2022年9月中旬・午後13:35頃・晴れ
里山の尾根道にホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)が残した溜め糞場cに様々なハエが多数群がっています。
その中でハネフリバエ科Euxesta属の一種(Euxesta sp.)に注目してマクロレンズで接写してみました。
小さいながらも綺麗なハエで、緑色の金属光沢が直射日光を浴びて美しく輝いています。
一緒に居たキンバエ類の鮮やかなメタリックグリーンとはまた違う、ちょっとくすんだ渋いメタリックグリーン(緑がかった金色?)です。
最近名前を知ったばかりのちょっとレアなハエなので、ここにも来ていたか!という嬉しさがあります。
まさに知る人ぞ知る「掃き溜めに鶴」。
冒頭でEuxestaの足元の糞塊がモコモコと大きく上下したのは、おそらく糞虫がその下で活動しているためでしょう。
Euxestaには透明な翅に黒い縁紋が2つあり、それを誇示するように左右の翅を絶えず開閉しています。
口吻を伸縮させて獣糞から吸汁している間も、身繕いする間も、ひたすら翅紋誇示を続けています。
左右の翅を同時に動かしたり別々に動かしたり、素人目には不規則な動きに見えます。
Euxestaは「手旗信号」で一体どんなメッセージを誰に対して発しているのか、解読したくなります。
普通に考えれば、求愛か威嚇のディスプレイ(誇示行動)でしょう。
千客万来で繁盛している「うんちレストラン」で隣客(キンバエ類やオオマダラヒロクチバエ、ニクバエ類など)が図々しく割り込んできたりして距離が近くなり過ぎると、Euxestaは翅開閉の頻度を上げるようです。
激しく翅紋を誇示して牽制したところで、結局は体の大きなハエに遠慮して場所を譲ってしまいます。
次に機会があれば、Euxesta同種間で交流しているときの翅紋誇示をじっくり観察してみたいところです。
快晴の尾根道は自然光の光量が強く、マクロレンズを装着した接写には絶好のコンディションでした。
ちなみに前回はやや日陰での接写でした。
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・翅紋を誇示しながら林床で身繕いするハネフリバエ科Euxesta属の一種