アカタテハの飼育記録#10
2020年10月下旬・午前10:40頃・室温20.7℃・湿度46%
(6日前に羽化した3頭目の個体cの飼育記録ですが、都合により羽化シーンより先に公開します。)
海外の動画で見たのですが、ヒメアカタテハはオレンジの甘い果汁が大好きで、野外に置くと群れが誘引されるそうです。
私もやってみたくて、秋になるとフィールドに出るときにはオレンジの果実を持ち歩くようにしたのですが、なかなかヒメアカタテハと出会うチャンスがありませんでした。
アカタテハではどうでしょうか?
最後に室内羽化したアカタテハc(Vanessa indica)を飼育ケースに閉じ込めて、輪切りにしたオレンジ果実を与えてみました。
しかし閉じ込められたアカタテハ成虫は明るい方から逃げようとパタパタ飛んで暴れるだけで、なかなか落ち着いてくれません。
6日目にしてようやく撮影に成功しました。
飼育容器の蓋をそっと開けて、窓から撮影します。
実は前日に、皿に置いたオレンジ・スライスの接地面の隙間にアカタテハが口吻を差し込んで舐めているのを目撃しています。
どうやら輪切りオレンジの表面が乾いてしまったようなので、スライスをひっくり返して未だ瑞々しい裏面を表にしておきました。
ゼンマイ状の口吻をクルクルと伸ばしてオレンジの果肉に差し込み、吸汁を始めました。
翅をゆるやかに開閉させ、触角をときどき上下に振り立てています。
横から接写すると、タテハチョウ科に特有の退化した前脚をやや前方に伸ばしていました。
その前脚だけ毛深いことを初めて知りました。
撮影後に私も満足したので、アカタテハcを窓から外に解放してやりました。(放蝶)
食べ残しのオレンジ・スライスを捨てる際に匂いを嗅ぐと、数日間放置していたので少し発酵していました。
アカタテハ成虫は樹液や腐果によく集まる習性があるので、今回もオレンジが発酵するまではあまり興味を示さなかったのかもしれません。