2024/03/11

梅雨の晩にアナグマ営巣地の林床を駆け回り餌を探す野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 


2023年6月下旬・午後20:02・雨・気温19℃ 

雨が降りしきる晩に野ネズミ(ノネズミ)が二次林の林床をチョロチョロと走り回り、餌を探しています。 

ニホンアナグマMeles anakuma)の母子が巣穴から転出した後なので、野ネズミが空き巣に侵入する頻度が上がるかと予想したのですが、そうでもありませんでした。 
ただし、これは単純な話ではありません。 
アナグマのヘルパー♂だけが居残っているかもしれませんし、タヌキがアナグマの巣穴を乗っ取った可能性もあります。
そもそも野ネズミの出現頻度が一時期よりも減っている(個体数の増加が抑えられている)のは、ホンドテンやニホンイタチ、フクロウなど夜行性の捕食者が暗躍するようになったせいではないか?と推測しています。 


ハウチワカエデの樹上で栄養交換するトゲアリ♀の群れ

 

2023年6月上旬・午後13:50頃・晴れ 

急峻な細い山道の横に自生するハウチワカエデの幹にトゲアリPolyrhachis lamellidens)のワーカー♀が群がっていました。 
アリの行列とは言うほどではありませんが、複数個体が幹を登り降りしています。 
幹の湾曲した下部でたむろしている群れが、気になる行動をしていました。 

樹上で別個体と出会うと、立ち止まって触角で触れ合い、挨拶します。 
同じコロニー出身の仲間かどうか、体表の匂いで確かめているのでしょう。 
そこまでは普通なのですが、長々と熱烈な口づけ(キス)を交わすペアがいます。 
おそらく社会性昆虫が仲間に餌を吐き戻して与える「栄養交換」の行動なのでしょう。 
ハウチワカエデから滲み出す甘い樹液(メープルシロップ)を吸汁してきた個体が仲間に分け与えているのではないか?と推測しました。 
しかし、樹上を見上げても樹液が滲む場所は見つけられず、樹液酒場に特有の発酵臭を私の鼻では嗅ぎ取れませんでした。 

関連記事(11年前の撮影)▶ トゲアリ♀の喧嘩 
このときは、出会い頭に2匹がキスを始めました。 
栄養交換ではなく、別のコロニー出身の敵同士による激しい喧嘩でした。 


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2024/03/10

スギ防風林でニホンアナグマの溜め糞を通りすがりに調べるホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2023年6月下旬・午前4:01・(日の出時刻は午前4:15) 



ニホンアナグマMeles anakuma)が排便に通う溜め糞場stmpにホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が夜明け前に登場しました。 
スギ防風林を左からやって来たようで、朽ち果てた切株の上に乗り、アナグマの溜め糞stmpを見下ろしています。 
アナグマの新鮮な糞の匂いを嗅いでから左に立ち去りました。 

実は左に5mぐらい離れた地点にタヌキが排便に通う巨大な溜め糞場wbcがあるのです。 

タヌキがアナグマの溜め糞の上に対抗して排便することもありませんし、逆にアナグマがタヌキの溜め糞場で排便することもありません。 
しかし縄張りが重なり合う2種が近接してそれぞれの溜め糞場を設けているということは、お互いに意識し合って糞便の匂いで縄張りを宣言しているのでしょう。




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