2022/01/30

ヒャクニチソウの花粉・花蜜を舐めるオオハナアブ♂

 

2021年11月上旬・午後12:05頃・晴れ 

道端の花壇に咲いたヒャクニチソウ(百日草)の群落で オオハナアブ♂(Phytomia zonata)が訪花していました。 
左右の複眼が頭頂部で接しているので♂ですね。 
この組み合わせは初見です。 
花弁がピンク色の株で花蜜や花粉を舐めています。 
隣の花へ飛んで移動。

 

2022/01/29

池畔の巣穴からドングリを運んで貯食し直す野ネズミ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2021年10月中旬
前回の記事:▶ 水場の周囲を夜な夜な活動するノネズミ(その2)【トレイルカメラ:暗視映像】
池畔の崖に開いた横穴にトレイルカメラ(無人センサーカメラ)を設置して、これまで里山の水場を監視してきました。 
どうやら、その横穴は元々は野ネズミ(ノネズミ)が掘った巣穴だったようです。 
隠しカメラの周囲をチョロチョロと動き回る夜行性の野ネズミが頻繁に撮れました。 
しかしあまりにも至近距離過ぎて、野ネズミが何をしているのかよく分かりませんでした。 
そこで、トレイルカメラを設置する位置を変えて、逆のアングルから池畔の崖の横穴を見下ろすように狙ってみました。 

元々は雑草や幼木の枝葉や木の細い根っこが巣口を塞ぐように生い茂っていたのですが、レンズの視界を遮らないように取り除きました。 
トレイルカメラを置くためには横穴内の地面をある程度は水平にする必要があり、そのために平らな石(※)を土台として埋め込みました。 
ノネズミの巣穴とはつゆ知らず、巣口の環境を私はこれだけ改変してしまいました。 
巣口をトレイルカメラで塞がれたノネズミはかなり困ったはずです。 
非力なノネズミは、巣口を塞ぐトレイルカメラを力任せにどかす(外に押し出す)ことは出来なかったようです。 
わずかな隙間からすり抜けていたのかもしれません。 
実はトンネルの構造はかなり複雑です。 
崖に左右2つの巣口が開いていて、ノネズミは別の巣口から出入りしていた可能性もあります。 
左下の巣口には植物が茂っていたり落ち葉が詰まっていたりして、画面では隠されて見えます。 

以下の記録は一夜に起きた出来事です。 
アカネズミApodemus speciosus)または樹上性のヒメネズミApodemus argenteus)だと思うのですが、今のところ私には動画で見分けることができません。 
どなたか見分けられる達人がいらっしゃいましたら、教えて下さい。 

シーン1:午後17:42(日没時刻は午後16:56) 
予想通り、トレイルカメラを撤去した横穴から野ネズミが出て来ました。 
赤外線の暗視カメラでは目が白く光って見えます。 
巣口付近を探索していた野ネズミが、突然何かに驚いて右へ逃走。 

シーン2:午後21:25 
再び野ネズミが巣穴から現れました。 
同一個体がいつの間にか戻っていたのか、複数個体が巣穴で暮らしているのか、今のところ分かりません。 
巣口の土をかじって拡張工事をしているようです。 
私が巣口の床に敷いた平らな土台石(※)が邪魔なようです。 
一旦は巣穴の奥に入ったものの、しばらくするとまた巣口に出てきました。 
巣口の周囲の崖で忙しなく跳んだり走り回ったりしました。 
次に土台石の下の隙間から何かを掘り出すと口に咥え、巣穴内の右に運んで行きました。(@1:20) 
よく見るとドングリの実(堅果)でした。 
越冬準備の貯食行動ですね。 
野ネズミはドングリを貯食する場所を変更しているようです。 
私が勝手にカメラの土台石(※)を巣口内に置いたせいで、元々の貯食部屋を塞いでしまったのかもしれません。
池畔にはミズナラの木が生育していますが、枝から落ちたドングリが崖を転がり落ちて自然に横穴の巣口へ落ちたとは考えられません。

