2021/03/29

川面で跳ねる魚群を集団漁で捕食するカワウ(野鳥)

 

2020年11月中旬・午後15:20頃・晴れ 

夕方に川岸の倒木で夕日を浴びながら休んでいるカワウPhalacrocorax carbo hanedae)の群れを撮影していると、急に止まり木から川に次々と飛び込みました。 
計5羽のカワウが川の一箇所に集まって集団で漁をしています。 
釣りをしない私は魚の習性に疎いのですが、おそらく水中の捕食者に追われた小魚の群れが川面でピチピチと跳ね、水面の魚群を目ざとく見つけたカワウが直ちに駆けつけたのでしょう。
カワウは通常、単独で漁を行い、全身が完全に水中に潜って魚を捕ります。(単独潜水漁) 
一方、今回の集団漁では水中に首だけ突っ込んで浅いところから獲物を捕食していました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@1:36〜)、ピチピチ暴れる小魚を嘴で咥え飲み込んでいるのが分かります。 
突発的な集団漁は残念ながらすぐに終わってしまいました。 
カワウの集団漁を初めて観察できて興奮しました。 
素人目には「囲い込み漁」と呼べるほど高度な連携の取れた漁ではなく、参加者が我先に捕食している印象でした。 
中川雄三『水辺の番人カワウ』によると、
小魚の群れを追うときには集団で、大物を狙うときには個々にばらばらになって魚を追いかけます。(p26より引用)
集団漁が解散すると、カワウは次々に川面を岸に向かって遊泳し、止まり木へ戻りました。 
川岸の倒木には更に5羽以上の個体が残っていました。 
集団漁に参加したのは、カワウの群れの一部だけでした(構成は若鳥2羽と成鳥3羽)。 
漁場に残っていた1羽のカワウが川面で翼をばたつかせて濡れた羽根の水気を切りました。 

そこへ2羽のカワウが続々と下流から飛来し、急降下すると川面に着水しました。 
また別個体の1羽が上流へ向かって助走し、飛び立ちました。 
急上昇してから右に旋回し、下流へ飛び去りました。 
直接下流に向かって助走・離陸しなかったのは、風向きの影響なのでしょう。
(向かい風が無いと重いカワウは飛び立てない)
あるいは、飛行中にカメラで流し撮りを続ける私を警戒して、Uターンしてしまったのかもしれません。

ユリの花に来たコアシナガバチ♀に噛み付くクロヤマアリ♀

 

2020年7月上旬・午後15:30頃・くもり
前回の記事:▶ ユリの花蜜を吸うコアシナガバチ♀
民家の裏庭の花壇に咲いたピンクのユリの花で吸蜜に来たコアシナガバチPolistes snelleni)のワーカー♀を撮っていると、近くに潜んでいたクロヤマアリFormica japonica)のワーカー♀が駆けつけて攻撃しました。 
後脚の跗節を噛まれたコアシナガバチ♀は反撃せずに慌てて逃走しました。 
アリはユリの蜜源を縄張りとして防衛しているようです。 

2021/03/28

歩道に落ちたハナミズキの赤い実を拾い食いするハシボソガラス(冬の野鳥)

 

2020年12月上旬・午後13:40頃・くもり 

大通りの歩道に植栽された街路樹ハナミズキ(別名アメリカヤマボウシ)の真下に落ちた赤い熟果をハシボソガラスCorvus corone)が採食していました。 
少し離れてカメラを向けている私を警戒したのか、落果を2個拾い食いしただけでカラスは飛び立ってしまいました。 

カラスは車道を飛んで渡ってから、最寄りの交差点の信号機の横棒に止まりました。 
足元のアルミパイプに嘴を擦り付けてから信号機の裏に回り込んで姿を消しました。 
もしかすると信号機の裏の隙間にハナミズキの赤い実を貯食したかな?と想像を逞しくしたものの、定かではありません。 
大切な貯食物は地面に埋める方が安全な気がします。 

ハシボソガラスが居なくなった直後に私は現場検証に向かいました。 
歩道の街路樹の根元はマツバギクの花壇になっていて、そこにハナミズキの赤い実が多数散乱していました。 
カラスはせっかくの餌を大量に食べ残したまま飛び去ったことになります。 
このハナミズキの木は完全に落葉していただけでなく、果実も全く枝に残っていませんでした。 
既に野鳥が樹上の赤い熟果をほとんど食べ尽くした後なのでしょう。 
ところが興味深いことに、ハナミズキの並木道ですぐ隣の街路樹には未だ赤い実が枝にたくさん残っていました。 
先程のカラスはどうしてハナミズキ樹上で新鮮な熟果を採食せずに、歩道でちまちまと落果を拾い食いしていたのでしょうか? 
ハシブトガラスと違ってハシボソガラスは樹上よりも地上で採食する方が得意とされています。 
しかし、私はかつてハシボソガラスがハナミズキの樹上で熟果を採食するシーンも観察していますし、路上の落果を拾い食いするハシブトガラスも見ています。 
▼関連記事(5年前の撮影) 
ハナミズキの実を採食するハシボソガラス(野鳥)

▼関連記事(約1ヶ月前の撮影) 
路上に散乱したハナミズキの果実を拾い食いするハシブトガラス(野鳥)
あるいは、カラスの世界には厳然たる縄張りがありますから、果実を採食するのは自分の縄張り内のハナミズキの木に限るのかもしれません。 
まずはハナミズキ樹上で熟した果実を数日かけて食べ尽くしてから、その後で落果を拾い食いしていたのかもしれません。 
つまり、赤い実が未だ大量に残っていた隣の木は今回のハシボソガラス個体の縄張りの外にあったという解釈です。 
しかし、カラスの縄張りの境界は交差点や川など地形的にもっと分かりやすい気がします。 

どうも、どちらの仮説もちょっと無理がありそうです。 
特に深い理由など無くて、たまたま歩道をぶらついていたハシボソガラスがハナミズキ落果を見つけて食べただけかもしれませんね。

ハナミズキの株ごとに、赤く熟した果実でも味が違うという可能性もありそうです。
だとすれば、少しでも美味しい株の熟果から優先的にカラスは食べていたのでしょう。
 

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