2024/11/26

年末年始にイタチの越冬巣穴の横を通るホンドタヌキのペア【トレイルカメラ:暗視映像】

 




2023年12月下旬〜2024年1月上旬

シーン0:12/22・午後13:12・くもり(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
平地のスギ防風林で、画面の奥に向かって根こそぎ倒れたスギの根元に掘られたニホンイタチMustela itatsi)の越冬用巣穴bを自動撮影カメラで監視しています。 
画面のほぼ中央にぽっかり開いているのが、問題の巣穴bです。 
丸木橋のような水平の細い倒木で遮られて見えませんが、その下をくぐったすぐ左奥にも、イタチが越冬する「根曲がり巣穴a」があります。 
2つの巣穴は内部でつながっていそうですが、撮影機材の数が限られているために、2つの巣穴を同時に監視することが出来ません。 
年末年始のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)登場シーンをまとめました。 


シーン1:12/27・午前0:59(@0:03〜) 
積もった雪がだいぶ溶けて、雪面の雪質は湿雪のようです。 
深夜に奥の獣道から単独で現れたタヌキが、水平倒木の下からイタチの越冬巣穴の入口bの様子を伺っています。 
手前に向かって雪の斜面を降りようとしたところで打ち切られました。 
監視カメラの電池が消耗していて、わずか2秒間しか録画されていませんでした。 
仕方がないので、1/3倍速のスローモーションでリプレイ。 


シーン2:12/27・午前10:58・晴れ(@0:12〜) 
シーン2:12/27・午後14:20・晴れ(@0:15〜) 
日中は晴れて、さらに雪解けが進みます。 
水平倒木から剥がれ落ちたスギの樹皮が雪面に散乱しています。 


シーン3:12/29・午後18:01(@0:19〜) 日の入り時刻は午後16:31。
晩に♀♂ペアと思われる2頭のタヌキが登場しました。 
まず先行個体が奥の獣道から登場し、水平倒木の下を慎重にくぐりました。 
水平倒木の丸木橋を頻りに見上げて辺りを警戒しています。 
イタチの越冬用巣穴bには近寄らず、手前に立ち去りました。 
雪面は「腐れ雪」の状態で、ズボズボ潜って歩きにくそうです。 


シーン4:12/29・午後18:02(@1:15〜) 
20秒後に、後続個体が同ルートで通過するかと思いきや、左に立ち去りました。 
監視カメラの存在に気づいて警戒したのかな? 
と思いきや、じきに左端から戻ってきました。 
水平倒木の下をくぐって左下へ向かいます。 
イタチの巣穴bには気づきませんでした。 


シーン5:1/2・午前3:19(@1:48〜) 
これ以降は、電池の消耗で1秒間しか夜の暗視動画が記録されなくなりました。 
ほとんど写真と同じです。 
水平倒木をくぐった直下で左奥を向いて佇んでいるタヌキの姿が写っていました。 


シーン6:1/5・午後21:34(@1:51〜) 
タヌキが巣口bの横で立ち止まり、匂いを嗅いでいる様子がちらっと写りました。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
いまのところ、タヌキがイタチの越冬用巣穴bの中に図々しく忍び込むことはありません。 
同じイタチ科でもニホンイタチは他の野生動物になんとなく一目置かれているようで、ニホンアナグマは図体は少し大きいのに舐められているような印象があります。 


つづく→

ヒャクニチソウの花蜜を吸うシロオビノメイガ(蛾)

 

2023年10月中旬・午後15:25:頃・晴れ 

街なかの花壇に咲いたヒャクニチソウ(百日草)の群落でシロオビノメイガSpoladea recurvalis)が訪花していました。 
この組み合わせは初見です。 
伸ばした口吻を筒状花に差し込んで吸蜜していました。 
色とりどりの舌状花が咲き乱れる多品種のヒャクニチソウの中で、シロオビノメイガが黄色と白色(花弁の外側が白で内側が赤の二色花)の花を選んでいました。 

準備運動しなくても直ちに飛び立って、別の花に移動します。 
飛び立つ瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:36〜)

写真では、ヒャクニチソウの葉に止まっているところも撮りました。

2024/11/25

厳冬期の夜に雪山を駆け回る冬毛のニホンノウサギ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年12月下旬〜2024年1月上旬〜2月上旬 

シーン0:12/25・午後12:18・晴れ(@0:00〜) 
明るい日中にたまたまフルカラーで撮れた現場の様子です。 
雪が積もった里山で、ニホンカモシカの溜め糞場sr1をトレイルカメラで見張っています。 
画面の手前から奥に向かって、山の斜面を見上げています。 
手前はスギ植林地、奥には落葉性広葉樹が数本見えています。
冬毛のニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)の登場シーンをまとめました。 


シーン1:12/26・午後21:46・小雪(@0:05〜) 
小雪がちらつく晩に、奥の雪斜面に立ち止まっていたノウサギの目が白く光りました。 
暗くてよく見えませんが、右上奥の谷の方へ立ち去ったようです。 


シーン2:12/31・午前0:24(@0:14〜) 
大晦日の深夜に凍結した雪面をノウサギが左から右へ駆けてきます。 
立ち止まると、雪面に散乱するスギ落ち葉の匂いを嗅いだり味見したようです。 
手前へ向かってゆっくり立ち去りました。 


シーン3:1/7・午前4:49(@1:05〜) 
新年の未明に、ノウサギが久しぶりに登場しました。 
スギから垂れ下がった横枝の下に立ち止まって、枝葉の匂いを嗅いでいるようです。 
もし採食行動なら、スギの枝が大きく揺れるはずです。 
スギの背後を通って左へ向かいました。 


シーン4:1/8・午前11:21(@1:30〜) 
新雪が少し積もりました。 


シーン5:2/8・午後21:15(@1:42〜) 
次にノウサギが登場したのは1ヶ月後でした。 
新雪が積もった後の晴れた夜、雪面はスギ樹上からの落雪のせいで凸凹しています。 
画面の上端を右から左へ、スギの背後を通ってノウサギが駆け抜けました。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
昨年の冬よりもニホンノウサギの登場頻度が低い印象です。 
今季は暖冬で積雪量が少ないことと関係あるのでしょうか? 
冬毛のノウサギは真っ白ですから、積雪が無くて地面が露出すると逆に目立ってしまいます。 
キツネに捕食されてしまったのか?と心配していました。 
雪が多く残っている高地に移動してしまったのかもしれません。
餌のことを考えれば、低標高の縄張りに留まっていたほうが有利ではないでしょうか。




つづく→

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