2021/03/13

オレンジの果汁を吸うアカタテハ

 

アカタテハの飼育記録#10 


2020年10月下旬・午前10:40頃・室温20.7℃・湿度46% 

(6日前に羽化した3頭目の個体cの飼育記録ですが、都合により羽化シーンより先に公開します。) 

海外の動画で見たのですが、ヒメアカタテハはオレンジの甘い果汁が大好きで、野外に置くと群れが誘引されるそうです。 
私もやってみたくて、秋になるとフィールドに出るときにはオレンジの果実を持ち歩くようにしたのですが、なかなかヒメアカタテハと出会うチャンスがありませんでした。 
アカタテハではどうでしょうか?

最後に室内羽化したアカタテハc(Vanessa indica)を飼育ケースに閉じ込めて、輪切りにしたオレンジ果実を与えてみました。 
しかし閉じ込められたアカタテハ成虫は明るい方から逃げようとパタパタ飛んで暴れるだけで、なかなか落ち着いてくれません。 
6日目にしてようやく撮影に成功しました。 
飼育容器の蓋をそっと開けて、窓から撮影します。 

実は前日に、皿に置いたオレンジ・スライスの接地面の隙間にアカタテハが口吻を差し込んで舐めているのを目撃しています。 
どうやら輪切りオレンジの表面が乾いてしまったようなので、スライスをひっくり返して未だ瑞々しい裏面を表にしておきました。 

ゼンマイ状の口吻をクルクルと伸ばしてオレンジの果肉に差し込み、吸汁を始めました。 
翅をゆるやかに開閉させ、触角をときどき上下に振り立てています。 
横から接写すると、タテハチョウ科に特有の退化した前脚をやや前方に伸ばしていました。 
その前脚だけ毛深いことを初めて知りました。 

撮影後に私も満足したので、アカタテハcを窓から外に解放してやりました。(放蝶) 
食べ残しのオレンジ・スライスを捨てる際に匂いを嗅ぐと、数日間放置していたので少し発酵していました。 
アカタテハ成虫は樹液や腐果によく集まる習性があるので、今回もオレンジが発酵するまではあまり興味を示さなかったのかもしれません。

2021/03/12

秋の草地で立ちすくむニホンカモシカ

 

2020年11月上旬・午後15:55頃・くもり 

山麓の草地で久しぶりにニホンカモシカCapricornis crispus)と出会いました。 
何かを採食していたカモシカも私が歩く物音に気づき、立ったままこちらを正面からじっと見つめています。 
口元から食べかけの草が少しはみ出しています。 
採食メニューは不明ですが、カモシカの手前にはキンエノコロの群落が見えます。 
しばらくするとカモシカはモグモグと咀嚼し始め、口から涎が垂れました。 

薄暗い夕暮れ時なので、画質が粗いです。 
背後に見える里山の雑木林は黄葉しています。 
近くの森からキツツキの鳴き声♪が聞こえます。 

カモシカの周囲を蚊柱が群飛しています。 
耳をときどきプルプルと大きく震わせて、蚊を追い払っています。 
外耳の縁は無傷で、個体識別できそうな特徴がありません。 
ときどき脇腹の筋肉をピクピクと器用に動かしているのも、蚊に刺されないように追い払っているのでしょう。 

やがてカモシカは横を向いて、画面右の水路にゆっくりと歩み寄りました。 
そのまま水路を飛び越えて山林に逃げ込むのかと予想しました。 
黙って長撮りしている私に業を煮やしたのか、カモシカは鼻息を荒げて威嚇してきました。 
腹式呼吸(肋骨および横隔膜を急激に収縮)で勢い良く鼻息を発していることが分かります。
それでも私が無反応なので、ニホンカモシカは身を翻して林道を走り去りました。 

警戒を解いて草地で採食を再開してくれるのではないかと期待したのですが、残念ながら逃げられてしまいました。 

私も急いで追いかけると、すぐにカモシカと再会できました。 
林道で立ち止まり、こちらを振り返って見ています。 
鼻息威嚇♪を繰り返し、走り去りました。 
後ろ姿の股間を見ても、いつものようにカモシカは外性器がよく分からず、性別不明です。

 

ベニバナボロギク?の茎を食べる褐色型のナシケンモン(蛾)幼虫a

 

2020年10月下旬・午後14:35頃・くもり 

平地の農道沿いの草むらで褐色型のナシケンモンViminia rumicis)の幼虫を見つけました。 
枯れた草本植物をほとんど食べ尽くし、残った固そうな茎を齧っています。 
隣にベニバナボロギクの花が咲いていたので、おそらくその茎だろうと思います。
▼関連記事(同日に近くで撮影) 
ベニバナボロギクの葉を食べるナシケンモン(蛾)終齢幼虫b

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