2023/03/31

秋の夜にスギ林道の溜め糞場に通うホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年9月下旬〜10月上旬

里山のスギ林道にある溜め糞場sに通ってくるホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の記録です。

シーン1:9/27・午前3:51・気温16℃ 
深夜に林道を右からゆっくり登場したのは「フサ尾」でした。 
自分たちの溜め糞場sの匂いを嗅ぐと、なぜか大きく迂回しながら左に立ち去りました。 

 2分50秒後に再び「フサ尾」が左から戻って来ました。 
同一個体と考えてよいのか、いまいち自信がありません。 
「フサ尾」というのは正常な尻尾というだけの意味で、複数個体いることが分かっています。
対面に見えるスギ大木の根本の匂いを嗅いだだけで素通りし、右へ立ち去りました。 
アナグマの溜め糞やマーキング跡に対して、特に何も反応を示しませんでした。 

1分10秒後に同一個体?の「フサ尾」が右から戻って来ました。 
溜め糞場sを素通りして左へ行きました。 

結局、この日現れたタヌキは、林道を右往左往したものの溜め糞場で排便しませんでした。 
自分たちの溜め糞場の位置を忘れて探してるのかな? 
記憶に頼らずとも、匂いで分かると思うのですが…。
何者か(ヒトに限らずアナグマとか)が忌避物質を撒いたのなら、監視カメラに記録されているはずです。
それとも、監視カメラが長期間設置された溜め糞場にタヌキはすっかり嫌気が差したのでしょうか? 


シーン2:9/29・午後17:50・気温18℃ (@0:52〜) 
2日後の日没直後に「フサ尾」が林道を右から登場。 
ちなみに、日の入り時刻は午後17:29です。 
自分たちの溜め糞場sの匂いを嗅いだだけで、迂回しながら左へ立ち去りました。 
今回も排便しませんでした。 


シーン3:10/3・午前4:06・気温15℃ (@1:11〜) 
4日後の未明に「フサ尾」のタヌキが右から歩いて登場。 
自分たちの溜め糞場sの匂いを嗅ぎ回り、腰を下ろすと左を向いたまま(北向き)排便しました。 
やや硬目の糞を排泄した後は、元気に左へ走り去りました。 
久しぶりにこの溜め糞場sで排便してくれたので、安心しました。

ところで、タヌキが用を足している間に、キョロロロ…♪というアカショウビン♂(Halcyon coromanda major)の鳴き声のような、尻下がりの音階の声が真夜中の森に何度も響くのが気になりました。(@1:21〜) 
動画の音量を最大に上げると、かすかに聞き取れます。 
アカショウビン♂の囀りさえずりのように澄んだ鳴き声ではなく、濁っていました。 
しかもアカショウビンは夏鳥なので、この時期はもうとっくに南国へ渡去してるはずです。 
この鳴き声の主は何者なのでしょう? 
ご存知の方は教えてください。 
まさかタヌキがこんな鳴き声を発しませんよね?
日の出まであと1時間半もあります。 
ちなみに日の出時刻は午前5:33。 


溜め糞上でキバネクロバエ?狩りに失敗し、互いに縄張り争いをするサビハネカクシ

 



2022年9月下旬・午後13:50頃・晴れ 

里山の急斜面を直登する細い山道が廃れて、藪に覆われた獣道になっています。 
その廃道に新旧の下痢便が点々と2箇所にまとめて残されていました。(溜め糞場w) 
今回はホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が残した溜め糞と思われる、もう一つの糞塊に注目します。 
やや古い(乾いた)糞塊上で2匹のサビハネカクシOntholestes gracilis)が尻尾をくねらせながら、互いに追いかけあっていました。 
大小の体格差があるのは、幼虫期の栄養状態を反映した個体差なのか、それとも性差なのか、どちらでしょう? 
出会い頭につっかかるように突進(攻撃・牽制?)しています。 
最後は体格の大きな個体が小さな個体を追い払いました。 
同種ですら獲物と認識しているというよりも、どうやら狩場を巡る占有行動のようです。 
以前の観察では、小さい個体が大きい個体を追い払ったので、単純に体長で勝敗が決まるとは言えません。
関連記事(1年前の撮影)▶ タヌキの溜め糞上でハエを襲うサビハネカクシ同士が出会うと…?

