2023/03/18

草地を飛び回り巣穴に出入りするモンスズメバチ♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 



2022年8月上旬・午前7:00頃・晴れ 

朝早くから河川敷を歩いていると、コンクリート縁石の横に開いた穴にモンスズメバチVespa crabro)のワーカー♀が出入りしていることに気づきました。 
6月に定点観察していたモンスズメバチのコロニーaは草刈り作業員に駆除されたと思っていたのですが、新しい巣bに引っ越し(逃居)してきたのでしょうか? 
新旧2つの巣は直線距離で北に(下流にa→b)約140m離れていました。 
蜂を個体標識していなかったので、同一コロニーとは限りません。
私が気づかなかっただけで、初めから独立した2つの巣があったのかもしれません。 
地中に営巣するモンスズメバチを見つけたのは2例目で、珍しくはないようです。 

イネ科の草(芝生?)が一面に生えた河川敷で元々は野ネズミの巣穴を再利用したのか、今回の巣口bはかなり大きく広げられています。 
数日前に集中豪雨が降ったのですが、この河川敷が氾濫するほどの増水はしてないので、巣内への浸水は免れたようです。 

複数個体のワーカー♀が連続して帰巣したり出巣したりすることがあり、活発なコロニーと分かりました。 
蜂が外役から戻ってくると、ブーン♪という羽音が聞こえます。 

黒っぽい小型のコオロギ?が巣口付近をウロウロしても、モンスズメバチ♀は獲物として狩るどころか全く無関心でした。 
門衛が追い払いに来ることもないので、コオロギは無害と判断されたのでしょう。 

この日は三脚を持参しなかったので、まずは手持ちカメラで動画を撮ります。 
私が巣に近づき過ぎると、警戒したワーカー♀が撮影する私の目の前をホバリングしてまとわりつき、誰何してきます。(映像なし) 
その度に落ち着いて後退したので、攻撃を受けずに済みました。 
黒い服を着ていたら危なかったかもしれません。 
モンスズメバチ♀が飛びながら大顎をカチカチ♪鳴らす威嚇は聞き取れませんでした。 
空中で透明な液体を排出したのは脱糞したのか、それとも毒液で警戒フェロモンを放出したのかな? (映像なし)

巣口を見下ろすように、帰巣する蜂の背側から撮ると、巣に何を搬入したのか、空荷かどうか確認できません。 
そこで巣口の横の地面にカメラを直置きし、240-fpsのハイスピード動画でモンスズメバチの離着陸を横から撮影してみることにしました。(@1:51〜) 
丸めたバンダナをカメラの下に挟み込んで、カメラの高さや角度を適当に調節しました。 
カメラという黒くて大きな異物が巣口の横に突然出現したので、帰巣した外役ワーカー♀は露骨に警戒するようになりました。 
しかし黒いデジカメに直接激しい攻撃を加えることはありませんでした。 
私は少し離れた場所から見守ります。 
しばらくすると、カメラの存在に慣れてくれた蜂がようやく落ち着いて巣穴に出入りするようになりました。 
後半からは緑の迷彩柄のバンダナを黒いカメラの上から被せてみたら、周囲の芝生に溶け込んで蜂はほとんど気にしなくなりました。
(この作戦はかなり有効です!)
 

空荷で帰巣したワーカー♀が真上から巣口に降下すると、周囲の草が蜂の羽ばたきでなびきます。 
まるでヘリコプターの着陸シーンのようで格好良いですね。
ホバリングしながらゆっくり降下しながらも、着陸するまで蜂は油断なく周囲を見回していました(空中で向きを変えています)。 
停飛しながらカメラ目線をくれることもありました。 
アシナガバチと違ってスズメバチは飛翔時に足を体側になるべく引き付け、空気抵抗を減らしています。 
その脚を伸ばして着陸します。 

トンネルから巣口まで這い出てきたワーカー♀は羽ばたきを始め、外役に飛び去ります。 

外役から戻ってきた個体が入巣しようとしたら、巣口から別個体が飛び出してきたので、着陸を延期しました。(出巣個体が優先?) 
一方、慌てて離陸した個体は巣口の横に生えた草にぶつかり、空中で少し体勢を崩しました。 

後半は手持ちカメラでもハイスピード動画を撮ってみました。 
巣口に置きピンしてから、飛来した蜂が入巣するまで上手く流し撮りすることができました。(@8:15〜) 
巣口の横に置いていたカメラが急に無くなったので、蜂は少し警戒しているようです。 
巣口の上でいつもより長くホバリングしています。 
あるいは営巣地の景色がまた変わったせいで、戸惑った蜂が少し迷子になっているのかもしれません。 
それでも結局は無事に帰巣しました。 
トンネルの入口で待ち構えていた門衛の誰何を受け、栄養交換をしたように見えました。 
門衛とすれ違って完全に入巣するまで、なぜか長く時間がかかりました。
(実時間でも長いので、早回しに加工しました) 

