2019/05/09

コガネグモダマシ♂(蜘蛛)の造網中に列車が近くを通ると…



2018年10月中旬・午後16:09〜16:23(日の入り時刻は17:02)

農道沿いに生えたススキの群落でコガネグモダマシLarinia argiopiformis)が日課の垂直円網を張り始めました。

本種の造網過程の一部始終を動画に記録するのは長年の課題でした。
造網後半の動画は何度か撮っているのですけど、枠糸および縦糸を張る前半の過程は、いつも見逃したり撮り損ねたりしていました。
秋のフィールドで造網を始めたコガネグモダマシを見つけた私が慌てて三脚を準備している間に、あっという間に造網が進行してしまうのです。
過去の反省から三脚を使わず、手持ちカメラのまま動画を撮ることにしました。
この日は幸いよく晴れて無風で、絶好の撮影日和でした。

ところで馬場友希、谷川明男『クモ ハンドブック』を紐解いてコガネグモダマシを調べてみると、

夜、草の間に垂直円網を張る。(p61より引用)
と書いてあります。
しかし、少なくとも私のフィールドでは、夜ではなくまだ明るい夕刻になると一斉に造網しています。


枯れたススキの穂と茎を利用して、垂直円網の枠糸をまず張ります。
この個体は触肢がやや膨らんでいるので、おそらく♂でしょう。


次は、後に円網の中心となるこしきを経由して縦糸を放射状に張り始めました。
縦糸を引きながら懸垂下降すると、近くのクズの葉に糸の下端を固定しました。
すぐに縦糸を登り返します。
網全体の張力のバランスを取りながら縦糸を張るので、クモが放射状の縦糸を追加する順番は不規則(に見えます)。

円網の背後はクズやセイタカアワダチソウ、ヨモギなどが生い茂った道端の草むらです。
カメラをAFモードのままにすると、動画撮影中にピントが合わなくなりがちです。
そこで途中からMF固定焦点に切り替えてこしきにピントを合わせたままにしました。
クモの動きに合わせて私が前後に少し動けばピントを微調節できるはずなのですが、実際にはなかなか難しいです。

縦糸を張り終えたクモは、続いて足場糸を張り始めました。(@6:14〜)
中央のこしきから反時計回り(左回り)に螺旋状の足場糸を張り進めます。

外側の枠糸に達すると、今度は粘着性の横糸を張り始めます。(@8:10〜)
時計回り(右回り)の螺旋状に横糸を密に張っていきます。
横糸を張りながら同時に、不要になった足場糸を切っているはずなのですが、この映像では糸がよく見えませんね。
最後の横糸張りに最も時間がかかります。

やがて私の背後の遠くから線路の踏切が鳴り始め、嫌な予感がします。
せっかくここまでは造網作業が順調だったのに、邪魔が入りました。
線路を列車がガタンゴトン♪と轟音を立てて通過すると、コガネグモダマシ♂は造網を中断し、網から自発的に転がり落ちてしてしまいました。
クモは振動に極めて敏感ですから、通過列車の騒音に驚いて咄嗟に緊急避難したのでしょう。
草むらに逃げたクモを見失ってしまいました。

しかし、この場所で毎日夕方の同じ時間帯に造網しているのであれば、列車が毎日定時に横を通ることを学習しても良さそうなものです。
列車は結局のところクモに対して脅威ではない(天敵ではない)のですから、騒音も無視すれば良いでしょう。
狼少年の人騒がせな偽警報のように、馴れは生じないのかな?
騒音や振動がどうしても耐え難いのであれば、造網開始時刻を前後にずらしたり造網場所を遠くに移動しても良いはずです。


※ 
太陽の順光を浴びたクモの糸と網を強調するために、動画編集時にコントラストをかなり上げています。
その副作用で、クモの体色が白飛びしてしまっています。


つづく→


ハナミズキの赤い実を採食するヒヨドリの群れ(野鳥)



2018年11月上旬

公園に植栽されたハナミズキ(別名アメリカヤマボウシ)の並木が見事な紅葉となり、赤い実もなっています。
そこへ飛来したヒヨドリHypsipetes amaurotis)の群れが、賑やかに鳴き交わしながらその果実を採食していました。
あいにく逆光になってしまい、私が順光のアングルに移動し直す前にヒヨドリはすぐ飛び去ってしまいました。

同じ採食シーンを順光で撮り直したくて、後日にも何度か同じ公園を再訪して張り込みました。

しかしヒヨドリに警戒されてしまい、物にすることが出来ませんでした。
来季以降の宿題です。

公園の木々に付けられた解説プレートに「アメリカハナミズキ」と書いてあって混乱したのですが、調べてみると正式にはハナミズキ(アメリカヤマボウシ)とのことです。




▼関連記事(3年前の撮影)
ハナミズキの実を採食するハシボソガラス(野鳥)

※ 動画編集時に自動色調補正を施して逆光を少しでも改善しました。


【追記】
2年後の厳冬期にも撮影できました。
冠雪したハナミズキの樹上で赤い実を食べるヒヨドリの群れ【HD動画&ハイスピード動画】(冬の野鳥)

ハナミズキ(アメリカヤマボウシ)紅葉+赤い実
ハナミズキ(アメリカヤマボウシ)紅葉+赤い実:樹冠
ハナミズキ(アメリカヤマボウシ)紅葉+赤い実
ハナミズキ(アメリカヤマボウシ)赤い実・落果


【追記】
翌春に現場を再訪すると、この株は白い花(花弁ではなく総苞)を咲かせる品種でした。

2019/05/08

ブタナを訪花するヒメアカタテハの羽ばたき【HD動画&ハイスピード動画】



2018年11月上旬

暖かな秋晴れの日の午後に、河原の土手に咲いたブタナの群落でヒメアカタテハVanessa cardui)が訪花していました。

花から花へ忙しなく飛び回ると、翅を開いたまま吸蜜しています。
複数個体を撮影。

花から飛び立つ瞬間を狙って240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:39〜)



【追記】
この花の名前を長らくオオジシバリだと思い込んでいたのですが、外来種(帰化植物)のブタナと分かったので訂正しておきます。


ヒメアカタテハ@ブタナ訪花吸蜜
ヒメアカタテハ@ブタナ訪花吸蜜

ブタナ花・全景
ブタナ花・全景
ブタナ花

ランダムに記事を読む