▼前回の記事
夕方の川から飛び立つコハクチョウのペア(冬の野鳥)
コハクチョウの塒入り#2
2016年11月上旬・午後16:35~16:47
下流側から番(つがい)と思しき2羽のコハクチョウ(Cygnus columbianus)が並んで飛んで来ると、ほぼ同時に川面に着水しました。
両足の水かきを拡げて水面との抵抗でブレーキをかけます。
第一陣の塒入りがちょうど日の入り時刻(午後16:35)である点が興味深く思いました。
塒の川に着いたコハクチョウは、すぐに水を何度も飲み始めました。
上空は空気が乾燥していたのか、あるいは激しい飛翔運動でかなり喉が渇いたようです。
熟練した白鳥の研究者は、群れから個体識別ができるのだそうです。
『日本動物大百科3:鳥類I』p64に「図C:コハクチョウのくちばしの模様による個体識別の一例」がイラストで描かれていました。
映像を見直すと、ペアのうち一羽の嘴の根元が灰色で黄色い部分が少なかったです。
先ほど飛び立った番が川の上空を旋回しただけですぐにまた戻って来たのかと思ったのですが、嘴を見比べると明らかに別の番でした。
羽繕いしながら川面を移動しています。
嵯峨悌二氏による写真集『白鳥 (クォークスペシャル) 』によると、
・水を飲むときは、水面にくちばしをつけて水をすする。それから頭をもたげると、喉に水が流れ落ちていく。(p52より)
嶋田哲郎『ハクチョウ 水べに生きる』によると、
渡ってきたばかりのハクチョウは、何回も水をすくって飲みます。水を飲みこむときにのどがくねくね動きます。 (p4より引用)
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
つづく→#3:川に塒入りするコハクチョウ(冬の野鳥)第二陣
2017年4月上旬
平地の街中で冬鳥のジョウビタキ♂(Phoenicurus auroreus)が未だ冬芽の樹上に止まっていました。
お辞儀をする度に尾羽をビリビリと上下に揺する様子が独特です。
カメラの操作ミスで撮り始めるまでにもたついてしまいました。
ジョギングの学生集団が通りかかると、ジョウビタキは飛んで逃げて行きました。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
2016年11月上旬・午後16:26
コハクチョウの塒入り#1
白鳥の塒入りを見ようと夕方の川にやって来ました。
川に居たのは、おそらく番(つがい)と思われる2羽のコハクチョウ(Cygnus columbianus)だけでした。
川面を並んで泳ぎながら首を上下に動かし、小声で鳴き交わしています。
一旦、下流へ向かいました。
鳴き声が次第に大きくなり、気分を高めているようです。
1羽がちょっとだけ羽繕い。
更に下流へ移動し充分な助走距離を確保すると、2羽揃って羽ばたきながら川面を上流へ走り出しました。
せっかく流し撮りしたのに、残念ながら葦原の死角になってしまい、肝心の離陸シーンは撮れませんでした。
体重の重い白鳥は助走しないとすぐには飛び立つことができません。
この辺りは川が真っ直ぐ緩やかに流れているので、離着陸する滑走路として最適なのでしょう。
川の手前にいたカルガモも白鳥の迫力につられて(驚いて?)群れの一部が飛び立ちました。
ここは白鳥の集団塒のはずなのに、日没近くの時間帯に一体どこに飛んで行ったのでしょうか。
この番の塒はまた別な場所にあるのかな?
以下は私の想像ですが、この番は昼間もこの川に居残って採食していた例外的な個体なのかもしれません。
白鳥は通常、昼間は川を離れて田んぼ等で採食すると言われています。
日が暮れて塒入りの時間が近づくと一旦川を離れてから、群れの仲間と一緒に改めてここへ戻ってくるのではないか?と想像しました。
水鳥に給餌しようと川に来る人もいるので白鳥も人馴れしています。
また、このペアが川で羽繕いしたり水を飲んだりする様子をそれまで長々と動画に撮っていたので、私の存在に警戒して逃げてしまったのではないと思います。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
つづく→#2:塒入りしたコハクチョウが着水後に水を飲み羽繕い(冬の野鳥)
【追記】
『しぜんのせかい10:はくちょう』によると、
・ハクチョウは飛び立つ時、小鳥のようにすぐには飛び立てません。飛行機のように風上に向かって助走して飛び立ちます。(p18より)
・ハクチョウの鳴き声は大きく「コホー、コホー」と鳴きます。飛ぶ時には「コッ、コッ」と短く鳴くこともあります。(p22)
【追記2】
嶋田哲郎『ハクチョウ 水べに生きる』によると、
・ハクチョウの飛びたつ瞬間。重い体を持ち上げるためには助走が必要です。30mほど水面をけりながら助走した後、フワッと浮かびます。 (p8より引用)
・体重は♂で10kgほど、♀は♂よりも少し軽く9kgほどです。 (オオハクチョウのことかコハクチョウのことか明記されず)