2023/02/26

スギ林道でクルミの実を運ぶニホンリス【トレイルカメラ】

 



2022年9月中旬・午前

里山のスギ林道に設置した監視カメラに写ったニホンリスSciurus lis)の記録です。 
秋の晴れた午前中に活動していました。 
リスは林道上を駆け回ってもタヌキとアナグマの溜め糞場sには興味を示さず、ひたすら己の採餌行動に励んでいるようです。 


シーン1:9/15・午前10:25・気温22℃・晴れ 
林道の左から右にピョンピョン跳びはねるように走り去りました。 


シーン2:9/15・午前10:29・気温23℃ (@0:11〜) 
5分後にリスが再び現れ、画面左下隅を右下方向に走り去りました。 


シーン3:9/18・午前7:20・気温22℃・晴れ (@0:21〜) 
3日後の朝にもリスが登場しました。 
林道を横断して手前に駆け抜けました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみると、口に何か黒っぽくて丸い物体を咥えていました。(@1:08〜1:14) 
どうやら近くに自生するオニグルミの大木から果実(堅果)を運搬している途中だったようです。 

リスがクルミを運ぶシーンがトレイルカメラに写ったのは、これで2回目です。
関連記事(3週間前に別の地点で撮影)▶ 夏の朝にクルミの実を運ぶニホンリス【トレイルカメラ】


シーン4:9/18・午前7:23・気温23℃ (@0:27〜) 
2分後にリスが再登場。 
画面の右端で、リスがスギの落ち葉の下に顔をつっこんでから、すぐに右へ走り去りました。 
スギ林の林床でリスが餌を探すとは考えにくいです。 
後ろ姿でよく分かりませんが、まさか先程運んでいたクルミをスギ落ち葉の下に隠した(貯食)のかな? 

女王と一緒に引越しするクロオオアリ♀の群れ

 

2022年9月中旬・午後13:15頃・くもり 

里山の尾根道でクロオオアリCamponotus japonicus)の行列を見つけました。 
クロオオアリは地中営巣性で、この尾根道にも巣穴があるのを昔観察しています。 

関連記事(9年前の撮影)▶
  
行列の中に巨大な女王アリが1匹混じっていたので、コロニーごと新しい巣へ引っ越し中なのだと気づきました。 
周りの働きアリ(ワーカー♀)は女王の護衛と思われますが、特に大型の兵アリ(ソルジャー♀)ではなさそうです。
女王アリも自分の足で歩いていますが、護衛から離れて行列の端を歩きたがるので、見ていてハラハラします。 

クロオオアリの引っ越しは初見です。
秋に引っ越しする(ことがある)とは知りませんでした。
クロオオアリの生活史でコロニーがミツバチのように分蜂(巣別れ)するという話は聞いたことがないので、何か不慮の災害で引っ越しを余儀なくされたのではないかと思います。 
前日の雨で巣内に浸水したのか?と疑ったものの、尾根道の地面は乾いていました。 
観察時は曇り空で、蒸し暑い午後でした。 
クマなどアリを食べる捕食者に巣を壊されたのかな?

引っ越しにしては、白い卵や幼虫、繭などを大顎で咥えて運ぶワーカー♀個体が見当たりません。 
若い成虫を口に咥えて運ぶ様子(adult transport)が冒頭でちらっと写ったのに(@0:00〜0:05)、撮影中は気が急いて(後述)見落としていました。 
好蟻性昆虫(アリの巣の居候)も一緒に引っ越しするはずですが、短い観察では見つけられませんでした。 
千載一遇の機会なのに、女王アリが新しい巣に辿り着くまでじっくり見届けることができませんでした。 
私の背後から遠足に来た小学生の集団が賑やかに近づいてくる声がしました。
細い尾根道に私が居座っていると通行の妨げになりますし、観察を諦めて泣く泣く現場を離れました。
女王アリごと一網打尽に採集すれば、コロニー全体を飼育できたかもしれません。 


クロオオアリの生活史をまとめた集英社カラーサイエンス (4)『クロオオアリ』という本を見返しても、引っ越しについては書いてませんでした。
「クロオオアリの引っ越し」でネット検索してみると、千葉県立中央博物館サイト内の記事がヒットしました。
「2009/05/08(金)」と記してある日付が記事の公開日なのか観察日なのか、重要なので明記して欲しいです。
校庭を歩いていたら、クロオオアリが巣を引っ越ししていた。巣と巣の間は約8m。(中略)アリ達をよくみたら、写真のようにアリをくわえて運んでいるものが結構いることに気がついた。これがアダルトトランスポートだ。くわえられたアリはおとなしく体を曲げて、巣口近くか巣へ入るまで、運んでくれているアリに身を任せていた。

アリ屋のトップランナー、大御所である「ありんこ日記 AntRoom」ブログの記事もヒットしました。
これは飼育下での観察記録です。
女王アリは大きくて持ち上げることはできないので、このようにアゴを咥えて引っ張ります。
しばらく引っ張られると、引っ越しが始まったことを知り、女王アリは自ら歩いて新居へ向かうのです。
 
左端に見切れているのは私の長靴の爪先

2023/02/25

スギ林道の溜め糞場に通う「フサ尾」のホンドタヌキは複数居た【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2022年9月上旬 

里山のスギ林道にある溜め糞場sに通うホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の定点観察記録です。 
深夜に2晩連続で「フサ尾」が登場しました。 

シーン1:9/3・午前2:25頃・気温22℃ 
「フサ尾」の個体が林道を歩いて右から登場しました。 
実は7分前に「垂れ尾」が来て溜め糞場sに排便したのですけど、もしかしてペアで行動しているのでしょうか? 
それにしては間隔が開き過ぎのような気もします。 
「フサ尾」は自分たちの溜め糞場の匂いを嗅いただけで左へ通り過ぎました。 
アナグマの溜め糞がある所には立ち寄りませんでした。 

1分15秒後、更に別個体の「フサ尾」が右から登場し、カメラ目線で立ち止まっています。 
私が便宜的に「フサ尾」と名付けたのは、「垂れ尾」とは違うという意味のいわゆる正常個体ですから、「フサ尾」が複数居ても不思議ではありません。
何か他の特徴で個体識別しないといけません。 

トレイルカメラの存在を警戒しつつ、この個体も足早に溜め糞場を左へ通り過ぎました。 



シーン2:9/4・午前3:36・気温20℃ (@0:32〜) 
翌日は雨が降る中をフサ尾のタヌキが珍しく林道を左からやって来ました。 
対面にあるスギ大木の根元や下草の匂いを嗅ぎました。 
最近ニホンアナグマMeles anakuma)はこの溜め糞場sに来てないはずなのに、スクワットマーキングした残り香があるのかな? 
今回は自分たちの溜め糞には興味を示さずに素通りしました。 

そのまま右へ立ち去る直前に立ち止まって身震いし、雨で濡れた毛皮の水気を振り落としました。 


タヌキを個体識別できるようになりたくて垂れ尾とフサ尾で動画を別々に切り分けたのですが、単純に時系列順にまとめた方が良かったかもしれません。
色々と試行錯誤しないと分かりません。



ランダムに記事を読む