2025/01/18

根返りスギの根元で採食するウソ♀♂【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 

2024年2月中旬・午後13:00頃・晴れ 

平地のスギ防風林で、画面の手前から奥に向かって根こそぎ風倒した根返りスギの根元に掘られた「根曲がり巣穴」をトレイルカメラで見張っています。 
画面の左下隅にその巣口が写っています。 
この巣穴aにはニホンイタチMustela itatsi)が越冬しているらしいことが分かっているのですが、最近は姿を見かけません。 
今季は異常な暖冬で積雪量が少なく、だいぶ溶けてしまいました。

昼下がりにウソ♂(Pyrrhula pyrrhula)が登場して、地上採食していました。 
この地点で冬鳥のウソは初見です。 
ウソをトレイルカメラで撮れたこと自体が初めてです。 

ウソの歩行は、ホッピングではなくウォーキングで地上を移動します。 
露出した地面や残雪の表面を啄んでいるのは、植物の細かい種子が散乱しているのでしょう。 
根返りスギの根っこに付いた土を嘴でつついているのは、そこで休眠越冬する昆虫が多い(オサムシなど)ことをウソも経験から知っているようです。 
耳を澄ますとチッチッ♪と小声で鳴いていました。 

最後に画面の左下から別個体♀が現れました。(@0:52〜) 
この2羽は♀♂つがいなのかな? 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


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2025/01/17

厳冬期の雪山で夜に活動する冬毛のホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年2月中旬・午前4:40・気温-2℃ 

雪山でスギの木の下に残されたニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr1をトレイルカメラで見張っていると、 夜明け前にホンドテンMartes melampus melampus)が久しぶりに登場しました。 
左手前から来てスギの背後に回り込みかけたものの、左奥へ立ち去りました。 
タヌキと違ってテンはカモシカの溜め糞場sr1には全く無関心で素通りしています。
テンが歩いても足跡が残らないということは、雪面は凍結しているようです。


画面の手前から奥に向かって斜面を見上げているアングルです。 
スギ林の雪面にはスギの落葉落枝が散乱しています。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 

せっかくトレイルカメラを旧機種から新機種に交換したのに、そして電池の残量は充分なのに、これ以降は月末2/29まで16日間も一切何も撮れなくなりました。 
トレイルカメラが活動限界になるほど過酷な低温環境なのか、それとも野生動物の往来が本当に途絶えてしまったのかもしれません。
厳冬期はトレイルカメラや乾電池を常に温めておきたいのですが、それにも電力を使うとなると、悪循環です。
ソーラーパネルと大容量のバッテリーを導入すべきかもしれませんが、ここは常緑のスギ林の中なので、晴れても日照不足が問題になりそうです。

ホンドタヌキの溜め糞に群がる虫たちの活動【10倍速映像】

 



2023年5月下旬・午前11:30〜午後13:10頃・ 

平地のスギ防風林に残されたホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の大きな溜め糞場wbc1を定点観察しています。 
実際ここに複数個体のタヌキが代わる代わる通って排便していることをトレイルカメラで確認済みです。 

多種多様な食糞性の昆虫(および捕食者)が糞塊に群がっています。 
私が横に立っている間は警戒して隠れてしまう虫もいるので、三脚を立てて微速度撮影で長撮りしてみました。 
(その間、私は現場を離れていました。) 
鬱蒼としたスギ林の林床は、晴れた昼間でもかなり薄暗いので、予めカメラの設定でゲインを上げてから撮影します。 
「うんちレストラン」に集まる魑魅魍魎が正午前後(1時間40分間)に活動する様子を10倍速の早送り映像でご覧ください。 

最も目についたのは、クロボシヒラタシデムシOiceoptoma nigropunctatum)の成虫および幼虫です。 
多数の成虫が溜め糞上で活発に徘徊し、配偶行動(求愛および交尾)を繰り広げていました。 
その恋愛ドラマだけ注目しても、交尾(マウント)中の♀♂ペアにあぶれ♂がしつこく横恋慕したりして、なかなか面白いです。 
♂は♀の産卵まで交尾後ガード(配偶者ガード)しているのかもしれません。 
クロボシヒラタシデムシの幼虫は三葉虫のような形ですが、幼虫よりも成虫の方が動きが素早い(歩行速度が早い)です。 


途中から1匹のヨツボシモンシデムシNicrophorus quadripunctatus)が糞塊の中央部から表面に現れて徘徊を始めました。(@6:03〜) 
最後はタヌキの溜め糞場wbcから離れて行きました。 
もしかして産卵を済ませた♀なのかな? 


糞塊を時計盤と見立てたときに、3時の位置から青紫色の金属光沢があるセンチコガネPhelotrupes laevistriatus)が1匹、溜め糞の表面に顔を出てました。(@1:51〜) 
幼虫の餌として自分の巣穴にタヌキの糞を搬入するかと思いきや、すぐに奥へ引っ込んでしまいました。 
その後もときどき巣口に出入りしているものの、頭隠して尻隠さずの状態です。 
どうやら巣穴を奥に掘り広げているようです。 
周囲を徘徊する他の虫たちも、隙あらばセンチコガネの巣穴に潜り込もうとしています。(穴があったら入りたい) 


ハネカクシ類の成虫も溜め糞上をうろついていますが、肉食性で動きが素早いために、早回し映像では分かりにくいです。 
アカバトガリオオズハネカクシ(旧名アカバハネカクシPlatydracus brevicornis)かな? 


食糞性のハエ類は、メタリックな青色や緑色に輝くキンバエ類が少数ながらも来ていました。 
地味なハエ(ニクバエの仲間?)は種類を見分けられませんでした。 
他には微小なハエが多数、溜め糞上で翅を開閉誇示しています。 
溜め糞に産み付けられたハエの卵から孵化した幼虫(蛆虫)が多数、蠢いているはずですが、この映像では小さくてよく見えません。 
ウジ虫は油断していると、ハネカクシの成虫に捕食されてしまいます。 

ときどき黄色のハエが溜め糞の上を低空で飛び回っていますが、糞塊に着陸することはありません。 
ベッコウバエかもしれませんが、おそらくキイロコウカアブPtecticus aurifer)でしょう。 


微小なアリ(種名不詳)も集まっていました。 


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