2024/03/08

ニホンアナグマ母子が転出した空き巣穴に夜な夜な忍び込んで内見するホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年6月下旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)の母子がどこか別の巣穴に転出すると、それまで使われていた営巣地(セット)にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が夜な夜な侵入するようになりました。 
これまでよりも出現頻度が上がっています。 
アナグマが子育てしている間は特に♀が殺気立っているので、近所のタヌキも遠慮してセットには近寄らないようにしていたのでしょう。
あるいは、アナグマがあちこちに尿による縄張りマーキングを繰り返すことで、まるで結界を張ったように有効だったのでしょう。 
嗅覚の鋭いタヌキは、アナグマの匂いが巣口周辺で日に日に薄れていることを敏感に嗅ぎ取り、日に日に大胆に振る舞うようになっています。 


シーン1:6/26・午前3:22・気温15℃(@0:00〜) 
タヌキが暗い夜にアナグマの営巣地に来たのは、これが初めてです。 
これまでタヌキは明るい日中または薄明薄暮の時間帯にこっそり訪れていて、アナグマの活動が活発になる夜には決して現れませんでした。 
夜は営巣地(セット)に近づこうとするタヌキを巣穴の主であるアナグマが(吠え立てながら?)積極的に追い払っていたのかもしれません。 

深夜未明に現れたタヌキは、左の巣口Lへ真っ直ぐ向かい、そのまま迷いなく巣L内に侵入しました。 

まさに「同じ穴のむじな」という諺通りです。 
アナグマの空き巣をタヌキがこのまま乗っ取るのかな? 


シーン2:6/26・午前3:22・気温16℃(@0:25〜) 
別アングルのトレイルカメラでも、タヌキの巣穴L侵入シーンがしっかり撮れていました。 
しかしカメラの設置アングルがいまいちで、手前の巣口Lがしっかり写っていません。 


シーン3:6/26・午前3:24・(@0:25〜) 
カメラの起動が遅れてしまいましたが、1分20秒後に右へ立ち去るタヌキの後ろ姿が写っていました。 
タヌキは巣穴Lに居座ったり乗っ取ったりしないで、内見しただけで帰ったようです。 


シーン4:6/27・午前0:36・気温19℃(@0:45〜) 
翌日の深夜にもタヌキがアナグマの旧営巣地にやって来ました。 
巣口Rを覗き込んでから、蚊にでも刺されたのか右の脇腹を舐めて毛繕いしています。 
今宵は奥の巣穴Rへ慎重に潜り込みました。

アナグマの母子が転出した後、ヘルパー♂が取り残されたと思ったのですが、ヘルパー♂も不在がちなのかもしれません。 


シーン5:6/27・午前0:36・気温19℃(@1:43〜) 
別アングルの公開映像でもタヌキの入巣Rシーンが撮れていました。 
前夜のタヌキと同一個体かどうか、個体識別ができていません。 

巣穴の主であるアナグマ(ヘルパー♂)が不法侵入者を追い払うために飛び出してこないということは、留守なのでしょう。 
独りになったヘルパー♂はタヌキを怖がって居留守を使っている可能性はどうでしょう? 

タヌキが巣口Rlの横で地面の匂いを嗅いで方向転換しながら排尿マーキングしたように見えたのは、私の気のせいでしょうか?(@2:21〜) 
排尿姿勢から見ると、片足を上げなかったので♀のようです。 
タヌキが潜り込んだのは巣穴Rrでした。 

この後、タヌキが出巣Rするシーンが撮れていません。 
単に撮り損ねたのか、それともタヌキが巣R内に居座ったのか、不明です。 


シーン6:6/28・午前3:41・気温20℃(@2:43〜) 
翌日の深夜未明、土砂降りの豪雨が降りしきる中、タヌキが登場。 
身震いしてから慎重に巣穴Rlの中に潜り込みました。 

この後、タヌキが出巣Rするシーンが撮れていません。 
単に撮り漏らしたのか、それとも巣R内に居座ったのか、不明です。 

一時的な雨宿りではなく、いよいよアナグマの空き巣をタヌキが本格的に乗っ取ったような気がしてきました。


 シーン7:6/29・午前5:12・気温20℃(@3:14〜)日の出時刻は午前4:16。 
翌日の早朝、雨は止んでいました。 
やって来たタヌキが奥の巣口Rを覗き込んで匂いを嗅いだものの、中には入らずに左奥の二次林へ立ち去りました。 

登場するタヌキの個体識別ができるようになれば、より面白くなりそうです。 


【追記】
アナグマ関連の本を読んで「幼獣が生まれた巣穴から母子はやがて引っ越す」という予備知識があったので、そのように解釈しているのですが、トレイルカメラの電池切れで肝心の転出行動を記録できていません。
したがって、タヌキが力づくでアナグマの巣穴を乗っ取り占拠したという可能性も排除できません。


