2019年9月下旬・午後14:53
河原のコンクリート護岸でオオカマキリ♀(Tenodera aridifolia)が佇んでいました。
立ち上がって鎌を構え、獲物を待ち伏せているのでしょうか?
完全に静止してはおらず、まるで風に吹かれている植物のように、体を左右に揺らしています。
実は、(ツルガ?)ハキリバチ♀の巣穴のすぐ左上でこのオオカマキリ♀を見つけたのです。
もしかすると巣穴に出入りするハキリバチ♀を待ち伏せて狩ろうとしているのか?と少し期待しました。
カメラと三脚が2セットあればカマキリとハキリバチの動向を別々に監視・録画したいところです。
この日は1台しかカメラが無かったので、下手すると注意力が散漫になって「虻蜂取らず」になりそうです。
仕方なく、ハキリバチ♀の巣穴に全神経を集中することにしました。
気づくといつの間にかオオカマキリ♀は居なくなっていました。
どうやら、たまたま通りかかっただけのようです。
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オオカマキリ♀:顔@コンクリート護岸 |
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オオカマキリ♀:背側@コンクリート護岸 |
2019年9月下旬・午後14:13・晴れ
河原に咲いたカワラハハコの群落でキムネクマバチ♀(Xylocopa appendiculata circumvolans)が訪花していました。
顔が黒いので♀ですね。
240-fpsのハイスピード動画で撮影。
吸蜜中もアイドリングのように羽ばたきを続けていましたが、花に脚を掛けているのでホバリング(停空飛翔)ではありません。
後脚の花粉籠は空荷でした。
続いて高画質のHDモードに切り替えようとしたら間に合わず、クマバチ♀に逃げられてしまいました。
2019年9月下旬
▼前回の記事
葉片を巣に持ち帰る度に迷子になるハキリバチ♀【HD動画&ハイスピード動画】
巣材の葉片を搬入するために巣穴に出入りを繰り返すハキリバチ♀の観察を続けていると、一度だけ奇妙な出巣行動をしました。
[ツルガハキリバチ♀(Megachile tsurugensis)ですかね?]
240-fpsのハイスピード動画での撮影です。
1/8倍速のスローモーションをご覧下さい。
ハキリバチ♀がいつものように穴の奥から歩いて出てくると、巣口から羽ばたいて飛び立ちました。
離陸直後に空中でUターンしたので、巣口の位置を記憶し直すための定位飛行をするのかと思いきや、なぜか再び真っ直ぐ帰巣しました。
今更カメラや私の存在を警戒するはずがありませんし、寄生者が近くに待ち伏せしていた訳でもありませんでした。
忘れ物を取りに戻ったのでしょうか?(※追記参照)
…というのは冗談です。(手ぶらで出巣するのは毎度のことです。)
巣穴の通路で小石を乗り越える際に、ハキリバチ♀の腹部下面にスコパが見えました。
奥の育房で何をしているのか見えないのが残念です。
これが何か意味のある行動だとすると、一つ考えられるのが産卵のための方向転換です。
借坑性の蜂が竹筒トラップなどの細い隙間に営巣したときは、坑内で方向転換することができないので、育房の準備が出来上がると一旦外に出て巣口で向きを変え、後ろ向きで入巣し直し産卵するのです。
▼関連記事(9年前の撮影)
・オオフタオビドロバチ♀の産卵
・オオハキリバチ♀の産卵
今回の巣穴は中でハキリバチ♀が方向転換できるぐらい充分広いのに、わざわざ一旦出巣する意味が分かりません。
しかも、いつもと同じく頭から入巣しています。
という訳で、産卵でもなさそうです。
疲れ切ってもう巣材集めに行きたくなくなったのでしょうか?
しかしこのハキリバチ♀は意外にも13秒後に再び外出しました。
巣口に向かって暗い穴の奥から歩いて出て来る蜂の姿が私には見えなくて撮影を中断した結果、尻切れトンボの映像になってしまいました。
これ以降もハキリバチ♀は採餌活動や貯食行動に切り替えたりせずに、夕方まで巣材の搬入を続けました。
つづく→ハキリバチの巣穴を覗きたい…
※【追記】
芸人の中川家がやる物真似のネタ「玄関から外に出かけた直後、忘れ物をしたことに気づいて家に引き返すサラリーマン」を連想して可笑しくなりました。