2023/04/18

夜にスギの根元に排泄マーキングするホンドテン【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年10月中旬・午後21:00頃・気温12℃ 

自動センサーカメラが見張っている里山のスギ林道に、ある晩ホンドテンMartes melampus melampus)が登場しました。
この地点でテンが写ったのは初めてです。 
テンの観察歴が浅い私は、この個体があまりにも痩せていたので「もしやイタチ?」と急に不安になりました。 
赤外線の暗視映像はモノクロですから、体色の情報が得られないのです。 
しかしニホンイタチなら尻尾がもっと短く、もっと短足のはずです。 

奥の斜面を登って来て林道に達したようで、スギ大木(胸高直径60.5cm)の根元の匂いを嗅ぐと、腰をかがめて排泄しました。 
その辺りは普段ニホンアナグマMeles anakuma)が排便およびスクワットマーキングする溜め糞場sになっています。
ホンドテンもアナグマに対抗するように縄張りをマーキングしたのでしょう。 
過去にヒト♂もたまに立ち小便していましたが、さすがにその影響(残り香)は残っていないはずです。 
今回のテンが排泄したのが糞と尿のどちらなのか、動画では直接見えませんでした。 
素人目には排泄中の尻尾の動きから、脱糞したような気がします。 
しかし後日に現場検証してもテンの糞は見つかりませんでした。 
ということは、オシッコ(尿・小便)でマーキングしたのかな? 
あるいは少量の糞なら糞虫が速やかに処理してしまったのかもしれません。 

用を足したホンドテンは足早に林道を右に立ち去りました。 
林道上(画面の少し手前)にはホンドタヌキNyctereutes viverrinus)の溜め糞場があるのですけど、それには興味を示しませんでした。
その後もテンが定期的に通って匂い付けするようになるかと期待した(三つ巴の溜め糞場!)ものの、テンがここで排泄したのはこのとき限りでした。




ミゾソバに訪花吸蜜するウラナミシジミ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2022年10月中旬・午後14:25頃・晴れ 

河川敷を横切る水路(出水樋門の下流)に沿って咲いたミゾソバの群落でウラナミシジミ♂(Lampides boeticus)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
翅を閉じて吸蜜すると翅裏の眼状紋が目立ちます。 
強い西日を浴びて白飛び気味になってしまいました。 

閉じた後翅を互いに擦り合わせ、尾状突起を偽の頭部の触角のように動かしています。(自己擬態行動) 
本物の触角は剛性があるようで下げたまま動かないのに、尾状突起は秋風にヒラヒラとなびいています。 

しばらくすると翅を半開きにしてくれたおかげで翅表がしっかり見え、♀と判明しました。 
翅が無傷の新鮮な(羽化直後の)個体です。 
風が止むのを待って日光浴するのでしょうか。 

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:50〜)

2023/04/17

里山のトレイルカメラに下半身だけ写ったホンシュウジカ

 

2022年10月上旬・午前9:40頃 

里山の林道で常に水溜りがある区間を自動撮影カメラで監視しています。 
ある朝、大型の草食獣が林道を右から左に早足で通り過ぎました。 
体高が高く、尻の毛が白いので、ホンシュウジカCervus nippon centralis)のようです。 
残念ながらカメラの起動が間に合わず、下半身の側面がちらっと写っただけでした。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみましょう。
見慣れたニホンカモシカと比べると、体毛が黒々としています。 
カモシカのように林道上の下草を採食することはありませんでした。

※ 旧機種で明るい昼間に撮った映像は不自然なピンク色に染まるので、動画編集時に自動色調補正を施しています。 

こんな断片的な映像でも、私にとってきわめて重要な記録です。 
山形県の多雪地帯でニホンジカは越冬できないため、ほとんど生息していないことになっているからです。

関連記事(1年前の撮影)▶ 朝の山林で採食するホンシュウジカ♂@山形県【トレイルカメラ】

前年(2021年)に鹿を初めて撮ったのも10月中旬でした。 
10月に交尾期のピークを迎え、ホンシュウジカ♂は寝食を忘れて♀を探し求めるのだそうです。 
今回の動画では頭部が写っておらず、角の有無で性別を見分けることが出来ません。 
おそらく、探雌行動の♂がはるばる遠出をして来たのではないかと予想しています。 
福島県から北上したのか、新潟県や宮城県から山伝いに来たのか、興味深いところです。 
いまのところ私のトレイルカメラに鹿が写るのは年に1回だけで、きわめて稀です。 
生息密度が低く保たれていることが伺えます。
地球温暖化が進行すれば冬の積雪量が減り、分布を広げたシカによって当地山林の植生は壊滅的な食害を受けて荒廃する恐れがあります。

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