の正体をなんとか突き止めたいのですが、手前の電線も邪魔でカラスにピントが合わず、フラストレーションが溜まります。 

死骸を咥えたままカキノキ樹上から再び飛び立つと、今度は少し離れたビニールハウスの骨組の梁に着地しました。 
しつこいパパラッチから離れたカラスはようやく落ち着いたようで、屍肉を啄み始めました。 
今度は手前の灌木が邪魔でカラスにピントが合いません…。 
(映像はここまで) 
もっと見通しの良い撮影アングルを求めて私が横に少し移動したり近付こうとしたら、完全に逃げられてしまいました。 

逃げ回るカラスを1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみても、死骸の正体は分からず仕舞いで残念でした。 
車に轢かれたロードキルではないかと思うのですが、野ネズミなのか子猫あるいはタヌキなのか…?

2022/07/04

雨夜の河畔林で跳ね回る夏毛のニホンノウサギ【暗視映像:トレイルカメラ】

前回の記事:▶ 雪の減った晩冬の河畔林で夜跳ね回るニホンノウサギ【トレイルカメラ:暗視映像】
2022年4月下旬〜5月中旬

河畔林に出没する野生動物をトレイルカメラで記録しています。 
雪はもうすっかり融けました。
たまにやって来るニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)が純白の冬毛から夏毛に変わりました。
関連記事(9年前の撮影)▶ 夏毛のニホンノウサギと山道で遭遇

シーン1:5/13・午前1:46・小雨 

雨がポツポツと降る夜に、謎の獣がニセアカシア立木の奥を左へ歩き去りました。(赤い矢印の示す位置に注目) 
カメラの起動が遅れて全身像が写っていません。 
戻って来た獣はニホンノウサギでした。 
赤外線の暗視映像でノウサギの夏毛は黒っぽく写ります。 
タヌキの溜め糞場rvを走って横切りました。 
同一個体(?)がすぐにまた引き返してきて、カメラの前を逆に横切りました。 
どうして雨夜の林床を慌てて右往左往しているのか分かりません。 
肉食獣やフクロウなどの捕食者に追いかけられているのかな?
もしかして、2頭が追いかけっこしているのでしょうか? 
一瞬の記録を1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 


シーン2:4/29・午前3:38・晴れ 
ノウサギらしき小動物が、立木の奥を左から右へ跳んで移動しています。(赤い矢印の示す位置に注目) 
耳が長いのでノウサギでしょう。 


シーン3:5/2・午後19:57・晴れ 
ニホンノウサギが立木の奥を右から左へピョンピョン徘徊しています。(赤い矢印の示す位置に注目) 


シーン2、3はノウサギの姿がしっかり写っていませんし、晴れた夜に撮れたおまけの映像なので、時系列が前後しました。 




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