2022年9月中旬
この山林には昼行性の動物もいれば夜行性の動物もいて、秋の溜め糞場は千客万来です。
9/13〜9/19の丸7日間の全記録を時系列順にまとめ、10倍速の早回し映像にしてみました。
これまで私は登場する動物種ごとに切り分けて紹介していたのですが、時系列順にするとまた印象が変わる(違ったドラマが見えてくる)かもしれません。
センサーカメラが起動してから1分間録画するタイマー設定にしているので、動物が居なくなってからも構わず1分間は律儀に撮り続けます。
従来の報告ではカットしていた退屈な後半(動物の不在映像)も含めています。
早回し映像に加工すると、溜め糞に集まる糞虫の活動や離合集散がよく分かるようになります。
引きの絵で撮ると糞虫の動きは緩慢なので、等倍速映像ではどうしても糞虫の存在を見落としがちです。
カメラの誤作動で録画された謎のボツ映像も、よく見直すと糞虫が写っていたりします。
新鮮な糞塊を糞虫たちがせっせと地中に埋めて食べてくれるおかげで、森の中はきれいに保たれているのです。
逆に糞虫の活動が落ちると、地上に残る溜め糞の規模は大きくなります。
ちなみに、街なかで飼い犬や野鳥の糞が大問題になるのは(糞害問題)、現代人が勝手な都合で地面をアスファルトやコンクリートで埋め立てたり殺虫剤を撒いたりした結果、掃除屋の糞虫が活躍できないよう締め出したからに他なりません。
他にも得体のしれない虫たちが林床を日夜動き回っていることが分かります。
そうした糞虫などを捕食しようと、次は野鳥たちが溜め糞場に通って来ます。
夜になると野ネズミが活動します。
種子散布の本に書いてあった通りに、溜め糞に含まれる未消化の種子や糞虫を野ネズミが食べるのではないか?と期待したのですが、そのような決定的な証拠映像はなぜか未だ撮れていません。
正直に言うと、本の記述(先人たちの研究結果)に疑いを持ち始めています。
私の見ているフィールドは他と何が違うのでしょう?
タヌキとアナグマは少し離れた地点に排便していた(平和に棲み分け)のですが、ある日アナグマが急にタヌキの溜め糞場のすぐ横に対抗するように排便しました。
糞便による2種間の勢力争いも興味深いドラマです。
教科書に書いてあるような、溜め糞場を巡る生態系や食物連鎖、生物多様性を身近なフィールドで実際に目の当たりにすると感動します。
この撮影手法はやって来る動物次第なので、撮影間隔がどうしても不定期になってしまいます。
糞虫の日周活動を本格的にタイムラプス動画で記録するのなら、静止画でインターバル撮影(例えば5分間隔)する設定にしても面白いかもしれません。
ただし、そうすると今度は恒温動物(哺乳類と鳥類)が滅多に写らなくなってしまうでしょう。
動画用とインターバル写真撮影用と2台のトレイルカメラを併設できれば理想的です。