2015/01/21

カエデの葉を食すスジエグリシャチホコ幼虫(蛾)



2014年9月下旬

つづら折りの山道でカエデの葉にイモムシを見つけました。
紅葉するには未だ早く、緑色の葉でした。
樹種はイロハカエデ(=イロハモミジ)ですかね?(自信なし)

帰って調べてみると、かなり特徴的な色彩と模様からスジエグリシャチホコPtilodon hoegei)の幼虫と判明。
カエデ類を食害する森林害虫として有名らしい。

初めは擬死していたものの、やがて警戒を解いて食事を再開。
楓の葉を蚕食する様子をマクロレンズで接写してみました。
少しの風でも葉が揺れるので撮り難い…。
顔部は真っ黒でした。
尾角のような橙色の瘤が一対あります。
葉縁・葉脈にしがみついてモリモリ食べ進んでいます。
黄色と黒の縦縞模様が警告色なのであれば堂々と葉表で食事をすれば良さそうなものですが、目立つ体はなるべく葉裏に隠れようとしています。

※ YouTubeの動画編集時に自動色調補正を施してあります。

現場で三脚を立てて微速度撮影も試みたのですが、枝を引き寄せて固定したら幼虫は擬死してしまい、企画倒れに終わりました。
仕方がないので枝葉ごと採集して持ち帰り、飼育することにしました。

『樹と生きる虫たち:シャチホコ蛾の生態』p211によると、スジエグリシャチホコ幼虫は終齢まで群棲し、終齢まで体を密着して摂食するそうです。
今回、単独で見つけたことが少し不思議です。
仲間は天敵や捕食者にやられてしまったのでしょうか?
上記の本の表8で「終齢単棲のstrainあり」と注釈が付いているので、そのような特例なのかもしれません。


葉裏に隠れて食事
枝の下に潜り込んで葉裏を見上げる
頭部
背面
側面

樹種は?

斜面の巣に出入りするチャイロスズメバチ♀の羽ばたき【ハイスピード動画】




▼前回の記事
チャイロスズメバチ♀の巣を山道で見つけた!

2014年9月下旬

斜面に営巣したチャイロスズメバチの定点観察#2

1週間後に色々と装備を整えてからチャイロスズメバチVespa dybowskii)の営巣地を再訪しました。
林道の路肩から斜面を見下ろしながら、巣に出入りする蜂を240-fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
巣の手前でホバリング(停空飛翔)する個体も見られます。

巣がどうなっているのか、観察しないことには埒が明きません。
次はいよいよ意を決して巣を撮る作戦に挑みます。


つづく→シリーズ#3:チャイロスズメバチの巣を安全に撮影するには?


カボチャ泥棒のニホンザル♂



2014年9月下旬

山麓の杉林でニホンザルの群れの気配を感じました。
耳を澄ませて鳴き声を探っていると、用水路沿いの柵で1頭の野生ニホンザルMacaca fuscata)を発見。
口にカボチャの実を咥え、四足でフェンスの上を歩いて来ます。
背を向けて鉄パイプに腰掛けました。
ふと振り返った瞬間に私の姿を認め、ギョッとしたように慌てて下に降りました。
右腕に南瓜を抱えながら林縁の地面を走り去り、ときどき立ち止まっては暗い杉木立の隙間から何度も振り返ってこちらを覗き見ています。

近くの畑を荒らしてカボチャの実を盗んできたのでしょうか?
必ずしもそうとは言い切れません。
実はこの近くに猿を捕獲する罠が仕掛けられており(猿害対策)、誘き寄せるために撒かれた餌だけを失敬してきた可能性もあるのです。
盗みの犯行現場を見ていないので、いずれにせよ想像でしかありません。
カボチャは山野に自生しない農作物ですから、人間界との関わりで得た食料であることは確かです。

撮影アングルを求めて私がそっと追いかけると、猿は再びフェンスの上に登りこちらを頻りに気にしていました。
この立派なフェンスは農地を囲う物ではなく、用水路にヒトが落ちないよう設置された安全柵です。
四足で柵の上を歩き去る猿の後ろ姿を撮り続けました。
股間に赤い睾丸の発達した♂成獣のようです。
口に咥えて運んでいる丸い緑色の物体が何なのか、初め分かりませんでした。
チラッと一瞬見えた切り口が黄色かったので、ようやくカボチャと判明しました。
猿は座り込んでこちらを凝視しています。
警戒声を発しているのかもしれませんが、遠くて全く聞こえませんでした。
最後はフェンスから下りて雑木林の奥に姿を消しました。
おそらく群れの仲間を追って行ったのだと思いますが、他の個体は見かけませんでした。
いわゆる「離れ猿」だったのかもしれません。

※ YouTubeの動画編集時に自動色調補正を施してあります。



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