2018年7月中旬
湿地帯に生えた柳の灌木(樹種不明)で樹液が滲み出ている幹がありました。
発酵して白く泡立っている物を指で触れて嗅ぐと樹液の甘酸っぱい発酵臭がしました。
その樹液酒場にヨツボシケシキスイ(Librodor japonicus)が集まっていました。
樹液を吸汁しながらときどき腹端から排泄しているようです。(@0:21、1:30)
樹液が泡立って白い塊になった部分だけでなく、樹液で濡れているものの泡立ってはいない部分の幹にも来ていました。
樹皮の隙間や割れ目に隠れている個体もいました。
ヨツボシケシキスイは昆虫ゼリーを餌として飼育できるらしいので、機会があれば挑戦してみるつもりです。
柳の樹液酒場には得体のしれない謎の幼虫も蠢いていました。
小さなハエも来ています。(種名不詳)
森上信夫『樹液に集まる昆虫ハンドブック』によれば
(ヨツボシケシキスイは)平地〜低山地まで広く分布し、個体数も非常に多い。クヌギやコナラなどの樹液に来る。昼間のほうが活発だが、昼夜問わずに体ごと樹液に埋没しているような姿でいることが多く、活動中か休息中か判断しづらい。クワガタムシのような立派な大あごをもつが、これを使って戦う姿をみたことはない。 (p52より引用)
山渓フィールドブックス13『甲虫』によると、
ヨツボシケシキスイは成虫がクヌギなどの樹液に集まり、周囲の樹皮のすき間に産卵する。孵化した幼虫は雑食性で、樹液だけでなく、他の昆虫類の幼虫も捕食して育ち、7月頃に木の根元近くの樹皮下などに潜って蛹になる。 (p97より引用)
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
ヨツボシケシキスイa@柳樹液吸汁 |
ヨツボシケシキスイa@柳樹液吸汁・全景 |
ヨツボシケシキスイb@柳樹液吸汁 |
ヨツボシケシキスイb@柳樹液吸汁(左の樹皮の隙間・割れ目にも隠れている) |
ヨツボシケシキスイb@柳樹液吸汁・全景 |