2023年12月下旬〜2024年1月上旬
シーン0:12/22・午後13:12・くもり(@0:00〜)
明るい昼間にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。
平地のスギ防風林で、画面の奥に向かって根こそぎ倒れたスギの根元に掘られたニホンイタチ(Mustela itatsi)の越冬用巣穴bを自動撮影カメラで監視しています。
画面のほぼ中央にぽっかり開いているのが、問題の巣穴bです。
丸木橋のような水平の細い倒木で遮られて見えませんが、その下をくぐったすぐ左奥にも、イタチが越冬する「根曲がり巣穴a」があります。
2つの巣穴は内部でつながっていそうですが、撮影機材の数が限られているために、2つの巣穴を同時に監視することが出来ません。
年末年始のホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)登場シーンをまとめました。
シーン1:12/27・午前0:59(@0:03〜)
積もった雪がだいぶ溶けて、雪面の雪質は湿雪のようです。
深夜に奥の獣道から単独で現れたタヌキが、水平倒木の下からイタチの越冬巣穴の入口bの様子を伺っています。
手前に向かって雪の斜面を降りようとしたところで打ち切られました。
監視カメラの電池が消耗していて、わずか2秒間しか録画されていませんでした。
仕方がないので、1/3倍速のスローモーションでリプレイ。
シーン2:12/27・午前10:58・晴れ(@0:12〜)
シーン2:12/27・午後14:20・晴れ(@0:15〜)
日中は晴れて、さらに雪解けが進みます。
水平倒木から剥がれ落ちたスギの樹皮が雪面に散乱しています。
シーン3:12/29・午後18:01(@0:19〜) 日の入り時刻は午後16:31。
晩に♀♂ペアと思われる2頭のタヌキが登場しました。
まず先行個体が奥の獣道から登場し、水平倒木の下を慎重にくぐりました。
水平倒木の丸木橋を頻りに見上げて辺りを警戒しています。
イタチの越冬用巣穴bには近寄らず、手前に立ち去りました。
雪面は「腐れ雪」の状態で、ズボズボ潜って歩きにくそうです。
シーン4:12/29・午後18:02(@1:15〜)
20秒後に、後続個体が同ルートで通過するかと思いきや、左に立ち去りました。
監視カメラの存在に気づいて警戒したのかな?
と思いきや、じきに左端から戻ってきました。
水平倒木の下をくぐって左下へ向かいます。
イタチの巣穴bには気づきませんでした。
シーン5:1/2・午前3:19(@1:48〜)
これ以降は、電池の消耗で1秒間しか夜の暗視動画が記録されなくなりました。
ほとんど写真と同じです。
水平倒木をくぐった直下で左奥を向いて佇んでいるタヌキの姿が写っていました。
シーン6:1/5・午後21:34(@1:51〜)
タヌキが巣口bの横で立ち止まり、匂いを嗅いでいる様子がちらっと写りました。
※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。
【考察】
いまのところ、タヌキがイタチの越冬用巣穴bの中に図々しく忍び込むことはありません。
同じイタチ科でもニホンイタチは他の野生動物になんとなく一目置かれているようで、ニホンアナグマは図体は少し大きいのに舐められているような印象があります。
つづく→