ラストシーンでは、出巣しかけた個体が巣口まで登ってきたものの、警戒・逡巡して巣内に戻りました。(@9:40〜) 

離着陸を繰り返す飛翔シーンをスーパースローで見ると、生きたモンスズメバチ♀は最先端の小型ドローンよりも高性能であることがよく分かります。 
何よりも静音性が段違いです。 
ハイスピード動画で迫力のある離着陸シーンが撮れたものの、期待したような獲物(肉団子)や巣材の搬入シーンは結局撮れていませんでした。 
撮れるまで愚直に粘るべきでしたが、太陽が高く昇るにつれて耐え難いほど暑くなりますし、徹夜明けで疲れていた私は撮影を打ち切って帰りました。 
周囲でミンミンゼミ♂がやかましく鳴いているのに、モンスズメバチは狩りに行かないのでしょうか?

※ 撮影順ではなく、ストーリーを考えて映像素材を並べ替えました。 

2023/03/17

カラマツの幹を駆け下りてクルミを運ぶニホンリスの謎【トレイルカメラ】

 

前回の記事:▶ ニホンリスの垂直跳び 


2022年9月下旬・午前10:22および11:00 

里山で雑木林の斜面に立つ泥カラマツを自動撮影カメラで監視しています。 
癖のある旧機種で撮影したせいで、明るい昼間なのに、画面全体が不自然なピンク色になってしまいます。 
動画編集時に自動色調補正を施して、なんとか不自然さを減らしました。 
(冒頭シーンは別日に辛うじてフルカラーで記録できた日中の現場の様子です。)

幹に泥汚れのついたカラマツの樹上からパラパラと樹皮の欠片?が落ちてきました。 
何事かと思いきや、湾曲したカラマツの幹をニホンリスSciurus lis)が駆け下りてきました。 
口に何か丸くて白っぽい果実を咥えていて、そのまま斜面を駆け上がりました。 
木の実をどこかへ貯食する(隠す)のでしょう。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイしてみると(@0:18〜)、リスが運んでいたのは、カラマツの松ぼっくり(球果)ではなく、オニグルミの堅果のように見えます。 
問題なのは、現場近くで自生するオニグルミの木を見かけたことがないということです。 
過去にニホンリスがクルミの堅果をわざわざ遠くから運んでカラマツの樹上に隠しておいた(貯食)のでしょうか? 
ちなみに、松ぼっくりはリスの大好物とされていて、エビフライのような特徴的な食痕になることがフィールドサインの本にはよく紹介されています。 
しかし私は未だ山中で海老フライ状になった松ぼっくりをなぜか一度も見つけたことがありません。 
実は、トレイルカメラを固定している樹種はシナノキです。 
カラマツと隣接して生えるシナノキの丸い果実をリスが運んでいる可能性もありそうですが、木の実の大きさが違う気がします。
シナノキの果実も堅果らしいのですが、動物散布ではなく風散布されると知ってびっくり!


38分後の午前11:00に、再びニホンリスが登場しました。(@0:37〜) 
小雨がぱらついています。 
前回と全く同じルートでカラマツの湾曲した幹を駆け下り、そのまま雑木林の斜面を走って登りました。 
いつの間にか同一個体が戻ってきたのかな? 
今回はスロー再生しても(@0:48〜)木の実を運搬しているようには見えず、おそらく空荷でした。 




 
 ↑【おまけの動画】 

2022年9月下旬・午前6:13(日の出時刻は午前5:30) 

5日後の早朝に現れたリスは空荷でした。 
トレイルカメラの画角が少し違いますが、画面の上から林床の斜面を左に駆け下りました。 

前の動画とつなげてから公開しようと思ったのですが、ファイル形式が微妙に違っていたので連結できませんでした。



クルマバナの花蜜を吸うモンシロチョウ♂

 

2022年7月中旬・午前11:30頃・晴れ 

休耕地に咲いたクルマバナの群落でモンシロチョウ♂(Pieris rapae)が訪花していました。 
翅をしっかり閉じて吸蜜しています。 

クロマルハナバチBombus ignitus)のワーカー♀が飛来すると、モンシロチョウ♂は驚いて飛び立ちました。 
少し飛んだだけで上の花に止まり直し、吸蜜を再開。 
クロマルハナバチ♀とニアミスした瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。

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