シーン3:午後21:27 
すぐにまた野ネズミが巣穴から出てきました。 
私が穴の中に置いた土台石の下を掘ろうとしています。 
邪魔な石をどかしたいのでしょう。 
諦めた野ネズミは巣から出て右に走って消えました。 


不思議なことに、外出から戻って来た野ネズミの帰巣シーンが一度も撮れていません。 
素早い野ネズミの入巣は一瞬でセンサーカメラの起動が間に合わないのかもしれませんが、おそらく画角外にも複数の出入り口があるのではないかと私は予想しています。 (トンネル内部でつながっている)
例えば、煙草の煙を大量に穴へ吹き込んだら、全ての出入り口の場所を突き止められるかな?
(酷い異臭で煙責めされた野ネズミが身の危険を感じて巣穴から逃去したら元も子もないので、この作戦は却下。) 

トレイルカメラのアングルを変えただけで、野ネズミの様子がだいぶ分かってきました。 
まさに百聞は一見に如かず。 
もっと早くやるべきでしたね。 
しかし、どこまで自然な行動が記録されているかどうか、あまり自信がありません。 
トレイルカメラの発するかすかな異音を野ネズミが警戒している可能性があります。 
このトレイルカメラは安物のせいか、動画撮影中にミミ、ミミ、ミミ、…♪とファックスのような電子ノイズが常時混入します。 
動画再生時に音量ボリュームを上げてもらうと聞こえます。 
同じ機種の2台目でも同じ症状でした。 
野ネズミにとっては非常に耳障りな超音波を発しているのではないか?と心配です。 


獣糞下の巣穴から外に出て来たセンチコガネ

 

2021年10月中旬・午後14:05頃・くもり 

里山の尾根道を歩くセンチコガネPhelotrupes laevistriatus)と出会いました。(標高約650m地点) 
地面に開いた巣穴から外に出てきたばかりのようです。 
産卵を終えた♀なのか、それとも♀との交尾を終えた♂なのか、どちらでしょう? 
捕獲して性別をしっかり調べるべきでした。 
せかせかと歩いて穴から遠ざかります。 
左右の前脚腿節の前面にオレンジ色の毛束が目立ちます。
▼関連記事(10年前の撮影) 
センチコガネの前脚にあるオレンジ色の付着物の正体
尾根道の横の落ち葉の上で小休止し、最後は潜り込んでしまいました。 
もう二度と巣穴には戻らないはずですが、巣口を埋め戻さないのが不思議です。 (♂なのかな?)
まさか巣穴から羽化したばかりの新成虫なのでしょうか?

尾根道の真ん中に開いた巣穴にズームインしてみると、古い獣糞の直下に掘られていました。 
撮影中は気づかなかったのですが、巣穴の奥で何か昆虫の脚が動いています。 
センチコガネのパートナー♀が巣穴に未だ残っているかな? 
次に機会があれば、巣穴を掘り出して産卵済みの糞玉の有無を確認するつもりです。 
ゴム手袋や根堀を常に携帯する必要がありそうです。 

糞の細長い形状からおそらくホンドテンMartes melampus melampus)の糞(干からびている)だと思います。 
未消化の植物の種子が含まれています。 
あるいはもしかすると、ハクビシンの糞かもしれません。
なぜなら、この尾根道をハクビシンも利用しているからです。
▼関連記事(2か月前の撮影) 
夜の山道を歩くハクビシン【トレイルカメラ:暗視映像】



【追記】

ファーブル写真昆虫記5『ふんの玉をころがす虫』でセンチコガネの生活史を復習してみました。

本書の文章はファーブルの記録を翻訳したものですが、添付された生態写真と巻末の解説は日本産の糞虫のものです。

・ 卵をうむとき、センチコガネは、ふん玉をつくりません。そのかわり、巣穴の底から途中までをふんでうめつくします。卵のへやは、底のほうにつくられています。

・ オオセンチコガネは、ふつう6月に卵をうみ、9月にあたらしい成虫が羽化します。(p47より引用)

今回は獣糞の量が少ないので、産卵用の巣穴ではなく自分で獣糞を食べるための隠れ家だったのかもしれません。 

  

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