その間、おそらくキバネクロバエMesembrina resplendens)と思われる1匹のハエが溜め糞で吸汁していました。 
サビハネカクシが襲いかかっても、敏捷性に優れるキバネクロバエ?は易々と攻撃を交わし、素早く飛んで逃げました。 
獣糞に来るハエをすべて追い払ってしまうと産卵してくれませんから、獲物として捕食しやすいウジ虫が増えるように、ある程度は見逃してやる必要がありそうです。
肉食性のサビハネカクシが狩りに成功するシーンを私は未だ観察できていません。

ところで、撮影中に周囲で聞き慣れないカエルの鳴き声♪がするのですが、何ガエルですかね?
虫が逃げてしまった後のタヌキ?溜め糞場w

2023/03/30

ニホンイノシシのヌタ場を探せ(3)林道の水溜りで泥浴びせずマーキングしたカラマツも素通り【トレイルカメラ×2:暗視映像】

 


2022年10月上旬・午後19:00頃

里山の林道で常に水溜りができている区間があり、イノシシが泥浴び(ヌタ打ち)するヌタ場ではないかと予想した私はトレイルカメラで見張っています。 


シーン1:9/26 
明るい日中に撮れた現場の様子です。 
画面の右端に水溜りの泥濘が黒々と写っています。 
ミゾソバなど湿地帯を好む下草が林道全面を覆い尽くしています。 


シーン2:10/4 (@0:04〜)
待ちわびたニホンイノシシ♀(Sus scrofa leucomystax)が遂に夜の林道を歩いて左から登場しました。 
水たまりの手前で立ち止まったのに、なぜか泥浴びをしてくれませんでした。 
ヌタ打ちするには水深が浅過ぎるのでしょうか? 
左に曲がると、林道横の法面を登って行きました。 

斜面の途中のシナノキに固定した別のトレイルカメラに同一個体の動向が引き続き記録されていました。 
獣道の途中でカラマツの幹でイノシシが体を擦り付けたり牙を研いだりするのではないかと予想して監視していたのです。 
(泥汚れの付いた樹種をアカマツと長らく思い込んでいたのですが、最近カラマツだと分かったので訂正します。) 
口元に牙が見えない(短い)ので、おそらく♀と思われます。 
斜め上から見下ろすアングルでは、乳首の有無が確認できませんでした。 
成獣♀なら、なぜ幼獣を連れていないのでしょうか?  
もう子別れした後なのかな? 

残念ながらカメラを設置した画角に失敗していて、立ち止まったイノシシ♀がカラマツの木の下で何をしたのかどうか写っていませんでした。(痛恨のミス…)
現場でカメラの液晶モニターを見ながら画角を決めても、最後にワイヤーロックで固定する際に向きがズレがちなのです。
音量を上げてもイノシシの鼻息♪が聞こえるだけで、カラマツに体をゴシゴシと擦り付けているような物音は録音されていませんでした。
おそらく素通りしたのではないか、と考えています。 


シーン3:9/26
明るい昼間に撮れた泥カラマツ下の現場の様子です。
画面の右上隅がカラマツの根元です。


当地では幸か不幸かイノシシの生息数がまだ少ないようで、トレイルカメラを設置してもなかなか写りません。 
撮影効率があまりにも悪くて、調査が遅々として捗りません。 
イノシシのヌタ場だと思った水溜りは、どうやら私の見当違いだったかもしれません。
(絶対にヌタ場だと思ったのはヌカ喜びで、本命のヌタ場は別にある?)
秋になって気温が下がると、泥浴びする頻度が下がるのかな?


豚熱というウイルス性疾患の全国的な流行で野生イノシシの生息数が激減しているらしい、と報じたニュースを最近知りました。 
ジビエとしてイノシシを狩る猟師は困っているのだそうです。 
山形県内の野生イノシシにも影響が出ているのかどうかは知りません。
隣の福島県までは豚熱で死んだイノシシが報告されていました。
私は山中でイノシシの病死体を見つけたこともありません。





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