2019/05/31

池の水面で求愛・交尾するカルガモ♀♂【冬の野鳥】



2018年12月下旬

池の岸で羽繕いしているカワウを撮影していたら、背後の水面でカルガモAnas zonorhyncha)の♀♂カップルがいちゃつき始めました。
画面の左上角にご注目。

向かい合った♀♂ペアがお辞儀(首を上下に伸縮)を交互に繰り返しています。
これが求愛行動のようです。

左に居た個体♂が♀の背後に回り込むとマウントし、交尾に成功しました。
♂を背負った♀は、ほぼ水没してしまい、辛うじて頭だけが水面に浮いている状態です。
慌ててカルガモにピントを合わせたものの、時すでに遅し。
交尾は数秒で終わり、♀♂ペアは別れました。
この間、カルガモの鳴き声は何も聞き取れませんでした。


※ いつものように動画編集時に手ブレ補正すると副作用で却って不自然な映像になったので、今回はそのままお届けします。



八木力『冬鳥の行動記:Ethology of Wild Ducks』を紐解いてカモ類の交尾行動を調べると、

 交尾には♀との合意が必要なので、♂が♀に近づきながら頭部を上下させるヘッドトッシングを行なって交尾を促し、これに♀が同調して頭部を上下させれば同意の合図。
 ♀は交尾受け入れの姿勢をとります。♂は♀の後頭部をくわえてマウンティング。
 交尾終了後、♀は必ず(儀式的水浴びと)転移性羽ばたきを行ない、♂はまれに行なうことがあります。 (p58より引用)

抜粋部の前の章に書いてあった求愛行動についての解説を読むと、どうやら今回は、求愛行動の前半と交尾後の行動を見逃してしまったようです。
カルガモの配偶行動は冬に行われると知ったので、次こそは一部始終をしっかり動画に記録しようと心に決めました。
しかし意気込んで水辺に通っても、残念ながらこの冬は物に出来ませんでした。
ごくありふれた普通種の留鳥なのに、なかなか手強いです…。


【追記】
1年後、川で交尾するカルガモをじっくり観察することが出来ました。

▼関連記事(1年後の撮影@川面)
カルガモ♀♂の求愛・交尾行動(冬の野鳥)


カルガモ♀♂(野鳥)@池水面+交尾
カルガモ♀♂(野鳥)@池水面+交尾

食べ残した獲物を住居網の入口で捕食するクサグモ(蜘蛛)



2018年7月上旬
▼前回の記事
棚網に給餌したセマダラコガネを襲うクサグモ(蜘蛛)

農道と用水路の間に生えたタケニグサの群落に棚網を張ったクサグモAgelena silvatica)が筒状住居網の入口でじっとしていました。
私のせいで初めは警戒(緊張)しているようでしたが、しばらくすると警戒を解いて食餌を再開してくれました。
黒い虫の死骸を拾い上げると、触肢で獲物をクルクルと回しながら噛んで体外消化しています。
獲物はアブの仲間ですかね?

非粘着性の糸で密に編まれた棚網には雨の水滴があちこちに残っています。
クモが水を飲むシーンを野外で観察してみたいものです。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


クサグモ(蜘蛛)@棚網:住居入口
クサグモ(蜘蛛)@棚網:住居入口
クサグモ(蜘蛛)@棚網:住居入口+食べ残し捕食

2019/05/30

ダイサギとカワウが集団就塒する定点映像を早回しにしてみる【10倍速映像】(野鳥)



2018年11月上旬・午後16:39〜17:15(日の入り時刻は16:34)


▼前回の記事
ダイサギとカワウが河畔林に続々と塒入りする定点映像(野鳥)

ダイサギArdea alba)とカワウPhalacrocorax carbo hanedae)の群れが河畔林に続々と塒入りする様子を10倍速にした早回し映像をご覧下さい。
長撮りした素材を早回しにすると、二種の水鳥の時間的な就塒パターンや塒内での離合集散も分かりやすくなると思います。
あいにくの曇り空ですが、西の空を雲が流れる様子も可視化されます。

シリーズ完。


残るテーマは、朝に(夜明けと共に?)集団塒から飛び立つシーン(離塒)の撮影です。
(同じ場所から同じアングルで撮れば、朝日に対しては順光になるはず。)
前日から現地で一晩野営する必要があり、ちょっと大変です。
寒ささえ凌げれば絶好の撮影チャンスなのです。
秋から冬にかけては、河原で野宿してもヤブ蚊に刺されたり、恐ろしいツツガムシ病に感染する心配もありません。



しかし防寒など諸々の装備が整わず、残念ながら今季は実現できませんでした。
ようやく早春になってから現場を再訪すると、落葉した河畔林は塒としてはもう使われていないようでした。
完全に落葉した初冬の時点で、塒の場所を変えてしまった可能性もありそうです。


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