2022/02/03

水浴中に川面で互いに突進し合うコハクチョウの謎【野鳥:ハイスピード動画】

 

2021年11月上旬・午後14:50頃・晴れ
前回の記事:▶ 川の浅瀬で盛大に水浴するコハクチョウの群れ【野鳥:HD動画&ハイスピード動画】

浅い川で水浴するコハクチョウCygnus columbianus bewickii)の小群(成鳥5羽+若鳥1羽)を240-fpsのハイスピード動画でも撮っていたら、興味深い行動が撮れていました。 

シーン1:(@0:00〜) 
水中に体を横倒しにして水浴びを始めた幼鳥(嘴がピンク色)が体勢を立て直すと、急に川面を突進し始めました。 
左右の翼を同時に羽ばたきながら川面を走るのは、離陸前の助走と似ています。 
幼鳥は画角の外に出てしまったのですが、私が慌てて流し撮りすると、いつの間にか成鳥(嘴が黒と黄色)も幼鳥と少し並走してから立ち止まりました。 
水浴中の群れに近づいた外敵を追い払うために、2羽が協力して威嚇したのでしょうか? 
ハイスピード動画の撮影中はレンズをズームアウトできないために、肝心の相手(追い払った仮想敵)が写っていません。 
一体何が起きたのか、恥ずかしながら私も今となっては覚えていません。
もしも異種間の興味深い小競り合いが勃発したのであれば、きっと私は野帳に記録したり、音声メモを動画に吹き込んだりしたはずです。 
もしかすると、水浴中の幼鳥が隣りにいた成鳥の機嫌を損ねて追いかけられたのかもしれません。 
幼鳥に追いついても成鳥は嘴でつつくなどの直接的な攻撃を加えませんでした。 

羽ばたきながら川面を凄い剣幕で突進。 

シーン2:(@0:45〜) 
騒動のきっかけは、またもや幼鳥の水浴から始まります。 
自分で川の中に横倒しにひっくり返り、もがくように水浴びをしています。 
起き上がると左右の翼を同時に羽ばたいて水面に打ち付けながら走り回ります。 
今回は直線的な突進ではなく、左に旋回しながら川面を走ります。 
元気の有り余っている幼鳥が、水浴のついでにはしゃいでいるのかな? 
それを隣で見ていた成鳥が、同じく激しく羽ばたきながら水面を走って幼鳥を追いかけ始めました。 
更にもう1羽の成鳥も同様に駆け寄ってきました。 
川ではしゃぐ若鳥を成鳥たちがたしなめているのか…?とどうしても擬人化してしまいます。 
それとも、川面が少し混み合っているので、自分が水浴するためのスペースを確保したいのでしょうか? 
コハクチョウの群れ内で互いに威嚇し合っているのか、何か攻撃的な誇示行動(ディスプレイ)のような気がしてきました。 
群れ内の順位を決める争いがあるのですかね? 
白鳥の性別を私は見分けられないのですけど、♂が激しく走り回って♀の気を引こうと必死でアピールしているのかもしれません。(求愛誇示?)
擬人化すると、男子が合コンを盛り上げようとしてやる団体芸のようなものなのかな?
夕方の水浴タイムが終わると、コハクチョウの群れ内での小競り合い(?)は見られなくなりました。 

 手元にあるハクチョウ関連の資料を読み返してみても、似たような行動の記述は見当たりません。
 毎日次々とオオハクチョウが越冬地に到着する頃には、家族同士でけたたましい口論が繰り返され、時には派手なけんかもする。勢力の強さは主に餌を採る権利と結びついているようである。けんかはふつう数分間つづき、翼の“手首”で相手を叩いたり、相手の肩をかんだりする。その間、幼鳥たちやほかのグループのハクチョウは喧しくはやし立てる。負けたほうはおとなしく退散するので、相手を傷つけるようなことはめったにない。日が経つにつれて順位が確立され、いさかいは少なくなる。概して、そのシーズンに早く到着した大家族がトップの座を占めることが多い。(嵯峨悌二『白鳥 (クォークスペシャル)』p91より引用)
喧嘩中の写真が載ってないので文章から想像するしかないのですが、私が今回観察した行動とは違うようです。 
今回のコハクチョウでは、相手を叩いたり噛んだりする直接的な攻撃は見られませんでした。
▼関連記事(7か月前の撮影) 
早朝の川で激しく争うコハクチョウの群れ(早春の野鳥)

雨の日に池の岸をうろつくアズマヒキガエル【トレイルカメラ】

 

2021年11月上旬・午後14:40頃・雨・気温11℃ 

トレイルカメラ(無人センサーカメラ)で監視している水場に雨が降ると、毎回ではありませんがアズマヒキガエルBufo japonicus formosus)が登場します。
前回の記事:▶ 大雨の朝に水場の岸を登るアズマヒキガエル【トレイルカメラ】
この池の主なのかな? 
今回はフルカラーで録画できました。
雨がシトシト降り続き、落ち葉でほぼ覆われた池の水面に波紋が広がります。 
ヒキガエルは池の中から此岸に上陸したのでしょうか? 
斜め正面(崖の方)を向き、喉をヒクヒクさせています。 
やがて画面右下隅の方へ歩き出すと、画角から消えました。 
しかし急斜面の崖を登れずに諦めたようで、引き返して来ました。 
ノシノシと歩いて水場に戻る途中で立ち止まり、しばらく池を眺めています。 
最後は水辺に降りて姿が見えなくなりました(カメラの死角)。 
水中に戻ったのかな? 

トレイルカメラは恒温動物の熱源を動体検知して録画を始める仕組みなのですが、変温動物の両生類でも、至近距離でレンズの前を横切ればさすがにセンサーが作動するようです。 
(落ち葉が池にハラハラと落ちてくるだけでトレイルカメラは誤作動してしまいます。) 
それとも、活動中のヒキガエルの体温はまさか気温よりも若干高いのでしょうか? 
サーモグラフィカメラでヒキガエルを録画してみたいものです。 

2022/02/02

川岸の新しいニセアカシア倒木で羽繕いするカワウ若鳥(野鳥)

 

2021年11月上旬・午後15:45頃・晴れ 


増水時に侵食された川岸から最近になってニセアカシア(別名ハリエンジュ)の高木が新たに2本、川をまたぐように倒れました。 
その長い倒木をカワウPhalacrocorax carbo hanedae)の群れが早速、止まり木として利用するようになりました。 
私は河畔林にこっそり忍び寄り、木立の隙間から隠し撮り。 
新しい倒木2本のうち、右側(上流側)の倒木R上でカワウの若鳥が西日を浴びながら念入りに羽繕いしています。 
右足を持ち上げ、片足立ちで頭(首の上方)を掻きました。 

倒木Rはなぜかカワウにあまり人気がなくて、この若鳥1羽しか居ませんでした。 
ほとんどの個体が左側(下流側)の倒木Lに並んでいたのですが、手前の藪が邪魔でどうしても撮影できません。 
私が無理して近づいたら、川岸のカルガモやカワウに気づかれて逃げられました。

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