ムシトリナデシコの花蜜を吸うホシミスジ♀

 

2023年6月下旬・午前9:40頃・晴れ 

道端の花壇に咲いたムシトリナデシコの群落でホシミスジ♀(Neptis pryeri)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
翅を半開きで開閉しながら吸蜜しています。 
後翅裏の前縁から最初の翅脈までの間隔が細いことから♀と判断しました。 

ムシトリナデシコの花から飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 (@0:24〜)
ホシミスジを撮れたのはこれが9年ぶり2回目で、私にとっては珍しい蝶です。 

関連記事(9年前の撮影)▶ ヤエウツギの花蜜を吸うホシミスジ


2024/03/07

ニホンアナグマの母子が新しい巣穴に転出した後に取り残されたヘルパー♂【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年6月下旬 

ニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)でヨチヨチ歩きの幼獣たちの姿をカメラトラップが捉えたのは、前回6/17が最後でした。 
それ以来、アナグマの出没記録がパタッと激減しました。 
おそらく、母親♀は4頭の幼獣たちを連れて別の巣穴に引っ越してしまったようです。 
母子が採食のために森の中を少しずつ遠出できるようになり、幼獣に体力が付いたら、引率して新しい巣穴へ引っ越しするのでしょう。
体重が増えた幼獣を母親♀が1頭ずつ咥えて遠くの新しい巣穴まで運び、その重労働を4往復もするのは無理だと思います。
アナグマ関連の本を読んでいて「幼獣が生まれた巣穴から母子はやがて引っ越す」という予備知識があったので、それほど動転したり落胆したりしないで済みました。 


新しい世界へ!
 それは突然でした。母アナグマは赤ちゃんたちが一緒に歩けるだけの体力がついたと判断したのでしょう。
 いつもはジェジェジェビームを使って赤ちゃんたちを巣の外へ連れ出すとビームはオフにするのですが、この時はオンのままです。
 赤ちゃんたちは教えられたとおり母アナグマの後をついてゆき、そのまま森へ消えてゆきました。 (福田幸広『アナグマはクマではありません』p90より引用)

トレイルカメラ2台に絶えず監視される生活が嫌になって母子が営巣地から逃去したのか?とか、天敵に襲われて皆殺しにされたのか?とか、あれこれ思い悩むところでした。
運悪くカメラの電池が切れていたため、引っ越しの行動が動画で記録できなかったのも残念です。 
転出先の巣穴がどこにあるのか、私は未だ見つけられていません。 
そして、この営巣地にはヘルパー♂が独り残されたようです。 


シーン1:6/22・午後17:48・気温18℃(@0:00〜)日の入り時刻は午後19:08。 
日没前の夕方に右上から登場したアナグマが獣道を通って奥の二次林に立ち去りました。 
1台の監視カメラの設置アングルに失敗してしまい、巣口Lをしっかり狙えていませんでした。 


シーン2:6/27・午前4:10・気温17℃(@0:20〜)日の出時刻は午前4:15。 
5日後の日の出直前に右から久しぶりにアナグマが登場。 
なんとなく、♀ではなくヘルパー♂のような気がします。 
ここ数日は幼獣の姿を全く見かけません。 
2つの巣口LRの中間地点に佇んで、辺りを警戒しています。 

実は約3.5時間前に、タヌキがアナグマの営巣地に来ていました。(映像公開予定) 
タヌキの残り香を嗅ぎ取って警戒しているのかもしれません。 


シーン2:6/27・午前4:19・気温19℃(@1:20〜) 
日の出直後に奥の巣穴Rから外に出てきたアナグマが、2つの巣口LRの中間地点に座り込みました。 
左の林内を見つめています。(警戒?) 
腹面に乳首が見えなかったことから、この個体もヘルパー♂だと思います。 
同居していた家族が急に減って寂しいという感情があるのでしょうか?
巣口Lの横を通り過ぎ、左へ立ち去りました。 


シーン3:6/27・午前4:20・気温17℃(@2:21〜) 
別アングルに設置したトレイルカメラによる広角の映像に切り替えます。 
5倍速の早回し映像でお届けします。 
左奥の灌木林の中をアナグマが頻りにうろついています。 
林内でおそらくミミズなどを採食しているのでしょう。 


シーン4:6/27・午後13:26・気温23℃・晴れ(@2:35〜) 
明るい真っ昼間にアナグマが奥の巣穴Rに潜り込みました。
しばらくして再び出巣Rしたアナグマが、林縁の広場で身震いしてから左奥の二次林へ走り去りました。 


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