2023/03/27

カラムシの葉を綴った巣内に隠れて食事するアカタテハの幼虫

 

2022年9月下旬・午後15:30頃・晴れ 

川沿いの民家の庭で生け垣の隙間にカラムシの群落が生えていました。 
カラムシの花が咲き終わり、実が穂になっています。 
そのカラムシ群落にアカタテハVanessa indica)の幼虫が作った巣が多数見つかりました。 
カラムシの葉裏は白いので、葉裏を表側にして絹糸で綴り合わせた隠れ家は、緑のカラムシ群落では逆に目立っています。 

食草(食材)を巣材としているため、中に潜むアカタテハ幼虫が食べ進むと食事中の上半身が丸見えになります。 
巣材のカラムシ葉の縁からきれいに蚕食していました。 


食事シーンを記録した後で、アカタテハ幼虫の隠れ家を暴いてみることにしました。 
巣材のカラムシ葉同士を綴り合わせる絹糸をペリペリと剥がして巣を開いても、中のアカタテハ幼虫は丸まってじっとしているだけでした。 
暴れて威嚇したり、擬死落下したりすることはありませんでした。 
アカタテハ幼虫の体表に並ぶトゲトゲは見掛け倒しで、ヒトが触れても痛くないのですが、威嚇効果に自信があるのでしょうか? 
別の大きな巣をもう一つぐらい暴いてみるべきでしたね。

アカタテハ幼虫がカラムシの葉を綴り合わせて隠れ家を作る様子をタイムラプスで記録するのが来季以降の課題です。

2023/03/26

早朝のスギ林道を3本足で歩く負傷ニホンザル【トレイルカメラ】

 



2022年9月下旬・午前6:22・気温20℃ (日の出時刻は午前5:25) 

トレイルカメラで監視している里山のスギ林道を通過したニホンザルMacaca fuscata fuscata)の記録です。 
とっくに夜が明けたはずなのに、スギ山林の朝は未だかなり薄暗く、相当ざらついた画質です。 
これならむしろ暗視モードで記録して欲しかったところです。 
もしかすると、朝霧が少し立ち込めているのかもしれません。 

林道を1頭のニホンザルが右に歩き去りました。 
左から来たのならカメラの起動が遅れたのはなぜだろう?と不思議に思っていたら、2番目の個体が右下隅から林道に登場しました。 
林道脇の法面(斜面)の獣道を山側から下って来たようです。 
後続の個体は歩行が痛々しく、右後脚を地面に着かずに3本足でヒョコヒョコと跛行していました。 
棘を踏むなど怪我したのでしょうか? 
生まれつきの奇形かもしれませんし、あるいは「猿も木から落ちる」で骨折した個体なのかな?

関連記事(1年前の撮影)▶ 左後脚を負傷して跛行する野生ニホンザル

関連記事(同じ山系で10日後に撮影)▶ 不自由な右後足をかばって跛行するニホンザル♀


つづく→

ヌスビトハギの節果がマジックテープのように服に付着する様を実演してみる(ひっつき虫)【動物散布型の種子】

 

2022年9月下旬・午前11:30頃・晴れ 

山林の下草として咲いていたヌスビトハギの花が散り、節果が熟してきました。 
その表面はザラザラしており、鈎状の微細な突起に覆われているのだそうです。 
野山を歩く我々の衣服や靴にペタペタと付着して遠くに運ばれます。 
つまり、ヌスビトハギの実は俗に言う「ひっつき虫」の一種で、その種子散布の様式は動物散布型です。
マジックテープ(面ファスナー)のように衣服に付着する様子を実演してみました。 
採取した節果をバラバラに分離してからTシャツの腹に付けてみると、粘着して落ちません。
通りすがりの動物や鳥の体表に強固に付着するのではなく、ペリペリと簡単に剥がれる点もポイントです。 

※ 動画の冒頭に、ヌスビトハギの蝶形花を撮った写真(9月上旬)のスライドショーを追加しました。

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