2023/04/20

電柱の腕金に片足で立つノスリが排便後に飛び立つ様子

 

2022年10月中旬・午前10:35頃・くもり 

田園地帯の道端にある電柱の腕金(上から二段目の水平なバー)にノスリButeo japonicus)が止まっていました。 
よく見ると、左足を持ち上げて体に引き付け、右足で片足立ちしていました。 
疲れた足を休めているのか、あるいは金属の腕金は冷たくて交互に温めているのかな? 
後者の理由だとすると、暑い夏は片足立ちにならない(季節限定の行動)と予想されます。 
周囲の刈田を鋭い眼光で見回し、獲物を探しています。 

実は22分前にも少し離れた地点でノスリを見かけていたのですが、もしかしたら同一個体かもしれません。 
(私はまだノスリの個体識別ができていません。) 

電柱の腕金に左足も下ろして両足立ちになると、前傾しつつ白い液状便を後方に勢い良く放出しました。
脱糞の瞬間を1/5倍速のスローモーションでまずご覧ください。(@1:36〜) 
直後に等倍速でリプレイ。 
両足立ちになったということは左足を負傷している訳ではないと分かり、一安心。 

腕金上を横歩きしてから飛び立ちました。(@2:15〜) 
脱糞で軽量化したということは、今にも離陸しそうだと予測はついていました。 
私が担いでいた荷物が重くて長撮り中に我慢できなくなり、地面にガシャンと下ろしたらその音にビクッと驚いて逃げたようです。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:21〜) 
翼下面の模様から、ノスリと確定できました。 

ノスリは広大な刈田を飛び越えると、裏山に近い刈田の端に立つ電柱の天辺に止まり直しました。 
着陸直後は尾羽を左右に振っています。

2023/04/19

登山者を警戒して迂回しながら林道をすれ違う野生ニホンザルの群れ

 



2022年10月上旬・午後12:05頃・くもり 

里山の林道のカーブ地点でニホンザルMacaca fuscata fuscata)の親子らしき2頭が座り込んでいます。 
親が子の背中を甲斐甲斐しくノミ取りをしてやっています。(対他毛繕い) 
リラックスして毛繕いを受ける子ザルが寝そべりながらもチラチラとこちらを見ている表情が微笑ましいです。 

背後の林道から登場した別個体の子ザルは、カーブ地点で私の存在に気づくと立ち止まり、警戒して引き返しました。 
道端の杉落枝に登って一休み。 

林道のカーブ地点からベテランの成獣♀がやって来ました。 お婆さんと呼べるほど老齢かどうか分かりませんが、ニホンザルもヒトと同じく加齢で毛が白っぽくなるのでしょうか? 
乳首が長いので経産♀と分かります。 
顔色が紅潮しているのは発情期に入った印です。 
若い子ザルたちが私の存在に怯えたり警戒したりしているのに対して、このベテラン♀は流石に落ち着き払っています。 
おそらく私と山中で何度も出会っていて「恐るるに足らず、こいつは大丈夫」と知っているのでしょう。 
砂利道をノシノシと四足で歩いて、こちらにどんどん近づいて来ます。 
それで安心したのか、ベテラン♀の背後から先程の子ザル達も続々とついて来ます。 
猿の群れは道端の藪に入り、林道上に突っ立っている私を迂回しながら無事にすれ違いました。 
この一連の行動だけを見ると、ベテラン♀が群れを堂々と率いる「ボス猿」に見えるかもしれません。 
実際に、群れ内で順位の高いα♀だったりするのでしょうか? 
そもそも「ボス猿」という概念は「サル学」の黎明期に猿山や餌付け群で見出されたので、山林を自由に遊動する野生群(非餌付け群)にも当てはまるかどうか眉唾です。 
もっとじっくり観察して個体識別できるようになったら、楽しそうです。 
スマホの顔認識でニホンザルも正しく個体識別してくれるように機械学習する専用アプリを誰か開発して下さい。

スギ林道に生えたスギエダタケ(キノコ)を採集してみる

 

2022年10月中旬・午前11:10頃・くもり 

里山の杉林道に残された溜め糞場sを長期に渡って定点観察しています。 
秋になるとスギの落ち葉の下から白いキノコが疎らに生えてくることに去年(2021年)から気づいていました。 
私はキノコについて全くの勉強不足で敬遠していたのですが、今年は一念発起して名前を調べてみることにしました。 
キノコの中には動物の排泄物(糞尿)の周囲から特異的に生えてくる種類(アンモニア菌など)が居るらしく、てっきりその一種だと思い込んでいました。 
溜め糞場をめぐる複雑な生態系の重要な一員であるとすれば、面白いストーリーになりそうです。 

林道に敷き詰められたスギの落ち葉の隙間から点々と生えている白い子実体を1本ずつ採集してみると、易々と引き抜けました。 
白くて薄い傘や茶色の柄を手で裂いてみると、かんたんに裂けました。 
調べてみると、アンモニア菌ではなくスギエダタケというキノコでした。
スギエダタケは毒キノコではなく食べられるそうなのですが、私は試食したことがありません。 
動画の冒頭に写っていたように、スギエダタケ子実体の傘が何者かによって食害を受けていました。 
キノコ食(菌食性)の昆虫または野ネズミの仕業ではないかと予想しています。 


ヤマケイポケットガイド15『きのこ』でスギエダタケについて調べると、
傘は透明感が高く、滑らか。粘性はない。スギ以外の針葉樹の落枝からも発生する。 地面に落ちたスギの枝から生える白いきのこで、きのこの少ないスギ林では貴重な存在。小さいが材の分解力が強く、森の掃除屋といったところ。傘は陽の光が透けそうなほど透明感があり、表に細かい毛が密生している。柄は橙黄褐色でやはり微毛が生えている。 発生時期: 晩秋〜初冬 傘径: 1〜5cm 傘の裏: ひだは白色、上生〜難生、やや密〜やや疎。胞子紋は白色。 柄の高さ: 3〜7cm 可食
奥が深いキノコの世界も、ひとつひとつ地道に名前を覚えるしかありません。

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