2020/03/23

腹部を回して暴れるオオエグリシャチホコ(蛾)の蛹



オオエグリシャチホコ(蛾)の飼育記録#5



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オオエグリシャチホコ(蛾)終齢幼虫の身体測定

2019年10月上旬

オオエグリシャチホコPterostoma gigantinum)の終齢幼虫が食欲を失って徘徊を始めたので、ティッシュペーパーと共に小箱に閉じ込めました。
するといつの間にか、ティッシュペーパーの裏に潜り込み、隙間に白い絹糸を張って粗い繭を作り、黒い蛹になっていました。
前蛹からの脱皮殻(蛹化殻)も残されていました。
蛹化の一部始終を動画で記録できなかったのが残念です。
(本来は地中で蛹化するそうです。)

黒光りする蛹を方眼紙に乗せて採寸します。
蛹を指で摘み上げようとしてもツルツル滑って非常に持ちにくかったです。
ピンセットで蛹を転がしたり指で摘んだりすると、腹部をぐるぐると回して暴れました。
天敵(捕食者)に対するせめてもの威嚇のつもりなのでしょう。
このとき鳴き声を発することはありませんでした。
解放してもしばらくは自発的に動き続け、転がりました。
胸部および頭部はガッチリと固められていて動けないようです。

オオエグリシャチホコは蛹越冬らしいので、このまま初夏まで休眠するのでしょう。
無事に羽化してくれるか楽しみです。

つづく→#6:休眠中に寝返りを打つオオエグリシャチホコ(蛾)の越冬蛹【10倍速映像】


オオエグリシャチホコ(蛾)蛹:側面@方眼紙
オオエグリシャチホコ(蛾)蛹:腹面@方眼紙
オオエグリシャチホコ(蛾)蛹化殻:背面@方眼紙
オオエグリシャチホコ(蛾)蛹化殻:腹面@方眼紙
オオエグリシャチホコ(蛾)蛹化殻:側面@方眼紙

川の水を飲み行水する2羽のハシボソガラス(野鳥)



2019年10月上旬・午後14:25頃

川の浅くなった淀みでハシボソガラスCorvus corone)が行水していました。
中州に上陸し身震いすると、羽繕いもせずに飛び立ちました。
流し撮りすると、川を渡って車道沿いの電線に止まりました。
落ち着いた場所で念入りに羽繕いを始めます。

そのわずか7秒後、別個体のハシボソガラスが同じ水浴場にやって来ました。
ところが対岸から望遠レンズで撮っている私を警戒したのか、行水せずに岩だらけの中州をぐるっとひと回り。
本当は水浴したいのに警戒して様子を窺っているのが見え見えです。
中州から支流の浅瀬に入り、嘴を川に浸して水を飲みました。
偵察でようやく安全を確かめるとさっきと同じ水浴場に戻り、派手に水飛沫を上げて水浴を開始。
中州に上陸し、少し羽繕いしてから再び川に入水・水浴する、というルーチンを何度も繰り返します。
さっぱりしたカラスが飛び立ったので行方を追うと、数分前の個体と同じ飛行ルートで川を飛び越えて交差点の大きな標識看板裏の水平な支柱に止まり、羽繕い。

同じ場所で相次いで水浴したこの2羽は、おそらくこの辺りを縄張りとするつがいなのでしょう。
気温、水温を測るべきでした。


ハシボソガラスa(野鳥)@川+水浴
ハシボソガラスa(野鳥)@川+水浴

2020/03/22

ヤマハギの花蜜を吸うエゾギクキンウワバ(蛾)の羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2019年10月上旬・午後14:15頃・くもり

つづら折れの峠道でコンクリート法面補強の上の崖から垂れ下がるように生えたヤマハギ(山萩)※ の灌木で地味な蛾が数頭、訪花していました。

※ 花序が葉より長いのでマルバハギではなくヤマハギと判明。(参考:『樹木見分けのポイント図鑑』p257)


吸蜜中も激しい羽ばたきを続けていることが多いです。
花に足を掛けているので、ホバリング(停空飛翔)ではありません。
ただし、たまに吸蜜中の羽ばたきを止めていることがありました。
花の蜜量が多いと省エネのためにアイドリング・ストップするのかな?

吸蜜中の羽ばたきおよび飛び立つ瞬間を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@1:15〜)
飛び立つと口吻をクルクルとゼンマイ状に縮めました。
次の花に来ると前脚で花弁を掴んで着陸し、蝶形花をよじ登ります。

複数個体を撮影。

動画とは別に、同定用の写真を撮るのに苦労しました。
蛾の激しい羽ばたきを止めた瞬間を切り取るためにシャッタースピードを上げ、ストロボを焚きました。
しかし何枚撮っても、肝心の翅の斑紋の色が不自然になってしまいました…。(ストロボの白飛び?)

ストロボにディフューザーを装着すべきでしたね。
普段動画ばかり撮っていると、静止画撮影(虫撮り)の細かなノウハウを忘れてしまい咄嗟に実践できません…。
昼行性のヤガ科で○○ウワバだろうと予想がついたものの、よく分かりません。
いつもお世話になっている新・蛾像掲示板に蛾像を投稿して問い合わせたところ、土星人さんより「エゾギクキンウワバCtenoplusia albostriata)かな」とご教示頂きました。


エゾギクキンウワバ(蛾)@ヤマハギ訪花吸蜜:ストロボ使用
エゾギクキンウワバ(蛾)@ヤマハギ訪花吸蜜:ストロボ使用
エゾギクキンウワバ(蛾)@ヤマハギ訪花吸蜜:ストロボ不使用

過去の記録を辿ってみると、自分でもすっかり忘れていたのですが9年前にエゾギクキンウワバを室内羽化させていました。
チカラシバの穂に作られた謎の繭を2010年10月上旬に採集し、7日後に羽化しました。

エゾギクキンウワバa(蛾)@室内羽化

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